第32話 再戦・文翅山高校、そして大エース④
■6回裏:ときめき学園の守備
これぞ本当のバスター攻勢だ、とばかりに揺さぶりをかけられる。全く相手も面白いことを思いつくものだ。
下位打線バスター戦法を我が高校が取ったら、相手も同じようにバスター戦法で返してくるのだから。
俺からすると正直たまったものじゃない。
一打席目、9番打者を三振に。
二打席目、1番打者にセーフティバントで進塁される。雨の日のセーフティバントは非常に処理がしにくい。
三打席目、2番打者がバスターの構え。空振り。しかし裏で盗塁される。甲野の懸命な二塁送球が炸裂するも、今回は盗塁成功。
(3盗と違って2盗はキャッチャーが投げる距離が長い。しかも今回はバント警戒で神経を使って、そこからのバスターに気を取られた。甲野の責任じゃない――)
相手の戦略が上手いのだ。
むしろこれは、良くぞ気付いて二塁送球できたと褒めるべき場面。雨で視界が悪い中、甲野は十分以上の働きを見せている。
敵ながらあっぱれと言えよう。今の盗塁は値千金のプレー。アウトなしで送りバント以上の効果をもぎ取ったのだから。
改めて思い知る。文翅山高校は強い。
流石は地方大会決勝まで勝ち上がってきた強豪校。こんなに手強い敵はなかなかいない――。
気を取り直して改めて三打席目。今度もバスターの一振り。ピッチャーの俺の横を抜けて一二塁間に向かう強い打球。
しかし緒方がこれに飛びついてそのまま――グラブトス。送られた球はファーストへ。一塁はこれでアウトに。
好守備のビッグプレーに観客が湧いた。
セカンド緒方の横を抜けていくような打球だった。ホームインもあり得る場面だった。あれに飛びつけたのは驚異の反射神経のなせる業。
緒方に惜しみない拍手が送られる。このワンプレーもまた値千金。我がチームの窮地をたちどころに救った好守備であった。
未だに試合は0-0。
こんなにひりつく6イニング目は久しい。
(あれを見せつけられて、燃えない投手がいるかよ……ッ!)
2アウト3塁。未だに一発が得点に結びつく危険な場面。
四打席目に立つ3番打者を、俺は力で無理やりにねじ伏せた。
際どいほどのインステップから放たれる鋭いサイドスロー、そして意表を突くようなアンダースロー。
三振に切って捨てたとき、観客は再び沸いた。
――雨の中、熱闘はますます激しさを増していく。
■7回表:ときめき学園の攻撃
(! ここまで三回連続で、8番打者からスタートになっているだと!?)
流石にこれは向こうの計算通りじゃないと思うが、結果的に8番打者からスタートになっている。
何がまずいかと言うと、8番→9番→1番羽谷、と回るとき、恐らく高い確率で2アウトで俺に打順が回ってくる。そうなると、俺が上手くやっても次の森近にプレッシャーがかかる場面になる。
森近は今のところ3の0、つまり三打席無安打。
せっかく羽谷→星上→クリーンアップ陣営という打線のリレーになるのに、これではまた森近のところで切って捨てられる可能性が高い。
前回、春の県大会小地区戦でも、大沢木投手は森近相手に勝負を選び、そして切って捨てていた。要するに相性が悪いのだ。
この形を封じるには、8番打者、9番打者がバスターの構えでヒットを生み出してくれるのが一番いいのだが――。
(やばい、大沢木投手のピッチングに迫力が増している。ありゃもう手が付けられん。あいつ、一体何者なんだ……!)
それでも大エースは、これほどに追い詰めてもなお折れようとしなかった。
先頭打席、8番打者を三振。
二打席目、9番打者を凡退。
球数はかさんで来ているのに、ピッチングの質は衰えない。もはや常人の域を超えている。
あれこそがまさしくチームの精神的支柱。強豪のすべてを背負う大エースの力投。
――県下最強と名高い左腕、大沢木なすか。
1年の頃から大活躍していたのも頷けるほどの圧倒的投球。彼女の球は、明らかにずば抜けていた。
2アウト走者なし。
この場面で、上位打線にかかる期待はひどく重たい。
(羽谷がアウトになったら、8回先頭打者は俺。何とか俺が進塁できれば、森近がアウトでも、緒方と甲野で勝負を強要できる。あるいは敬遠されて満塁になっても下位打線でスクイズできる――)
三打席目、1番羽谷。俊足巧打の天才。
ひりつくこの打席――意表を突くセーフティバントが炸裂した。1塁に進塁。
勝負の気合を外す、絶妙なバントであった。この場面で大胆にもセーフティバントという選択肢を取ることができた羽谷妹は、まさしく勝負師である。
(……羽谷をわざと歩かせた?)
これも相手の計算なのか、と一瞬だけ嫌な予感がしたが――羽谷が出るなら、俺はそれを本気で返すだけである。
この場面はもう、駆け引きなのだ。
向こうの思い描く理想の展開は、俺をここで切るか、俺を歩かせて森近で切るかのどちらかであろう。
となると俺向かいに投げてくる球は、最悪を回避し長打になりにくい配球になるはず――。
ここで羽谷が走った。
絶妙の盗塁。
(! そうだ、羽谷はここでアウトになっても、8回目の展開を考えたら悪くない!)
別にランエンドヒットになってもいい――そう思って初球を構えるが、初球は外角低めにびたっと刺さるようなアウトローのストレート。
これは判定が際どくないか、と思ったが、球審はストライクコール。ちょっと不満だが仕方あるまい。
快速の羽谷は悠々と二塁を陥れていた。観客が湧く。
これでますます、相手は長打になりそうな球は投げられない。長打一発で先制点がありうる場面。必然と俺も緊張が高まった。
(普通に考えれば、カウント稼ぎのカーブが正着。この場面、俺にはカットもスライダーも使えないはず。もうお前の打つ手はほぼ限られた、追い詰めたぞ大沢木投手――!)
ひりつく空気。高まった勝負の熱。勢いの強くなりつつある雨にさらされてもなお、勝負の熱は冷めやらない――。
そんな中、ゆらりと動く影が一つ。
羽谷。再びの盗塁――。
完璧な入り。観客がざわめいた。
外角ボールからストライクへ切り込むように入ってくる圧巻のスライダー。空振り。
急いで三塁に投げられる低い送球。ほぼ同時に羽谷のスライディング。刹那の攻防。息を吞むような瞬間。
「――セーフ!」
審判の宣言に、観客はまたもや歓声を爆発させた。
三盗成功。
ビッグプレー炸裂である。
(羽谷のやつ、やりやがった……あいつがやりやがった!)
二連続盗塁。これには大沢木投手も目を丸くして驚いていた。
恐れ知らずのビッグプレー。
成功のポイントは、大沢木投手が左投げ投手という点。左投げ投手の場合、二塁でリードを取っている走者が微妙に視界の死角になってしまうのだ。だから大胆なリードを取ることができた。
そして羽谷の俊足。次の塁までを3.3秒で走り抜ける快速あってこその神業。
配球の読みもあっただろう。高い確率でカーブなのだから、走る時間には余裕がある。実際は完璧なスライダーで勝負されたが、これは単純に大沢木投手が上手すぎた。
二連続盗塁の成功。
まさしく快挙と言っていい。
あまりの芸術的盗塁に、羽谷コールが会場に鳴り響いていた。
(後は俺が打つだけ――)
ときめき学園の大きなチャンス、負けられない場面である。
だが、すでに2ストライクに追い込まれている。
果たして相手の決め球は何か。
カットは打った。スライダーは打った。ストレートは打った。カーブで決めてくる可能性が高い。
(……インハイの速い球はカット打法で流す、アウトローのカーブを思いっきり叩く)
腹は決まった。
放たれる三投目。
見える回転数と回転軸。
強張る身体。
間に合わないスイングコントロール。
――人の目で捉えられる限界は、ホームベースの手前1.7mまでの距離まで。
脳から筋肉に電気信号を送って反応する時間は約0.1秒。スイングそのものにかかる時間は0.16~0.2秒。
ミート前0.26~0.3秒あたりが選球のデッドライン。
リリース後にホームベースまで到達するのが0.5秒と仮定すれば、0.2~0.24秒で全てを判断しないといけない。[1]
引用[1]:https://www.himaraya.co.jp/event/baseballschool/batting/018
俺は、完全に
大沢木投手はここにきて、最高の勝負に出た。
渾身の
雨で指が滑るのを恐れない、勇気ある一投――。
(対応、できなかった……)
バットが空振る。
絶対にしてはいけない三振をしてしまった。
すわときめき学園の先制か、と湧いた観客席が沈黙に包まれる。場の空気を一変させる一投。
これぞまさしく大エースの投球。文翅山高校の大沢木なすかは、失点のピンチをまたもや切って捨てた。3打席3安打で一番打たれているこの俺を、一番危険な場面で見事に沈めたのだ――。
■7回裏:ときめき学園の守備
先頭打者、4番、大沢木なすか。
こいつを全力で抑え込むのが俺の仕事である。
相当なプレッシャーがかかるが、俺はもう気楽に考えることにした。失敗しても死なないのだ。腹を括って挑むしかない。
(マジですげえよ、大沢木さん。尊敬するよ。こんなに緊張するなんて久しぶりだ――)
三球勝負、遊び球はない。渾身の球で仕留めるのみ。
一球目からアンダースロー。えぐるような内角低めボールのコース、からストライクに入る横スライダー。
二球目はサイドスロー。極端なインステップから放たれる、内角へ向かうシュート。
極端な内角攻め。長打に出来るものならしてみろという訳だ。
(ほらよ、これで2ストライクに追い込んだ。一球目、いきなり見慣れないアンダースローの浮いてくる軌道の、しかも内角のストレートにも見えるスライダーなんか、バットの芯を合わせにくいだろう? 二球目のシュートも、打ち頃の真っ直ぐと似た軌道から急に内角に沈んでくるから焦ったはずだ)
どっちも手を出してくれたら凡打だった。
特に一球目。これはかつて大沢木投手に本塁打を打たれたあのスイーパーのようなスライダーだ。違いは高さ。あの時は内角高めに放ったが、今回は内角低めに決めた。
高めスライダーのほうが低めよりストライクコールを稼げる――というデータがあるのだが[2]、大沢木投手には浮く軌道で低めに決めてやったほうが捌きにくいようであった。
引用[2]:https://note.com/baseball_namiki/n/n4e7abcc86555
ともあれこれで最後1球。
ロジンバッグで丁寧に滑り止めをしてから正対する。大沢木投手を切るならばこれが一番いい。
大きく振りかぶって投げる一球。それは――。
(アウトローびたびたに決まる、外から入ってくるシュートだ!)
指の掛かりだけが心配だったが――問題なく決まった。
大沢木投手はこれを見逃した。
目がいいからこそ、ボール球のストレートだと思って見逃してしまったのだ。ピッチングトンネルまでの軌道がほぼそれに一致するのだから、判別できなくても仕方あるまい。
大沢木投手は――にやりと不敵な笑みを浮かべていた。
振りゃあよかったよ、と口元が動いていた。その続きは特別読まなくても分かる。
"お前ほどコントロールのいい奴が、外すはずがないもの――"。
――7回裏、この回は三者凡退。
強まる雨の中、試合の趨勢はますます混迷を極めていった。
■8回表~9回裏:
――8回表。
先頭打席、3番森近がレフト方向にいい当たりのヒットを放つもフライで倒れる。
二打席目、4番緒方が力みすぎて内野ゴロ、しかしこれは緒方の俊足もあって安打に。
三打席目、5番甲野はまたもや敬遠。走者がいれば敬遠。相手は徹底していた。
四打席目、6番打者が送りバントを決めてアウト。
五打席目、7番打者が一発狙いのバスター、だがピッチャーゴロで沈む。
――8回裏。
下位打線なので俺が続投。三者凡退。
――9回表。
8番打者、9番打者と凡退に終わり、いよいよ後がなくなってしまう。
2アウトランナーなし。
期待は一挙に天才羽谷に集まる。セーフティバントもあれば安打もある。相手投手からすると非常に嫌なバッターであろう。
しかし――大沢木投手は冷静であった。
(あ――)
今度こそ圧巻のカットボール。そう、今まで非常に大きい活躍を見せてきた羽谷だが、別に彼女はカットボールを
どん詰まりのピッチャーゴロ。走る羽谷。
際どいタイミングだったが、一塁送球は刺すように鋭かった。
――この日の羽谷は5の2、打率4割、盗塁2。
リードオフマンとして十分以上の大活躍。しかし羽谷の顔は、悔しさで歪んでいた。
――9回裏。
俺の続投。何回延長になるか分からない以上、ここはまだ俺が投げるほうがいい。
(制球が甘い緒方だが、俺と切り替わった直後は、その速度差でどんどん皆を詰まらせて切るだろう。だが二巡目に続くと、そろそろ速度に慣れて打たれ出すはず。となるとあまり緒方は長く引っ張れない――)
苦しくても、俺が投げるほかないのだ。
もう一度、ロジンバッグで丁寧に滑り止めをして、雨に濡れた手を守る。
迎える先頭打者は、文翅山高校の上位打線。
一打席目に一番打者。考えられうる最悪の状況。
(いいじゃないか、こういうのは燃える、ねェ!)
渾身の投球。変幻自在の三連投。
一番打者を凡退に。
こういう状況は嫌いじゃない。普段は打たせて取るようなピッチングばかりだが、俺にも三振を奪いに行く投げ方はある。
続く二打席目は二番打者。
雨で足が滑る中、アンダースローは怖いところだが行くしかない。
本気の球を叩きこむ――。
(――!)
雨が悪い方向に働いた。指のかかりが甘かった。疲れも出てしまった。
指先の滑り。
言い訳はいくらでもできるが――甘い球は相手に見逃してもらえない。
打撃音。奥に運ばれる打球。
センター前に落ちる球。センターの森近が拾い損ねる。疲労と雨で足を取られたのだ。
すぐさま拾い直すも――相手の二番打者は二塁に滑り込んでいた。
(……そうかよ、そこまでして神様は、俺と大沢木さんの戦いを見たいってことかよ)
笑わせる展開だ。全然嬉しくない。
1アウト2塁。
三打席目の三番打者を力で抑え込む。
送りバント、盗塁、バントエンドラン。あらゆる作戦が考えられるこの場面で、相手の作戦はオーソドックス。
つまり、球速の遅い俺相手に無理はせず、サードに取らせるような送りバントを行ったのだ。
サードが捕球後、3塁はセーフに。もたつきがあってか、1塁で打者をアウトにもできなかった。
(――――――)
1アウト1塁3塁。
四打席目。4番打者、大沢木なすか。
もはや、何も語る言葉はない。
一発打たれたら負け。一発を凡打にしてしまうか、三振にすれば延長突入。
(……敬遠、だろ)
直感的に俺はそう考えた。今の大沢木は
出来れば敬遠したいところだ。
だが今日三打席立って、大沢木なすかは一度も安打を出していない。
ここで満塁策を取ったところで、5番打者にスクイズバントもどきの安打を一発食らえば、押し出しで負ける。次の打者をホームゲッツーに出来る保証はない。
よってここは勝負しかない。頭では分かっているのだ。
(こんな場面で滑ったら元も子もないからな……ロジンでしっかり滑り止めしねえとな)
長く息を吐きだす。この場面を抑えるのが俺の仕事だ。
最初から本気で行く。今度も三球勝負、遊び球はない。
一球目は極端なサイドスローから。真ん中から内角へ向かうきついシュート。
二球目も深いサイドスロー。真ん中から大きく外角低めに引き込まれる大逃げのスライダー。
ポイントは、ピッチングトンネルまで
そしてどちらも、サイドスローから放たれた結果、バントしにくいぐらい大きな幅の変化球になっていること。
(お前の目がいいことは分かり切っている。だからその裏を搔く。ピッチングトンネルを合わせて、真ん中から変化する球で勝負する。これならもうほとんど見極めつかずに丁半博打、見分けられるものなら見分けてみやがれ!)
対する大沢木投手は、面白そうに笑っている。
露骨なバント封じに興味をそそられたのだろう。
本来、ここで一番やってみたいのは、緒方に交代して剛速球でケリをつけてもらうという展開だ。速球ならバント封じにもなるし面白いはず。俺とのあまりの緩急差に目もついていかないだろう。
(……。流石にそれは、緒方へのプレッシャーがかかりすぎるか。失敗したらトラウマになってしまうかもしれん。あいつには壊れてほしくない)
俺がやるしかない。
延長になれば勝てる、と俺は予想している。
次は2番打者、つまり俺からだ。3番森近もそろそろ当ててくれる可能性があるし、そうでなくても4番緒方、5番甲野と続く。
またもや4番5番を敬遠したとして、6番打者以降がスクイズしてくるのを無失点にできるだろうか。普通に考えれば、さすがにもう無理だろう。
大沢木投手とて、今や体力の限界が近いはず。そろそろ我がチームの打線につかまってもおかしくない。
(最後は――この球がいいかもしれないな)
決め球を選ぶ。
甲野とサイン交換を交わし、俺はしっかりと構えた。
ワインドアップ。大きな振りかぶりから投げるこの最後の一投。
先ほどのオーバースローの残像が残っていれば、外角低めにびたっと決まるシュートがちらつくだろう。
だがこの一投は、真ん中に通るピッチングトンネル上の、またもや似た軌道を通る渾身の一投となる――。
(これで決める!)
投球。俺にしては速い119km/hの一投。
大沢木投手は、直前にきてなんとバントの構えに持ち替えた。なめらかな動き。このバントが決まればスクイズで勝ち越し決定になる――。
読み合いである。
バントを拒否するようなスライダーとシュートを見せつけたのは、
実際、球速が遅く変化球に頼りがちな俺は、比較的バントに弱い。基本的にバントは変化球に当てにいくものである。(※ストレートに当ててもいいがポップフライを警戒する必要がある)
鋭い読みだった。
しかし――予想の裏を搔いた投球であれば、相手を三振に仕留めることもできる。
世にまだほとんど知られていない変化球。
そんな珍しい代物であれば、軌道を読むのは困難――。
(落ちる決め球――縦スライダー!)
スライダーの握りから放たれる、真ん中から落ちる球。いわゆるフォークボールと同じく、バックスピン成分を少なくしてマグヌス効果の揚力を減らした球。
フォークやチェンジアップに比べるとやや山なりな軌道を描くため、ストレートと誤認させるには技術が必要になるが――フォークのような急激な減速は無いため、打者視点で見ると全く異なるように見える。
大沢木は、懸命にバットを当てに行こうとしたが――落差に目がついていかずにバットから外した。
当然のことだ。沈む深さは大きかったし、減速が少ない分フォークと同じ対応ではタイミングをずらしてしまう。
初見でこの癖に対応できる打者はそうそういるまい。
これで三振。
最も強力な敵を切って捨てたと、思われた刹那。
――三塁走者が、本塁へ突入。
あの冷静沈着な甲野が――後逸を犯していた。
――――――
負け知らずの展開がずっと続くよりも、緊迫するような僅差の激闘の末、一度は挫折を味わう展開が好きなので、今回はそう書きました。
そこからの成長がとても好きです。
※2023/07/14:一部タグを変更しました。全体のバランスを見て、展開次第でまた戻すかも知れません。
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