第8話 ダンジョン3人娘~シオン~


「うっそぉ……」


私は目の前の光景が信じられずに言葉が自然と出た。


私の名前は上国 紫苑(かみくに しおん)

福岡で活動しているアイドルグループ『KLM48』で活動している。

今日は地元熊本でミクとイオの同期3人でダンジョン配信をしていた。

内容は中学の時に討伐できなかった中層のボス、ミノタウロス。

中学時代、受験のため断念した中層攻略に挑んだんだ。

ダンジョン3人娘で約2年活動し、実力的にもミノタウロスなら勝てる!


そう思っていた……


配信を始めてミノタウロスとの戦闘に入って数分後、ミノタウロスが突然つぶされた。

出てきたのは巨大な鬼……オーガ。

俗に言うイレギュラーモンスターだった。

前ダンジョン配信でSクラスの探索者DANKINさんが討伐している動画を見たことがあったけど、他人事のように思っていた。

オーガは下層にしか存在しない。

絶対に会うことはないと考えていた。

逃げなきゃ!と頭は考えていても、足が思うように動かない。

見るとガクガクと震えて力が思うように入らない。

ミクもイオも同じように腰が抜けて逃げることができない。

配信のコメントも見るけど、みんなが「逃げて!」というコメントばかり。

もうアイドル人生はもちろん、人としての人生も終わったと思ってた。


だけど、助けが来てくれた。


何か投げ込まれたかと思ったら破裂してオーガが苦しんで倒れた。

そして、男性(おじさん?)が飛び出してきた。


「大丈夫か。逃げれるか?」


声をかけてもらえたけど、今は動けそうにない。

そのことを伝えると、おじさんは困った顔をした後、オーガに向かい合った。

まさか、オーガと戦う気なの?!

そんなの自殺行為に他ならない!

そもそもおじさん、装備があまりにも軽装備すぎる。

ほとんどジャージのような服に薄い皮製の防具だけって……

中学生だってダンジョンにはいる時はもう少しいい装備をつけてくるのに!

そう考えているうちにオーガが振りかぶっておじさんを殴りつけた。

最悪の事態を考えて顔をそむけた。

けど、それは思い違いだった。

というか、オーガのこぶしを軽々と片手で止めて、さらには背負い投げでオーガを叩き倒したのだ。


「うっそぉ……」


もうその言葉しか出なかった。


――――――

休みの日になったので

更新頻度を上げてみました。

平日は1日1話にしようと思います。

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