2023年の追加補強を考える

 早いもので今年ももう7月、シーズンのほぼ半分を消化しました。そして、支配下登録期限は7月末まで。つまり、追加の補強期限まで、残りひと月ほどとなりました。


 勝負どころとなる後半戦に向けて、中日のロメロ投手入団、巨人↔ロッテ間でのトレード、中日↔日本ハム間での2対2トレードなど、各チームの最後の補強が活発になってきています。ところが、今のところ(7月10日時点)、横浜DeNAベイスターズには、目立った動きはありません。そこで、今回は、ベイスターズの最後の補強について、考えてみたいと思います。


 さて、まずは今シーズン、ここまでのチーム状況と補強について見てみましょう(情報は全て7月10日時点)。


順位:2位(42勝33敗2分)


チーム打率:.253(1位)

チーム本塁打:54本(3位)

チーム盗塁数:17個(6位)

チームOPS:.690(2位)

チーム得点:294点(1位)


チーム防御率:3.34(4位)

先発防御率:2.98(3位)


 今年は球界全体が投高打底のシーズンになっており、チーム防御率はどの球団も2点台後半~3点台前半と、安定した成績を残しています。また、今季新加入の選手(ルーキーを除く)の成績は、ざっと以下の通りです。


#47笠原祥太郞 投手

1試合 0勝1敗0S 防御率9.00

(ファーム:12試合 4勝4敗0S 防御率2.86)


#49J.B.ウェンデルケン 投手

29試合 1勝1敗0S 13H 防御率1.57


#96 T.バウアー 投手

10試合 6勝2敗0S 防御率3.53


#67 西巻賢二 内野手

7試合 .000 0本 0打点 0盗塁

(ファーム:.259 1本 16打点 11盗塁)


#98 京田陽太 内野手

64試合 .219 1本 5打点 2盗塁


#42アンバギー 外野手

1軍出場なし

(ファーム:33試合 .151 3本塁打 16打点 0盗塁)


 まず、今年の横浜の強さは、何と言っても投手力でしょう。ウェンデルケン投手―伊勢投手―山﨑投手の勝ちパターンが確立されており、さらに入江投手、森原投手、エスコバー投手、上茶谷投手と信頼できるブルペン陣が控えています。さらに石川投手、中川投手、坂本投手が台頭しつつあり、不調で抹消中ですが三嶋投手、頼れるベテランの田中健二朗投手や平田投手も居ます。その上、ファームでは三浦投手、池谷投手、宮城投手、櫻井投手などが安定した成績を残しています。先発陣も東投手、今永投手、バウアー投手がローテーションを守っているほか、3点台前半で投げているのが大貫投手、石田投手、4点台ですがここまで3勝以上しているのが平良投手、ガゼルマン投手と、先発陣の頭数も揃っていると言って良いでしょう。


 これらのことを考えると、今期中に投手陣の補強はないと予想します。先発、救援とも成績を残せていますし、頭数も足りています。補強しようとしても、大貫投手や平良投手クラスの選手をシーズン中に獲得するのは難しいでしょうから、現有戦力で戦うのがベストではないでしょうか。中継ぎ陣もファームで成績を残している選手が複数人居ることを考えれば、来季以降のことを考えても彼らを一軍で起用する方が優先されるはずです。となると、トレードを打診されて有望株を獲得できる場合を除いて、シーズン中に投手を獲得することは無さそうです。


 続いて野手陣。ここまであまりファームとの入れ替えがありませんが、言い換えればそれだけ一軍の戦力が揃っているということでしょう。少なくとも、レギュラークラスはほぼ固定できていますので、補強するならバックアップの選手ということになるはずです。


 捕手に関しては、伊藤光選手、戸柱選手、山本選手の捕手3人体制が機能していますし、ファームでも益子選手、東妻選手が数字を残せています。さらに、今季はファームで経験を積ませることを優先させるはずですが、松尾選手や上甲選手もルーキーとは思えぬ好成績を残しています。とりあえず、今季中に捕手を補強する必要はなさそうです。

 内野陣に関しても、ソト選手、牧選手、宮﨑選手はほぼ固定でレギュラー起用できますし、ショートも新加入の京田選手を中心に、大和選手、柴田選手が控えています。さらに、まだ成績は安定してきませんが、森選手や林選手もファームで奮闘中ですし、西巻選手もまずまずの成績を残しています。頼れるベテランの藤田選手も内野全ポジションを守れる選手で、苦しい時期には支えてくれる存在です。また、知野選手はスピード・パンチ力ともあるポテンシャルの高い選手で、ミスさえ減ってくれば面白い存在です。また、ファームの若手の層は決して厚くはありませんが、小深田選手、粟飯原選手、そして育成枠の蓮選手と、化けてくれたら面白そうな選手が複数居ます。また、サードは蝦名選手もそのポジションを狙える選手で、打率さえ残せれば宮﨑選手の休養時に代役としてスタメンで出る事もありそうです。また、怪我さえ治ればオースティン選手は間違いなく戦力になります。

 外野手に関しては、今季ブレイクした関根選手、打撃好調の守備職人・桑原選手、今季はやや不調とは言えそれでも.270前後は打っている佐野選手、代打の切り札から虎視眈々とレギュラーの座を狙う楠本選手、ファームで絶好調の梶原選手、今季は不調で降格となりましたが、早速格の違いを見せつけている大田選手&神里選手、今シーズンは一軍定着を狙う蝦名選手など、まだ安定感に欠ける部分はあるものの、楽しみな選手は揃っています。


 こうやってみると、今からできる補強はほとんど無いと言って良いのではないでしょうか。たとえば4枚目以降の先発を、と考えた時、大貫投手や石田投手を上回るほどの力を持った選手を獲ってくるのは難しいでしょう(それだけの力があれば、現在在籍しているチームで先発の柱となっているでしょう)。外国人選手に関しても、バウアー投手、ウェンデルケン投手、エスコバー投手、ソト選手で4枠を使う事になりますし、戻ってくればオースティン選手を入れたいところです。となると、外国人選手の獲得もあまり現実的ではありません。今季、バウアー投手も含め補強した選手は基本的に戦力となっているか、来季以降に期待したい活躍を見せていますので、同じ様なはたらきをする選手を慌てて獲得する必要も無いでしょう。


 という訳で、多少は枠に余裕はあれど(あと3枠)、ここから横浜から動くことはほとんど無いのではないでしょうか。あるとすれば育成枠から支配下への移行ですが、圧倒的な数字をここから残さない限りは、来季のキャンプやオープン戦以降となるかと思います(シーズンオフの補強の枠を残すため)。もしトレード等があるとすれば、他チームから打診があった場合のみでしょう。


 ただし、1人だけ例外があるかもしれません。それは、筒香嘉智選手です。万が一、筒香選手が帰国することになるのであれば、間違いなく獲得に動くでしょう。彼に関してはポジションどうこうではなく、チームを引き上げてくれる存在として強力な戦力となるでしょう。レジェンドとも言うべき筒香選手は、優勝への最後のピースとなってくれるかもしれません。


 そして個人的に、トレードで獲得しても良いのではないかなと思う選手が1人居るので、最後に紹介を。それは、楽天の渡邊佳明選手です。

横浜には、意外と内外野を守れる選手というのが少なく、内野複数ポジションと外野を守れるのは西巻選手くらいです。佳明選手はキャッチャー以外は内外野とも平均以上に守れる選手ですので、彼のような選手がベンチに居れば、選手の運用もやりやすくなると思うのです。さらに、楽天ではあまり打席を貰えていませんが、ファームでは常時3割以上を打っており、一時期は代打起用も多かった選手ですので、攻撃面でも期待出来そうな選手です。おまけに、横浜高校出身で神奈川にも縁があります。


 とまぁ、長々と書いてしまいましたが、まとめると私の予想としては

・基本的には補強はない

・もし帰国するなら、筒香選手は獲得するはず

そして、提案としては

・渡邊佳明選手を獲得してはどうだろう?

という感じです。


期限までは残り約20日。最後の補強はあるのでしょうか?

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