第7話 vsオーガ

「大丈夫か。逃げれるか?」


俺は近くにいたタンクの娘に話しかけた。


「うぅ…動きたいんですけど足が思うように動かなくて…」


うーん、初めてみるオーガに怯えて動けなくなっている感じだ。

他の二人は完全に腰が抜けて立てないようだしどーしようか。

悩んでいると悶えていたオーガが立ち上がるのを感じた。完全に頭に来てるようだ。


「逃がしてから戦う予定だったけど仕方ないかな…」

「え、無理ですよ!!あれはAクラスの探索者でもソロで戦えないモンスターなんですよ!」

少女が怯えたように叫ぶ。

「それよりも貴方も逃げないと!」

「いやー、流石に女性をおいて逃げる男ではないので」

「「そんな、今の状況わかってます?!」」


腰が抜けている二人からも呆れた声が飛んできた。

中々元気があるようで、安心したというかなんというか。


「大丈夫です。オーガならなんとかなるんで。あ、これはオフレコでお願いします。」


そういうと俺はオーガに向き合った。

オーガは大きく腕を振りかぶって殴り付ける体勢をとった。

オーガの体重をのせた一撃は曰く10トントラックの衝突並みってネットに書いてあったなー


俺は振り下ろされた拳を片手で止めて思い出した。

オーガの一撃を吸収しきれなかったのか足元の地面が陥没し、したにめり込む。


そう、俺はEランクだけど、オーガ程度なら楽々倒せるぐらいに身体を鍛えている。

正確には俺が持っている特異スキルのせいで通常の探索者と一線を画す強さを持っている。

正直オーガ相手ならスキルを使うほどでもないしこのまま押しきってしまおうか。


「そーっれ」


振り下ろされた拳を掴んで背負い投げの要領で頭から地面に叩きつける。

ゴリッと言う嫌な音がダンジョンに響き渡る。


「うっそぉ…」


後ろから小さな声が聞こえた。

まぁヒト型とはいえ普通5メートルもある巨体を背負い投げスタイルで振り回すなんて不可能だから仕方なし。


とりあえずオーガの討伐はサクッと終わりを迎えた。

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