　いちファンの戯れ言に過ぎないのは承知の上で、個人的に特に期待している選手についてちょっと書いてみたいなと思います。もちろん名前を挙げていない選手も応援していますし、活躍を願っています。が、やはり「推し」は居るもので。個人的な一番の「推し」は永遠に藤田一也選手なのですが、藤田選手については別で書きましたので、ここではまだ一軍定着にまでは至っていないけれど、今後活躍してくれるだろうと特に期待している選手について書いてみます。

まず、今季一軍で頭角を現し始めた梶原選手、そして今年のドラ1ルーキーの松尾選手。この2人に関しては、数年後にはレギュラーどころかチームの軸になる選手になってくれると思っています。梶原選手はライナー性の打球を飛ばせる上、脚力もある選手なので、不動の1番バッターとして定着して欲しいところです。また、松尾選手は1年目ながらファームで成長を見せていますし、打撃力に関しては高卒とは思えない数字を残していますので、強打のキャッチャーとしてチームに欠かせない存在となってくれるはずです。今季飛躍を見せた山本選手とともに、ベイスターズの司令塔となってくれると思っています。

　さて、この2選手に関してはベイスターズファンなら誰もが将来を楽しみに思っている、言わば「期待するのは当たり前」という存在だと思います。ということで、ここからは彼らほど取り上げられる機会は多くないけれど、それでも個人的にもの凄く期待している選手を取り上げます。

　まず1人目は、徳山壮磨投手。2021年ドラフト2位で早稲田大学から入団した、大卒2年目の右腕です。ファームの映像で見た限り、という話にはなりますが、私は彼の投げる真っ直ぐが大好きです。もの凄い速さがあるというわけではないものの、強さと伸びを感じます。特に2023シーズン後半はファームでの数字も改善され、登板こそありませんでしたが一軍昇格も果たしました。大卒2位指名で、プロ入りから2年間一軍登板なしということでやたらと厳しい言葉を掛けられているように思いますが、私は彼の今後が楽しみでしょうがないです。そして、私が徳山投手に関して忘れられないのは、大阪桐蔭高校時代の彼の姿です。3年夏、彼にとって高校最後の試合は甲子園での仙台育英戦。当時2年生だった柿木投手（現日本ハム）が9回2アウトから逆転を許し、エースだった徳山投手はマウンドに上がることなく終わる試合となりました。悔しかったことは間違いないし、その目には涙が溢れていました。でも、その中で、同じ様に泣く柿木投手に寄り添い、ダグアウト前に並ぶ際には彼の肩を抱いていたのです。エースとして迎えた、憧れ続けた夢の舞台で、最後にマウンドに上がることなく負けた。そんな状況の中で、彼はチームメートを想いやり、行動していたのです。こんなことができる選手が、一体どれだけ居るでしょうか。厳しいプロの世界、優しさだけで活躍できるものではありません。でも、こういった行動ができる選手だからこそ、期待したいし活躍して欲しいと思ってしまうものです。徳山投手は来季が大卒3年目。ここまではファームでの登板のみですが、ステップアップしてきているのは間違いありません。いずれきっと、ベイスターズに欠かせないピッチャーになってくれるはずです。

　続いて2人目は、西巻賢二選手。今季千葉ロッテから戦力外を経て育成契約で入団し、シーズン途中に支配下登録された内野手です。本職は二遊間ですが、サード、外野も守れるユーティリティです。スピードが武器の小兵で、横浜にはあまり居ないタイプの選手です。今季、一軍では僅か7試合の出場に留まり、ファームでも.248、2本塁打と一見低調に見える打撃成績でしたが、出塁率は.355、OPSも.701と細かい指標を見ていくと、圧倒的ではないにせよ好成績と言える数字を残しています。打率に対して出塁率が1割以上も高いのは四死球で多く出塁した証拠で、ガンガン振っていくタイプが多いベイスターズには少ないタイプの選手です。さらに、ファーム2位となる16盗塁を決めたスピードも武器で、走塁面に大きな課題があるとされるベイスターズにとってはかなり貴重な存在だと思います。2023シーズンは一軍での起用は少なかったものの、しっかり欲しいところでバントを決めてくれました。まだ若い選手ながら楽天、ロッテと渡り歩いた苦労人だけに、自分が果たすべき役割や求められていることをこなそうとする姿勢は人一倍ある選手のように思います。

どちらの選手も、2024シーズンはキャンプA班（宜野湾）でスタートします。三浦監督をはじめとする首脳陣に、この機会に存分にアピールして一軍への切符を勝ち取って欲しいところです！