「えーとぉ何が言いたかったんだっけ」

「何が言いたかったんだ」

「あわぁ思い出した。『祇園精舎の鐘の声』ってあるじゃん。あれアナグラムにしたら『銀行家のおねしょの絵じゃ』になるんだよ」

「見苦しい絵だな」

「うん、間違いない。一時は富を築いた男も老いには勝てず。上はよわよわ、下はゆるゆる。『諸行無常の響きあり』だね、やっぱ」

「はかないな」

「おむつは穿くんだけどね」

「うるさい」

「あわぁ。でも、これでまた一つ古典に詳しくなったね。なってしまったね」

「……で、他に面白い話あるか？」

「えぇ……。えーとぉこの前出かけた時にね

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい