第5話 SSSランクに相談

『呪いを解くやつですか……さすがに持ってないですねー』

「ですよねー。じゃあー解呪のアイテムが取れそうなところのー情報とかおしえてくれないですかー?」

『……そもそも熊本以外のダンジョンほぼ潜ってないんで分かんないっす』

「あー……そうでしたー。けどー田島さんが頼りなんですー」

「アラタさん!何かそれっぽい情報でもいいんです!」

「そう!あーさんが頼りなんだよ!」


みんなで頭を下げる。

マネージャーさんに無理を言って田島さんにビデオ通話を繋げて聞いてみる。

解呪のアイテムについては予想通り。

何なら事務所が1番に連絡していたそう。

アイテムの譲渡は出来ないので深層まで採取してもらう指名依頼までしてたそう。

うちの社長、行動力早い。

それでも田島さんでも難しいとのこと。

深層、無理やり探索することは出来るそうだけど解呪のアイテムが手に入る確率が今は低すぎるそう。

……そういえば毒霧期って言ってたね。


『……毒霧期は宝箱からのアイテムも毒にまつわるものに変わるんですよ。何なら呪いをかける方のアイテムの方が手に入りやすいんです。自分じゃ力になれないです』

「……そう、ですか」

「うぅ……マジかー」

「ありがとうございましたー……てことは振り出しかー」

『あ、自分の力じゃ無理って訳で手は打ってますよ』

「「「へ?」」」


田島さんの声に変な声出しちゃった。

けど、手を打ってる?!


「解呪のアイテムがあるんですかー?」

『俺、ダンジョンに入るのは熊本ばっかりなので全国のダンジョンに潜ってるやつに話を聞いてあります。正直な話、ラインの社長にこの後話す予定だったんですよねー……マネージャーさん、この件話していいんです?』

「……社長呼んできます」


マネージャーさんが部屋を離れる。

社長と話すほどのことって解呪の件だよね。

田島さんの知り合いでダンジョンに潜っている人……誰かいたかな?

配信にでてない人?


……あ、人じゃないけどいた。


「田島氏、お待たせしました。ライン社長の秋津です。こうして顔を合わせるのは初めてですね」

『はじめまして。田島です。名刺交換をすべきなんですけど申し訳ありません。では再度確認させてもらいますが渋谷さんの症状を教えてもらいますか?』

「……渋谷、渋谷夏帆はグルーヤムヴァンパイアの尻尾が腕にあたり昏睡。中級ポーションを投与し怪我は回復できているようですが目を覚ますことはありません」


社長からカホちゃんの症状を説明される。

身体は回復しているはずなんだよ。

お医者さんからも体調には問題ないって。


「……これはまだごく一部の人間、KLM48のメンバーにも伝えていないことですが身体に変化が起きています」

「え?!社長!それどういうことですか?!」

「シオン!今は話を聞いて!」

「……すみません」


立ち上がったシオンが座る。

私たちにも話していなかったって……カホちゃん、何が起きてるの?


『身体の変化……もしかして、犬歯の発達、耳が伸びてとがる、額にふたつのコブが出来るってところですか?』

「ッツ!何故それを!……まだ額にコブは出来ていませんが犬歯は既に一般人の長さの約3倍ほどに長く、耳も大きくなってきています」


そう言って社長が画像を共有した。

そこに映っていたのは変わり果てたカホちゃんの姿。

尖っいる耳は先端が赤く染まって、口からは牙と呼ぶに相応しいものが飛び出ている。


「この後どうなるのか……ドクターの話でも情報がないと……田島さん!渋谷を助けてください!お願いします!」

『……なるほどなるほど。やはりアイツが言ってたのと同じだな……牙は伸びきってて耳も赤く染っている……コブができてないなら……うんうん。まだ初期症状……あ、やべ集中しすぎた。すみません、なにか画像以外の情報あります?』

「い、いえ特にこれ以外の情報は……」

『じゃ、多分大丈夫ですね。俺が聞いてきた情報なら治りそうです』


ほ、ほんとですか!

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