B―3 左
どこを通っても、家には着くけれど――。
確か、今日のラッキー方位は南西。
南西というと、左の道だな。
よし、左に決まり。
まだ弱い雨の中を、私は走り続け――
「きゃあ!」
道の
「いっ、たあ……!」
確認せずとも、
今日のラッキーアイテムは
それに、運気を上げるには、お気に入りのものでないといけないから、お気に入りの、桜色のスカートにしたのに――。
体の前の所にしみてくる、冷たい感覚。
あぁ、そうだった。
左の道には、少しの雨でも、すぐに大きな水たまりができる場所があったんだ。
それが、ここ。
ブランコのある公園の前。
今日のラッキースポットは、ブランコのある公園なのに。
もう、最悪だ……。
びちゃ……。
手のひらも、冷たい
「あぁ……!」
チーズカレーまんの袋に、雨水がじゃぶじゃぶと流れ込んでいる。
あれっ……。
おなかの下の
「もう……!」
もう間に合うはずもないが、急いで立ち上がり、二つの袋を水たまりから引き上げる。
白っぽく
今日のラッキーパーソンはオレンジ色の服を着た男性、ラッキーショップはいつも行っているコンビニ、ラッキーアクションはキャッシュレス決済。そして最後に、いつも通り、頑張った自分へのご褒美を忘れずにって言ってたのに。
やっぱり、テレビの
自分へのご褒美は今後一切やめて、ちゃんとした占いに投資しよう。
END6 落ちてゆくばかり
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます