第6話 職歴5社目(英文事務。派遣社員。勤務期間20日間)
この頃、英語に自信を持てるようになっていた。HOEICの点数が745まで上がっていた。そして私は決意した。もっと英語力の生かせる仕事に就こうと。私は、乙仲を辞める決意をした。単身東北地方から上京して一人暮らしをして頑張っている石野さんから影響を受けたのだと思う。一人暮らしをしたいと思うようになっていた。
私は派遣会社を変えて、英文事務で超大手の企業に派遣されることになった。東証一部上場企業。世界の誰もが知っている企業だ。そこに派遣される。
そしてその業務の引き継ぎを行うために10日間別の場所にある工場に行くことになった。同時に会社の近くに部屋を借り一人暮らしをすることになった。人生で初めて賃貸契約をした。しかし、工場での引き継ぎがうまくいかない。引き継ぎをしてくれる派遣社員の女性は産休に入る。この引き継ぎ期間にちゃんと引き継ぎを行って業務を完璧に持ち帰らないと、分からない事があったときに聞ける人がいなくなる。しかし、結局、きっちりと引き継ぎが行われないというか、自分の中で理解できないまま引き継ぎ期間の10日間が過ぎた。そして一人での業務が始まった。案の定、分からない事が出てくる。聞ける人もいない。周りは東証一部上場企業の正社員に囲まれている。只ならぬオーラが出ている。部長がいて何でも分からない事は聞いてよいという事になっていたが、こんなことも分からないのかとか、なんでちゃんと引き継ぎをしてこなかったのかと叱責されるのが怖くて聞けなかった。次第に業務は滞るようになり、業務に追いつけなくなった。ある日、私はとうとう逃げてしまった。無断欠勤を何日かした。派遣会社の営業担当から着信が何十件とあった。とうとう退職することを伝え、了承された。それ以来私はその派遣会社のブラックリストに載った。今思うと、派遣される前にしっかりと担当業務内容を確認するべきであった。話を聞いて自分に耐えうる業務であるかを確認した後で契約をすべきであった。会社のネームバリューで決めた感じがある。
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