第21話 『架空の強打者』森近作戦について
【朗報】ときめき学園 近江県大会3位の大躍進 星上投手(15)大活躍
1:やきうのお姉さん@名無し
リトルリーグ時代に仲良くなった選手たちと一緒に弱小高校に入学
→独自のトレーニング方法を導入(筋トレ)
→県下の強豪たちを軒並み撃破
→いきなり県下3位に
なるお系小説かな?
2:やきうのお姉さん@名無し
小説家になるおで出版&アニメ化待ったなし
3:やきうのお姉さん@名無し
ホッシはガチで野球エリートの生まれ変わりやと思う
あいつだけ経歴異色すぎる
あれで男やぞ
4:やきうのお姉さん@名無し
星上「球は後ろ(背中の肩甲骨)で投げたほうがいい、リリースを前で投げるとコントロールが甘くなる」
星上「いいピッチャーは球持ちがいいというが、球持ちを長くしてリリースを前に持ってくると肘に負担がかかる」
mttps://www.videotube.com/watch?v=d0v5QawSeDlGE&list=PLW9Yr7DDKfwoahGDKe6VquSftRXGKb&index=25
ちょっと何言ってるのか分かんない
5:やきうのお姉さん@名無し
ホッシは天才やからなあ……
6:やきうのお姉さん@名無し
身体に遠いところでリリースすると負担がかかるということを言いたいんやろか
それならまだわかる
7:やきうのお姉さん@名無し
>>4
訳わかんなくて草
立ち投げになって球が浮いてしまいそう
8:やきうのお姉さん@名無し
>>1
こいつが凄いというより、一緒についてきてくれた羽谷森近緒方甲野が凄いんちゃうかな
盗塁王は羽谷
エース&打点王は森近
敬遠王は緒方甲野
9:やきうのお姉さん@名無し
後ろで投げた方がリリースがブレないからコントロールも良くなって肩肘に負担もかからない ← 天才特有の謎理論
10:やきうのお姉さん@名無し
>>8
星上も出塁率5割越え、しかも先発も中継ぎも余裕でこなせるエース
大エース森近とリリーフエース緒方がいるから霞むだけで、他のチームなら文句なしの野球星人よ
11:やきうのお姉さん@名無し
星上「曲げようという意識が先に出ると、手の甲を相手に向けるような投げ方になってしまう。そうじゃなくて腕の振りを早くした方がいい」
mttps://www.videotube.com/watch?v=PIADQWaSw88kS&list=PLW9Yr7DDKfwoahGDKe6VquSftRXGKb&index=25
肩甲骨を遠くに使う?
この投げ方だと、捻ろうと思っても捻れない?
マジで何言ってるのかわからん
12:やきうのお姉さん@名無し
ホッシ「プロのストライクゾーンはアマチュアと比較すると狭くなるから、今のうちに精度を追うべき」
コントロールがビタビタに来てる選手は言うことが違う
13:やきうのお姉さん@名無し
>>4
でもホッシ、何だかんだ強豪校相手にはめちゃめちゃ打ち込まれてるんだよね……
3試合で防御率5点台後半
打たせて取るって言ってたけど、打たれてるだけのような気も……
14:やきうのお姉さん@名無し
テイクバックを大きくする時は力を抜いている←まだわかる
テイクバックを小さくする時は力が入っている←???
キャッチャーミットをずっと見ていると身体が開く人がいる←まだわかる
そういう人は目を切った方が制球がよくなる←???
15:やきうのお姉さん@名無し
森近がすっかりゴロPになってるの、ホッシの考えに染まってて悪影響受けてると思う
防御率も悪くなっているし、奪三振数が少なくなってる
強打者を三振で仕留めるという癖は、今のうちにつけておかなきゃだめだと思う
それを練習していないから、強打者がたくさん揃っている強豪校との試合で、打ち込まれているんだろうな
16:やきうのお姉さん@名無し
>>8
打点王が森近ってマジ? 緒方や甲野は?
17:やきうのお姉さん@名無し
いやー、ホッシの動画って毎回勉強になるな
何言ってるのか半分ぐらい訳が分からんけど
18:やきうのお姉さん@名無し
ときめき学園って森近が一番強いんか?
三番打者最強理論やってる高校って珍しいな
普通は四番打者が最強だと思うが
19:やきうのお姉さん@名無し
>>1
ホッシは半分ぐらい転生者入っててもおかしくない
あんな綺麗系のイケメンで、偏差値そこそこ高くて、野球が女性顔負けってぐらいに上手で、高校生のうちに企業とビジネスのトライアル案件を受注できて、もう何でも持ってるやろ
リアルでなるお系やってる
20:やきうのお姉さん@名無し
この前試合したけど、礼儀正しいしすごくいい子だった
うちの監督が握手&連絡先交換しててめちゃテンション上がってた
アイドルの握手会行った後みたいになってた
21:やきうのお姉さん@名無し
監督草
22:やきうのお姉さん@名無し
ここのチームの下位打線オールバスター戦略、新しくて面白いな
ホッシ自身は反対してるらしいけど、
・金属バットだから当てたらそこそこ飛ぶ
・高校野球はプロ野球よりストライクゾーン広いから、当てやすさ優先のほうがいい
という理由で、バスター打法がいい方向に働いてるみたい
23:やきうのお姉さん@名無し
オールバスター打線、最初見たときは「なんやねんこいつら、ふざけとんのか?」ってなるけど
バントシフトの前進守備でバスター防ごうとすると、内野の動きが難しそうやね
普通に打球が強いから、近づき過ぎてもダメ
バンドの構えのせいでそもそもバッテリーが投げる場所が限定される
対戦相手からすると結構嫌な戦略やと思う
24:やきうのお姉さん@名無し
県大会レベルなら、内野に揺さぶりかける方がエラーで勝てそうだしな
それに、弱いゴロより強いゴロのほうがエラーも誘いやすいし
◇◇◇
みんなが練習に精を出しているさなか、俺は、成長しつつあるチームの新しい課題を見つけていた。
上位打線は甲子園常連の強豪校に全く引けを取らないはずなのに。
点の取り合いで、強豪高校に負けるのは一体何故なのか。
(正直、春季大会は意図的に力を抜いたところがある。夏の大会に向けたシード権が確保された時点で、ここからは育成メインだと思って、”打たせて取る戦略”に偏りすぎたところはあるかもしれない)
森近もだが、俺も同じである。
県大会で勝ち上がっていくにつれて、俺たちはどんどん打たれるようになった。相手のバッターが強くなっていったというのもあるが、俺たちがあえて"打たせて取る"という方針を頑なに貫き通したことが遠因でもある。
エラーの連発。
分かりきっていたことだったが、一流高校の守備陣であれば余裕で討ち取っているような内野ゴロが安打になる、なんてことも多々あった。
そういうときでも、俺も森近も辛抱強く"打たせて取る"ことを繰り返した。
平たく言えば、実戦練習というものだ。
強豪校相手に、ランナーを背負ったときのピッチング練習。そんな経験はなかなか積むことができない。
だから、一試合でも多く、ピンチの時の緊張感を噛み締めることを優先した。
――結果、ときめき学園は対戦相手にかなり得点を取られた。
どこかの草野球みたいな、点の取り合いの試合ばっかりだったのは、そういうわけである。
良く言えば、見るからに派手で楽しい試合。
悪く言えば、魅せる投球術や魅せる守備に乏しい大味な試合。
(弱いチームにはコールド勝ちできるようになったのに、強いチームには点の取りあいで負けてしまう……。まあ投球の問題が大きいのは事実だが、これは投球だけの問題ではない)
点の取り合いになったとき、今の上位打線で気がかりな点がある。
緒方と甲野が全くと言ってもいいほど、勝負させてもらえない。ずっと敬遠ばかりなのだ。
そうなったとき、残りのメンバーが点を取れるかどうかが鍵を握る。そして緒方と甲野の後の打者は、肝心の打力を持っていない。
要するに打線に切れ目があるのだ。
これは何も下位打線だけではない。俺と森近でさえも打線の切れ目と言って過言ではないのだ。
出塁率が脅威の8割台に達している羽谷、そして打率6割台の緒方と甲野に挟まれている俺と森近は、頑張って出塁率5割弱を維持しているものの、やはり強豪校のエース投手相手にはあっさりアウトを取られることもしばしばあるため、この驚異的な上位打線の『穴』となっている。
出塁率5割弱が穴扱いとは酷い話もあったものである。だがれっきとした事実である。
俺と森近がしっかりと機能すること。下位打線がしっかりと走者を還すこと、この2つが成長ポイントである。
(セイバーメトリクスの考え方では、打線にはなるべく切れ目がないことが重要というが……)
実際、星上と森近が並んでいるせいで、この二人でアウトを取られてしまい、せっかくの羽谷が塁に残ったまま何も出来なかった場面もちらほらあった。星上と森近でアウトを取られて回が切り替わってしまうと、羽谷の出塁の意味がなくなってしまう。
これならいっそ、1番羽谷、2番星上、3番緒方、4番甲野、5番森近……がいいのだろうか。
(※5番星上ではなく5番森近なのは、①星上の方が変化球対応が上手であるが内野安打も多いので走者が少ない方がいい、②満塁になったあとのバッティングは難しいのでセンスのある森近に任せたい、という二点から)
しかしそうなると森近の役割はやはり難しい。
3番森近の場合は、多くのケースで無死12塁、あるいは1死1塁。
5番森近の場合は、多くのケースで無死満塁、あるいは1死満塁。
無死12塁、あるいは1死1塁の場面であれば最悪送りバントでもいいが、満塁のときはホームゲッツーのリスクがあるため内野安打やスクイズ非推奨となり、打つ場所が難しい。
どうせ緒方と甲野は敬遠される。ならば難しくなる打席はこいつらに押し付けてしまいたい。
やはり3番森近の方がバランスがいい気がする。
(……難しいものだな。森近をあたかも巧打者のように見せかけて、あわよくば敬遠されるようにプロデュースしたかったんだけどなあ)
俺は苦笑いを浮かべた。
白状すると、俺の狙いは森近を『架空の強打者』に仕立て上げることだった。
よその高校から見た時、森近を“とんでもない大打者”のように見せかけたかったのだ。
――森近がもし打撃でも活躍すれば、うちの打線は格段に底固くなる。
何度でもいうが、この考えに間違いはない。
――3番打者という数字。
――強豪リトルリーグで4番打者とエースをやってきたという経歴。
そういう周辺情報だけを見たら、森近は『巧打者』に見える。少なくとも、平均以上に打撃ができるように感じるはずだ。俺が敵の立場なら間違いなくそう考えて警戒する。
その上で。
――足の速い羽谷の出塁により、敵が盗塁を警戒せざるを得ず、配球を制限されているという状況。
――どんな初見の投手が相手でも、俺がステータスオープンで『最高球速、持っている変化球種、球種別の投球割合……etc』を暴いてチームに展開できるという情報優位性。
これらにより、森近が打席に立つときは、ほとんど必ず打者有利な状況になっている。
どこに投げる傾向が高いか、何を投げる傾向が高いか。
それが丸裸になっているのだ。
加えて。
――本人持ち前のバッティングセンスと、高い戦術理解力。
(ここまでお膳立てしておいて、森近が打者として活躍できないなんてことはないだろうよ)
実は、我がチームの打点王は森近である。
緒方と甲野は敬遠王、打点にほとんど絡めない。
羽谷は前にランナーがほぼゼロ。
となれば、彼女が打点王になるのは当然というものだ。
森近が打席に立つときは、ランナーが大体一人か二人いる状態なのだ。ほとんどの確率でワンプレーが打点に繋がる。
結果的に森近は、よその高校から見た時、圧倒的に打者成績がよく見える。
敬遠したくなるほど立派な大打者になっている。
本当に恐ろしい打者は羽谷、緒方、甲野であるにも関わらず、数字だけ見たら、森近はやたらと打者成績がいい。
だから騙される。
ボール先行、異様に警戒して丁寧な配球を心がけるような弱気なバッテリーが現れる。
そして森近が、コースの限定された読みやすい球を打つ。
あるいは見逃して四球で進む。
そうやって森近は“ブラフ”で戦える――。
(……っていう筋書きだったのに、本当に倒さなきゃいけない真の強豪校は、このブラフを普通に見抜いて、森近で勝負してくるもんなあ)
作戦通りには上手くいかないものである。
思うに、甲子園常連の強豪校の場合、相手監督がしっかりしているケースが多く、森近ブラフを見抜けるのだろう。
だが監督がそうでもないチームの場合は、この森近ブラフがドハマりする。
この『フェイクの強打者』にも神経を使って自滅するバッテリーが出てきてくれる。
(雑魚狩りにはうってつけだが、強豪校には通用しない、この打順の穴……うーん、どうしたもんかね)
明確な答えは出ない。
強豪校相手の時は、打順を変える必要があるかもしれない――そんなことを俺は考えていた。
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