昨日、現役ドラフトが行われました。横浜DeNAベイスターズに関わるところでは、櫻井周斗投手が東北楽天ゴールデンイーグルスへ移籍し、佐々木千隼投手が千葉ロッテマリーンズから加入することになりました。

正直なところ、櫻井投手を現役ドラフトに出したことには驚きました。というのも、このオフにはエスコバー投手が退団し、池谷投手と田中健二朗投手が戦力外、そして石田投手がFA熟考中ということで一気にサウスポーが流出したからです。特に、櫻井投手は先発も中継ぎもこなせるタイプですし、ここ2年間は一軍登板がなかったとは言えファームでの成績も良くなってきている選手でしたので、今後のチーム作りを考えた時に居て欲しい存在だと思っていました。

ただ、言われてみれば納得するところでもありました。近い年齢の石川投手が今季台頭したことで、中継ぎとしてのチャンスはしばらく少なくなると思われます。また、年齢が下の松本投手がウインターリーグでも好投しており、おそらく来季以降は一軍での登板機会が与えられるでしょう。また、先発として考えた時にも、現状ではローテに入るかと言われると厳しいでしょうし、また小園投手や深沢投手など年下の選手がファームやウインターリーグで好投していることを考えれば、やはり櫻井投手に与えられるチャンスはそう多くないことが予想されます。チームとしては左腕が手薄になってきたところで櫻井投手を出したくはなかったと思いますが、櫻井投手のことを考えると他球団に移籍した方がチャンスは多そうです。昨年も細川選手を出したように、横浜DeNAベイスターズという球団は、現役ドラフトの趣旨に賛同し選手ファーストで現役ドラフトに出す選手を選んでいるように思えます。チームとしては痛いところだけれど、選手のことを考えると櫻井投手の放出は現役ドラフトの趣旨に合致していると思います。

櫻井投手が移籍する東北楽天ゴールデンイーグルスは、今江監督も認めている通り、とにかく左腕が手薄なチームです。先発である程度一軍で投げたのは辛島投手、早川投手くらいですし、先発投手にベテランが多くあまり世代交代が進んでいないことを考えると今後、ローテーション争いに食い込める可能性は高いでしょう。また、中継ぎでは鈴木翔天投手以外のサウスポーがほとんど居らず、鈴木投手も登板過多の状態ですので鈴木投手の負担を減らしたいところでもあるでしょう。今江監督は先発でも中継ぎでも活かせところで櫻井投手を起用するという発言をしましたが、個人的には中継ぎでいきなりフル回転することになるのではないかな、と思っています。いずれにせよ、ベイスターズよりも登板機会は与えられるでしょう。ベイスターズファンとしては寂しい気もするのですが、新天地で輝いて、細川選手に続く現役ドラフトの成功例となることを切に願っています。

そして、ベイスターズに加入することになった佐々木千隼投手については、とても期待しています。エスコバー投手が抜けたこと、また山﨑投手や伊勢投手に大きな負担が掛かっている中で、もう1人ブルペンを支えてくれるピッチャーが欲しいところでした。そんな中、佐々木千隼投手は今回の現役ドラフトで最も実績があり、かつ今季復活の兆しを見せていて来季以降に期待が持てる存在でした。個人的には、主力としての経験があり、また一度成績を落としつつもしっかりファームで結果を出しているあたり、選手としてのタイプは違うものの森原投手とイメージがダブります。2021年には54登板で防御率1.26と、間違いなく実力はある選手です。加えて、今季終盤では、ファームでシュートを投げ、球速もアップするなど復活の気配を感じさせる投球をしていたようですし、期待しかありません。元々コントロールが良く、自滅することが少ないタイプですので、復活してくれればかなり計算出来るせんりょくとなってくれることでしょう。また、佐々木千隼投手はドラフトの時に指名しクジで外した投手ですので、7年越しのベイスターズ入団と言うことにもなります。

佐々木千隼投手、ようこそ横浜DeNAベイスターズへ！　そして櫻井投手、新天地での活躍を応援しています！！