第11話 新生ヘンリック連邦

 新生ヘンリック連邦はハザン州を中心にその周りを参加した州と旧メッサリナ共和国であるメッサリー州の六つが取り囲んだ宙域で構成されている。

 今回戦端がひらかれたのはそのうちガイマール州の端だ。我が方がすでに堕とした旧ヘンリック連邦のリエンガール州との境目だ。

 ヘンリック連邦軍がサナツクス共和国から一斉に撤退したと連絡が入ったのはそれから二日後だった。

 クーレリアの試算によればハザン州に本隊が到着するまでおおよそ一週間。そこから再展開をガイマール州に行い、戦端が開かれるまで早くて三日、遅ければさらに一週間。

 最悪を考えれば10日間で、敵兵力のほとんどがガイマール州に到着する。

 さすがに艦艇数の数字比で新生ヘンリック連邦軍30に対してこちらは17となる。倍まではいかないにしてもかなり厳しい戦いが予想される。

 作戦ではザンクト首都特別区の防備に回していたAIラノル指揮の艦船から7割を抽出し、メセナの隊に合流させることとなった。

 敵の別動隊がいれば、首都特別区は悲惨なことになりそうだが、遊兵をつくっておく余裕はない。

 それでも艦艇比は30対25でこちらが不利だ。

「遠距離砲戦を如何に使うかが焦点になりそうです。こちらが遠距離で沈めてしまえば・・・戦力比は逆転するのは容易です。逆に言えば最初から近接戦闘で削りあいになれば・・・勝率が下がります。」

 それでも勝てないわけではないのだなと思った。

「現在、後方にいる部隊を編成し、全土制圧戦の部隊から部隊を抽出し、ヘンリック連邦軍への追撃を開始させてます。」

「うまくいけば挟撃、失敗すれば各個撃破されるか・・・。」

「こちらがわの前線の戦力は、14パーセントに落ちましたが、三か月あれば回復する模様です。」

 問題はその三か月をどう稼ぎ出すかだ。

 めったなことでペルセウスⅢ級は堕とされないだろうが、問題は総旗艦の戦略航宙母艦だ。遠距離から艦載宇宙艦を射出しているうちは大丈夫だろうが、接近されると不味い気がする。閉鎖型ドッグを複数用意することで防御力をあげてはいるが、艦船の射出時を狙われると、ペルセウス級ほど防御力がない。

 艦船の出入り口を攻められると不味いのだ。

「今回メセナは防御型の作戦で時間を稼ぐ方針のようです。」

 順当なところだろう。問題はザンクト恒星系の要塞の建造した数だ。本来ならあと15機ほど追加で移動要塞を建造する予定だったが、ペルセウスⅢ級の多くが抜け、資材の生産ができなくなった。

 要塞の建造がおくれると統治政策にもろに影響する。

 我が国だと要塞イコール生産拠点だからだ。


 それにしても首都を堕とされても、瓦解しないヘンリック連邦軍の組織運営には驚かされるばかりだ。

 人材の層があついんだなと思う。


 それはそうと今ヘンリック連邦軍の弱手は何かといえば、それは補給だろう。退却にともない放棄した物資がかなりあるらしいと聞いている。

 それでも足の遅い大型補給艦がすでに後方に下がっていた事を考えると、補給線のある場所がおのずと見えてくる。

 メッサリーナ州だ。

 ここは中間資材生産の工業国として知られていた。主な生産物はエネルギー資材の三重水素や、工場生産の食品、宇宙船を含めた工業物の部品生産などだ。

 軍事物資の元を造っている星域だというわけだ。

 直接軍事物資を造っているのはハザン州で現在の首都だが、いまメッサリーナ州の工業コロニー群を堕とされると、おそらく残りの5州は干上がる。

 わざわざ新国家にメッサリーナ州を加えた意図はまさにそこだろう。

「レリア、追撃部隊の行先を途中からメッサリーナ州の工業宙域に向けてもらうことはできるか?」

 私のその言葉に、会議室の横の席に座っていたレリアは少し考えた様子だった。

「首都特別州陥落のリスクが相応に生まれますが・・・・。確かにそのほうがヘンリック連邦にとってダメージが大きそうですね。ただ・・・・総旗艦は落ちることを考慮に入れておいてください。被害が出てもペルセウスⅢ級だけなら粘っていれば勝てますけど、戦略航宙母艦型の要塞艦はそれほど耐久力がありません。」

「メセナとラノスには、自身の安全を最大限に考慮して行動するように伝えてくれ。首都特別宙域の放棄も認める。」

「さすがにそこまではいかないとお思いますよ。質量攻撃をはかろうにも、そういった場所には監視要塞を設置してありますから。」


 それから10日後の【ルエル連邦歴】3年3月2日、我が方の追撃艦隊がメッサリーナ州に侵攻を開始。

 旧メッサリーナ共和国軍の艦隊と艦隊戦になるが、これをわずか3日で一蹴。

 工業コロニー帯に侵攻し、工業コロニーの占拠を開始する。


 その4日後の3月9日、予定通りに新生ヘンリック連邦軍である州軍と旧連邦軍の合同部隊がレーゼンリヒター州の州境に現れる。てっきり全軍でくるものとみていたら、こちらの首都遠征軍とほぼ同数の艦隊だった。

 どうやら、メッサリーナ州に残りの部隊を向けさせたらしい。

 追撃部隊にはペルセウスⅢを主力とした補給要塞が3万6000隻いる。通常艦艇に至っては120万隻を超えている。

 首都攻略軍は戦闘コロニー要塞艦が2500隻程度だ。通常艦艇は36万隻程度。相手は通常艦艇ばかりが42万隻。

 戦力評価的には同数でも、時間がかかればかかるほどこちらは戦闘中でも艦船を製造し、艦隊を竣工させていく為、有利になる。

 それを打破したければ、ペルセウスⅢ級やタルタロスⅡ級といった要塞補給母艦を破壊するしかない。全軍でかかってくればまだ勝負の目もあっただろうが、これでは肩透かしだ。

 メッサリーナ州の奪還にこだわらず、首都特別宙域の工業地帯を狙えばまだ生きる目はあっただろう。

 戦術的勝利にこだわって、戦略的に負け戦を選んだも同じだ。


 【ルエル連邦歴】3年3月10日、レーゼンリヒター会戦とよばれる戦闘が開始された。

 メセナは半球状の多重重心陣を敷きその半球の中心に総旗艦やペルセウスⅢ級などの艦船をおく。そして生産した艦船を中央から後ろに送ってそこで編成し、後ろから艦隊を補給できる体制を構築した。

 【ルナミル】時代にもよくやった耐久持久戦のミツバチの巣作戦だ。

 この陣形は全体の移動がしにくい欠点はあるが、全方位に防御がしやすい。後ろに回り込まれてもそこにさらに半球を短時間で形成することが可能だ。


 一方の新生ヘンリック連邦軍は寄せ集めの州軍を遊撃として置き、旧ヘンリック連邦軍で方陣を組み、徐々に前進してきている。


 最初の砲火はこちらから行われた。遠距離砲戦に適した船が前衛の強襲突撃艦や強襲戦艦の背後の位置から砲撃を開始する。強襲艦の類はまだ砲戦は行わず、シールドを張ることに重点をおいているようだ。

 【ルナミル】にはこういう戦いに向いた【防宙艦】という艦種もあったが、防御力に全振りで、長距離機動力がないので作戦が立てづらく、うちのギルドではほぼ開発してなかった。

 そのかわりに強襲艦の類を防御の壁としても運用できるように開発していた。

 被害らしい被害はいまのところない。


 一方、新生ヘンリック連邦軍は徐々に加速し、こちらを射程に収めようと進んできた。

 まるでノルマンディー上陸作戦のアメリカ兵のごとく、攻撃を受けながらも進軍をとめない。

 あちらの方が戦闘に参加している艦船が多いのもある。

 しかし、それはこちらが遊兵を無駄に作っているわけではない。延々と艦隊を補給する為の陣形なのだ。


 予想通り、遊撃艦隊が3000km級の惑星数個とともに側面20光年の距離を移動しているのを発見する。

 さすがにヘンリック連邦はやることがでかい。通常惑星級にも匹敵する岩塊を見つけてきて、それをぶつけようと画策するとは。だが大きさがネックになって見つけてしまえばあとはどうにでもなる。

 背後で編成を終えて打撃空母艦隊5隊120隻とペルセウスⅢ級一隻をメセナはその惑星領域に迎撃艦隊として派遣する。

 そして12光年の距離で、迎撃艦隊は艦載機を射出。猛然と岩石惑星数個に対して航宙隊約四万機がが攻撃を開始する。

 航宙隊は容赦なく、レーザー核融合ミサイルを射出する。爆破する場所を決めていたのか、各岩塊惑星の一方向、こちらからみて左下の攻撃が集中。

 核融合が連鎖反応で臨界を発生させ、持続反応をおこし、プラズマによる爆発が、一番手前の岩塊惑星を回転させる。

 回転した惑星が後ろに追随していた岩塊惑星に衝突。周りにいた護衛部隊と思わしき艦隊を巻き込んで不規則な軌道を取る。

 次から次へと惑星は軌道を外れていく。

 岩石惑星を移動させていたのは大きな三十個以上のプラズマ放射エンジンロケットだったようだ。

 しかし、この間にも別の方向から加速して惑星が突っ込んでくる。

 いくつも別動隊を相手は用意していたようだったが、そのいずれもが失敗に終わる。

 メセナは最初の一回以外は、ペルセウスⅢ級を派遣せず、打撃空母艦隊10くらいの遊撃隊をつくって対応にあたっていたようだ。

 とりあえず致命的な攻撃は避けれてほっとした。

「南華条約機構と違ってヘンリック連邦はやることがでかいな。」

「動かせるエンジンがプラズマ放射エンジンである時点で、タネはすぐばれるのですけどね。私だったら、内部に次元縮退炉と重力制御エンジンをのせて、シールドを張りながら突っ込ませます。」

 えげつない方法を考えるなと私は思った。シールドを張られれば、安易に突破できない。

「・・もっともあちらさんはよくて重力縮退炉レべルのエネルギーリアクターしかないので、重力制御エンジンを動かすにはエネルギーが足りてないのでしょうけど。」

「メセナからの報告書では、実用されているのはイオン分離型核融合炉らしい。縮退炉はうちからの輸入に頼りっきりだそうだ。」

「そうですね。ところで今メッサリーナ州とハザン州の州境に州軍を含まない、ヘンリック連邦軍の主力が現れたようです。相手の総数は78万隻。」

「一点集中をすれば、こっちは撤退してただろうに・・。」

「分割した時点で戦略的に向こうは勝ちをすてたようなものです。おおかた、上の人間がごねたのではなないでしょうか。軍人なら首都特別州方面に戦力を固めます。政治家の力学ですね。これは確実に。」

 民主国家あるあるだ。これがあるから安易に民主国家を造れないのだ。

「そんなに大量の難民が発生したとは聞いていないが・・。」

「メッサリーナ州に利権がある財閥家などが働きかけた可能性が高いですね。」

 メッサリーナから難民が来たから、すぐにメッサリーナを奪還するという選択肢を民意から取ったのではないかと推測したが、どうやらそれも不正解だったらしい。


 【ルエル連邦歴】3年4月1日、レーゼンリヒター州の会戦が硬直したまま、メッサリーナ州、ランペール星系で新たな会戦が発生する。

 後の双子の会戦と呼ばれるもうひとつのランペール攻防戦が開始された。


 ランペール星系は重工業コロニー群がある星系で、第6惑星の小惑星帯をつくる衛星軌道に多数の工業コロニーが存在している。

 もとは小惑星帯から算出する金属材料などを加工を目的にコロニーが設置されたのがこの重工業コロニー群の始まりとされる。

 現在この重工業コロニーは我が軍が制圧し、管理下においている。

 周辺に移動機雷を散布し、宙域封鎖を行っている。

 このような作戦をとったのは工業コロニー自体の防御性能が低いからだ。大小さまざまなコロニーがあるが、いずれも宙賊を追い払う程度のタレットが設置されているぐらいである。

 そのためコロニーを相手に奪わせないためには宙域封鎖をするしかなかった。

 これらのコロニーは食物生産が少ない為、ほとんどの食物を居住型の第四惑星からの移入に頼っている。そのため宙域封鎖すれば、干上がる可能性が高かったため、かわりに各コロニーに食物プラントユニットの設置を行っている最中だ。


 会戦は最初、星域の外縁部で始まった。

 ヘンリック連邦軍は複数の雁行陣で攻撃を仕掛けてきた。

 雁行陣は防御型の陣形だが、それの組み合わせによって、鶴翼の陣への変更ができる。

 包囲殲滅を得意とする陣形という事だ。

 それだけでなく、相手は艦隊を伴ってここでも複数の岩塊惑星を突撃させてきた。しかも全く違う複数の方向からだ。

 集中砲火にさらされて岩塊惑星のいくつかは破壊されたが、一部は、艦隊に食い込み、こちら側の少なくない艦船が衝突され撃沈した。

 まだ数字のうちではこちらが有利だが、楽勝とは言えない。

 メセナの複製AIの一人であるオベールは、さすがにこの損害に目をしかめて居た。

 わたしとしては要塞艦に被害がでなかっただけめっけものだと思う。

 こちらは軍を三つに分けており、そのうち一軍35万隻を工業コロニーの防備に割いていた。

 そして二つの軍を相互に進軍することで相手の雁行陣を削るという戦法をとっていた。

 さきほどの攻撃で前衛軍二つに合計10万隻ほどの被害がでている。防備にあたっている軍をのぞくと75万隻と、相手の78万隻とくらべるとほぼ同数だ。

「ここは無理に勝利にこだわる必要はないのです。メセナのように防御陣でもよかったのですけど・・・・・。」

「ここまで遠征してきたことで、一気に決めたいというよくがでたのかもしれないね。」

「相互陣は攻撃力は高いですが、崩れやすいリスクが大きいのです。一点突破の円錐陣をとらなかっただけマシですが・・・。」

 どうもレリアとしては満足のいく指揮ではなかったらしい。

「右雁行陣は左が前に出ている為、その左の出ている場所を狙ねらっていけば各個撃破が可能です。これは立体陣でも同様です。」

 ブリッジの正面スクリーンに模式図が表示され、雁行陣の前に出ている側に集中攻撃を加え、相手側面に回るという軌道をアニメーションした。

「雁行陣は相手の奥まった部隊にぶつかるほど圧力があがるわけか。」

「はい。そしてそこから鶴翼の陣になり半球包囲陣に変化し、殲滅というのが流れです。雁行陣は方陣の変形ですから砲戦に向いているのです。部分包囲による前衛方陣の順次殲滅が一番の弱点なのでそれを狙うべきでした。」


 レリアと話をしている間に二つの戦場の状況はさらに変化していた。

 ランペ-ル星域のほうは、オベールの指示で、相手の最前衛包囲陣を二つの部隊で挟撃し、殲滅した。

 こちらの左側の軍がこの間に少なくない被害が出たが、被害は五万隻くらいで、相手のほうは二十万隻失っている。

 こちらが70万隻に対し、相手は58万隻だ。

 相手の総数はわからないが、戦術的にはすでに全滅あつかいされる状態である。だが相手も引き下がることが出いない以上、さらに攻撃を加えてくる。

 今度はこちらの左翼軍が包囲される。だが左翼軍は球形重心陣を敷き、右翼軍をさらに相手の側面へ伸ばし挟撃の体制をとる。

 相手方も不味いとおもっているだろう事は予想できる。

 球形重心陣を敷いた時点で左翼軍は壊滅がほぼなくなった。延々と相手を迎撃しながら削っていけばいい。中央のペルセウスⅢ級やタルタロスⅡ級から艦隊が生産され続けて、時間が立てばたつほどこちらが有利になる。

 一方の右翼軍は敵の7つの方陣のうち一番前の方陣を側面に回りながら攻撃を加えている。


 もうふとつの戦場のレーゼンリヒターのほうは千日手のような状況に陥ってる。

 しかし、それはこちらの計算通りだ。

 普通の人間による戦闘なら、いくらなんでも継続して緊張を強いられる戦闘を延々とは続けられないが、現在のこちらの軍はアンドロイドとAIの軍だ。

 相手が逃げようとすれば遊撃隊と連動して追撃し、攻撃しようとすれば引いて防御する。

 メセナの指揮は危なげなかった。


 ランペール星域では工業コロニーへの強襲揚陸がなんどかヘンリック連邦軍の別動隊によって行われたが、さすがに35万隻も張り付けられていては手も足も出なったようだ。


 そして開戦から二週間後、どちらの戦場からも新生ヘンリック連邦軍は撤退する。

 ヘンリック連邦軍の損失は二つの戦場合わせて53万隻、戦闘に参加した総艦艇数が142万隻であったことから、実に三分の一以上の損失をだしたことになる。

 一方の我が方の損失は18万隻と、今までの中で一番損失をだした。もともと参加した総艦艇数は182万隻のうち1割の損失だ。勝利したと言え、無視できない数値だ。ちなみに終了時には212万隻に増えていた。ペルセウスⅢ級やタルトロスⅡ級などの戦闘コロニー艦で生産された艦艇がロールアウトしたためだ。


 この戦いで、【ルエル連邦】は確固とした勢力を確保したことになる。

 ヘンリック連邦は分裂こそしなかったが、メッサリーナ州の陥落で、その工業能力を大きく落とすこととなった。

 普通ならここで和平を結ぶのが手ではあるのだが、残念ながら私や私たちはそれを選択しない。

 きっちりけりをつけておけることはけりをつける重要性をいやというほど理解したからだ。宇宙条約機構諸国は全部平らげる。

 宇宙条約機構の所属国のひとつが、帝国の旧都ルクセンブルクで同時多発爆弾テロを起こしたからだ。

 このテロでの死傷者は1500人を超える。

 このテロに対して我が国は背後にいる国を特定し非難声明を発表した。そのなかで宇宙条約機構の非道を訴えた。

 慌てたのが新生ヘンリック連邦だ。テロを認めないことを国是としていたかの国は、急遽、声明を発表し、テロを起こした、マイゼルハウゼン共和国を宇宙条約機構から除名するとともにテロへの非難声明を採択。

 ここまではいいだろう。だがテロ事件の全容が解明されるまで休戦を提案、特使団を【ルエル】に性懲りもなく派遣してきた。もちろん私たちは入港を拒否し、丁重にお帰り頂いた。

 さすがにここまでくるとヘンリック連邦がテロの背後にいることを疑わざるを得ない。

 それでけりをつけることとなったわけだ。

 翌年の【ルエル連邦歴】4年1月4日、ヘンリック連邦最後の領土であるハザン州星系レイトロワにわが軍が侵攻。

 集結していた最後のヘンリック連邦軍を文字通り粉砕した。

 しかし、ヘンリック連邦を下しても、まだ宇宙条約機構所属国家は残っている。しばらくまだ戦争は続きそうだった。

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