第3話 事件発生

「ここが大ホール!ほんとにでかい!これ、東京ドームより大きいんじゃない?!」

「収容人数はー確か7万人?MAX後ろまで使うならー10万人は余裕ではいるらしいーよー?」

「ここまで大きいと音響とかもしっかりしないと大変だって。機材も特注で準備するらしいよ」

「ほんと!ガチですごい!ここで踊るのかー!楽しみだね!」


上層二区の大ホールはまさにコロッセオ。

中央の広場を囲んで座席が用意されている。

ここは普通のダンジョンとは違い、この広場の上でモンスターをひたすら狩ることでクリアとなる。

倒す数はまちまちだけど平均で10頭ぐらい。

現在は探索者達で徹底的に湧き潰し中なのです。

何でもこういう系はモンスターを1000匹倒すと1週間ぐらい湧かなくなるって。

ライブは来週だから急ピッチで進めてる。

今は湧く前の時間だからカホちゃんと一緒にいる。


「中央はここ……あの曲は左に歩いてからターンして手を上にあげて……右に1歩、半回転して手を下に下げながら……」


カホちゃんが呟きながらステージを歩く。

これはライブ開始前のルーティン。

マネージャーさんに聞いたらどの会場でもやってるんだそう。

自分のダンスの立ち位置を脳内でイメージしながら歩いて感覚を掴む。

ダンスのキレに関わることだから念入りにやるそう。

流石トップアイドル、見習わないとな。


「……カホちゃん、ルーティン始まったし、護衛の探索者さんに任せて調査に戻る?」

「あの状態になったら当分帰ってこないもんね!それがいいかも!」

「ですねー。トップアイドルとしてはールーティンを観察しておきたいところですけどー、非常口や隠しスポットがないかも調べないとー」


シオンとイオの意見に賛成。

隠し部屋とかがあると万が一開いた時にモンスターがライブに乱入したりするからね。

念入りに調べないと!

私たちは広場から離れて壁沿いを調べに向かった。

今回のライブ、しっかり成功させないとね!





「きゃぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁあ!」


突然の悲鳴がダンジョンの中に響き渡った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る