第200話

【200話の登場人物(名前だけを含む)】


○剛田武人(主人公)

 高校2年生の16歳

 武装女子ボーカル(タケト)

 保護官1人

 妻5人、婚約者5人、婚約者仮(仮)2人

 子ども1人(花音)


◯野原香織(カオリ)

 野原建設の役員

 タケトの妻

 妊娠中(9月予定)

 26歳


◯松川音々(ネネさん)

 サウンド・マツの役員

 香織とは学生の頃からの親友

 タケトの妻

 妊娠中(10月予定)

 26歳


◯松川花音(花音ちゃん)

 ネネの娘

 タケトの義理の娘

 2歳


◯面堂未留(ミルさん)

 施設育ち

 S級保護官

 タケトの妻

 オッドアイ

 26歳


◯新山美香(ミカさん・ミカ先生)

 希望ヶ丘学園

 教諭(2年)タケトの担任

 タケトの妻

 25歳


◯中山綾子(アヤさん)

 武装女子会

 武装女子兼タケトのマネージャー

 沢風和也の元マネージャー

 タケトの妻

 25歳


○肥田竹人(タケヒトくん)

 高校2年生17歳

 タケトの大ファンで髪型や服装を真似る

 婚約者(仮)肥田晶の弟

 保護官1人

 妻4人(堤先生を含む)、子ども3人


○尾根井三蔵(サンちゃん)

 高校2年17歳

 理由があり女装している

 保護官1人

 妻?人、子ども?人


○東条麗香(東条先輩)

 高校3年生17歳

 東条家、現当主の孫

 沢風和也の元婚約者

 タケトに興味があり転校してきた。

 サーヤ(会員)


○海東加恵(海東先輩)

 高校3年生17歳

 東条麗香のお付き兼護衛

 サーヤ(会員)


○横似大(ヒロシくん)

 高校1年生16歳

 母親が元レディース総長

 母親の元チームメンバーと結婚

 結婚後茶髪おデブ体型からぽっちゃり体型になっている

 保護官1人、妻15人


○芽立泰我(タイガくん)

 高校1年生15歳

 金髪おデブ体型

 保護官1人

 妻0人


○薄井影子(うすいえいこ)先生

 事務室の先生33歳、

 既婚者だが別居している。

 娘を授かったあと夫との交流は無し

 娘が1人

 サイコロ部の顧問



—————————————————

————

——


 その日の夜。


「タケトパパ? 今日だったよね番組が放送されるのって」


「そうだよ。ね、アヤさん」


「はい。ちなみにゲストはギリギリまで伏せられていますから、驚く方が沢山いらっしゃるかもしれませんね」


 ミナミンテレビの収録に行けなかったネネさんは『みんな輝け』が放送される日をすごく楽しみにしてくれていた。


「うーん。ゆっくり見たいし放送時間まで……まだちょっと時間があるね。よし、花音、今のうちにお風呂に入っちゃおうか?」


「ううん。かのんはパパとはいりゅ」


「あちゃ、振られたか」


「ネネさんいいよ。じゃあ花音ちゃん、パパと一緒に入ろう」


「うん」


 ウチのお風呂は何気に広く作ってあるから結局、いつもみんなで入るんだよね。


 俺が花音ちゃんを抱っこしてお風呂に行けば、当然のようにみんな後から入ってくる。


 俺が花音ちゃんの頭から洗っていると、ミルさんとカオリが俺の身体を勝手に洗い出すからね。もう慣れてるけど。


 今日はさらにミカ先生とアヤさんが俺の頭を洗いだすから途中から花音ちゃんの姿が見えなくなって、泡だらけにしてしまった。


 花音ちゃん「もこもこあわあわになった」って楽しそうに笑っているけど、ミカ先生とアヤさんも俺の頭を泡だらけにして笑っていたよ。


 そう言えば、あの後の東条先輩はすごく不機嫌でちょっと怖かったな。

 最後には機嫌を直してくれたように感じたけど……


————

——


「もしかしたら沢風くん、今でも東条先輩のことが好きなんじゃないかな。それで俺にあんなDMを……ぃ! へ、変なこと言ってすみません」


 東条先輩からすごい形相で睨まれてしまった。ついでになぜか海東先輩からも。


「剛田様、あの方はそのような方ではありませんわ」


「そ、そうですかね……? 東条先輩はスタイルもよくてお綺麗ですし、教養もあります。好きになっても不思議じゃないと思いますけど」


 思ったことを素直に伝えたら東条先輩から顔を背けられてしまった。やばい余計に怒らせたかも。


「ご、剛田様、あの方はわたくしを妻にすれば東条家の力を好きに使えるとでも思っているだけですわよ。あの方はそんな人なのよ」


 東条先輩は顔を背けたままだから怒っているのだろうけど、気のせいかな? 心なしか口調が少しだけ柔らかくなったように感じる。これならもう少し話をしても大丈夫かな? このままだと気まずくて次に見学に来れないし。


「沢風くんも稼いでいると思うし、流石にそれはないと思いますけど」


 男性が妻の実家のことに口出すとか、普通はないからそう思うんだけどな……


「彼にとっては稼いでる稼いでないの話ではないのです。いえ、もうやめましょうか。

 そ、それよりも、剛田様に少しお尋ねしてもよろしいですか?」


「はい。何でしょう」


 改まってそんなことを言われると何を聞かれるのか身構えてしまうが、東条先輩なら変なことは聞かないだろうと思いそう答えたけど、


「剛田様がもし仮にわたくしと結婚したとしましょう。どうしたいですか?」


 思ったよりも変な質問だった。答えれないようなことじゃないので普通に答えれば済むんだけどね。


「どうしたい、と言われても、妻となった東条先輩を愛するだけだと思いますけど。他に何かありますかね?」


「ふぇ。ぁ愛しゅ……こ、こほん。ほ、本気で言ってますの? この辺りにも、ほ、ほら東条グループ傘下の百貨店や飲食店なんかもありますのよ。

 東条の名を出せば、そのような店で好き勝手できたりもしますのよ?」


「うーん。妻の実家の名前を出して好き勝手にするなんて俺には無理かな。俺、妻の足とか引っ張りたくないし。それに、一応俺にも稼ぎがありますからね。頑張っている女性には逆に俺が奢ったりプレゼントをあげたいくらいですよ」


 とはいえ、みんなに俺が奢ったりプレゼントをしたりするとその倍くらいのお返しがくるんだよね。

 俺的にはサプライズのつもりなのにね。でもみんなの喜ぶ顔も見れるからやめられないんだよね。

 妻や婚約者、武装女子会のみんなのね。


「ぁ、あなたのその考え、いいと思いますわよ。わたくしにもぜひ……じゃなくて、こほん。

 きょ、今日はちょっと調子が悪いようです。わたくしはこれで失礼しますわね」


 顔を背けられていたから気づかなかったけど、チラリと見えた東条先輩の顔はトマトみたいに真っ赤になっていた。


「東条先輩大丈夫ですか? 俺でよければ、お迎えの車のところまで送りますよ」


「お願いしたいところですが、これ以上は身が持ちそうにありませんので、だ、大丈夫ですわ。お気持ちだけいただいておきましゅ……おきます。カエ帰りますよ」


「はい。お嬢様。剛田様、サイコロ部にはいつでも遊びにいらしてくださいね」


 戸締りは薄井先生がいるから大丈夫と言われたけど、どこに……


 あ、


 薄井先生いたよ。椅子に座って白熱しているタケヒトくんたちのことを見てくれている。


「東条先輩、海東先輩、今日は突然お邪魔してすみませんでした。お身体、大事にしてください」


 俺たちが突然見学に来たから気疲れしたんだろうね。バレないようにヒーリングを使っておこう。あまり効いた感じがしなかったのでリラクセーションの方も使っておいた。


 それから時間がくるまでタケヒトくんとサンちゃんのサイコロレースを見てから下校したんだよな。


 ————

 ——


 そんなことを思い出していたら、俺たち武装女子が出演した『みんな輝け』が放送される時間になっていた。






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