第53話 教育現場の立て直し
今日も資料の確認や決裁書類の処理が私の仕事だ。
今日持ち込まれた話題は旧ブリザンド星系帝国の教育現場の立て直し案件だ。
犯罪組織セツラの要請場所に初等学校が使われた問題と、その対処を行うべく、いろいろ悩んだが、まずは教員の裁量を増やす事だ。それと同時に報告書を減らし、代わりに教育監査機関ないし、教育監査独立行政法人を立ち上げることをひねり出した。
問題はこれが既存の旧文部省の縄張りだからとそこに任せてしまうと意味がない。任せるべきは司法組織方面、検察か警察の天下り先にしたいところだ。
そうすれば縄張りだからと甘い監査は行われづらい。
旧文部省との連絡用にそちらからも人員を受け入れさせる必要はあるが、モリアール家の影響をできるだけそぎたい。
それと学校改革の第二段としてモリアール家の経営会社ブリザンドスペースコンサルティングを学校の施設や備品の仲介から外すことだ。
教育全体の備品や建造物の100%関わっている組織で、旧文部省の天下り先でもある。ただ、つぶそうとしても旧文部省の官僚から反対をうける。
だから別の学校設備備品調達の独立行政法人を設立して、そこから切り離すというのが穏当ではないだろうか。組織自体は文部省の官僚の受け入れ先としてもいい。
必要なのはモリアール家を100%通さなければ備品調達や建築物の手配ができない現状を変えることだ。
これはモリアール家がセェツランやツジェーン家を教育現場での事件で庇いだてするからこそ、チェイン共産党の出先であり、革命組織であるセツラが事件をおこしても事件をもみ消されて存続していたからだ。
とりあえずの提案を書類に纏めておく。あとは採用するかどうかは船団会議次第だろう。
うちの奥様方は、生温いとかいって、過激に組織をつぶしてAI管理に移行させろとか言いそうなのが怖いが。
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