第12話
真っ赤になった顔で、
「えっと…それで錬金術のアイテムでしたね?」
と脱線した話を元に戻す。
「そうだよー」
「それじゃあ錬金版以外に錬金釜と…素材って要りますかね?」
「あー少し欲しいね取りに行くの面倒いし」
気の利く娘だな普通に性格も良いし本当惚れちゃいそうだねw
「それでは薬草と鉄を少し買う方が良いですね…結構高いんですけど大丈夫ですか?」
「2万までならどうにかなるかな」
「ふぇ!?大金じゃないですか!」
「え?そうかな?お金は1人でゴブリンの住処壊滅しただけなんだけど」
「えぇ…非常識なんですか?」
結構グサッと刺してくる物言いになったな。
「確かに(実力は)非常識だね。」
「危ないことは辞めた方が良いですよ?」
うん?なんでだ…
「あぁ!そういえば言ってなかったね俺は異界の旅人だから生き返るよ?」
「それでもですよ!」
優しいなぁ…それはそうと
「俺レベル27あるよ?」
「え!?本当ですか!?」
「ほらっ」
少し必死になっているのに疑問を抱きつつステータスのレベルだけを表示する。
「お願いします!」
突然頭を下げてそう言ってくるので驚いた。
「えっ?急にどうしたの?」
「クエストを受けてください!」
〈ユニーククエスト:錬金少女を救えが発生しました。〉
「とりあえず頭上げて何をして欲しいのか話して…ね?」
何も分からんのにそんなこと言われても混乱することしか出来ねぇからな!
「えっと…あの…幻竜花って知ってますか?」
御大層な名前の花だな?
「何それ?」
「人の手で扱える最上位の薬草でドラゴンが居る所にしか生えない物です…」
ドラゴンか強そうだなぁ…
震えながら言っているのでできる限り優しく話す。
「それを取ってきて欲しいと?」
「はい…非常に身勝手ですが…」
もう結論は出してるんだけど、
「なるほど…一応聞くけど報酬は?」
「何でもします!お店だって私の身体だって差し上げます!」
おいおいマジかよ!?大丈夫か?
「はぁ…女の子が「何でもします」だとか「身体を差し上げます」なんて言っちゃ駄目だぞ」
そう言うと取り乱したように、
「ツッ!何なんですか!貴方に何が分かるんですか!これから結晶のようになって死ぬ私のことの何が分かるんですか!まだまだ生きて色々したい!錬金術だって極めれてない!貴方と違って私は生き返れないんですよ!」
そう悲痛な叫びのような想いをぶち撒けて来る…
俺が何も言わず…いや、言えずにそれを見ていると
「あっ…ごめんなさい!ごめんなさい!」
我を取り戻すがすぐに慌て始める。
「謝らなくて大丈夫だって…それで?水晶になって死ぬとか言ってたけど何か直すために欲しいの?」
「ヒッ…はい……」
消え入りそうな声でそう言う。
「なるほど…そうだね俺は確かに初対面の相手で、さらに言うと別に性格が良いわけでも無いし不安になるのは分かるさ。しつこいナンパ野郎は股間蹴り上げるし、何の関係の無い人間を得も無く助ける聖人でもない」
正直自覚してる分そこらの一般人よりタチの悪い人間だろう
「だから!その得を私の全てで払うんですよ!」
うん、さっき聞いたね。
「いや、要らんよ」
「え…なんで?可愛いって言ってたじゃないですか…」
……とっくに覚悟決めてんだわ
「あのなぁ…俺ら異界の旅人は生き返るから
俺はフェアトレードを心がけてんだよ!受けるのは面白そうだし当たり前なんだよ!」
〈ユニーククエスト:錬金少女を救えを受諾しました。〉
「えっ…あっ…うん…ありがとうございます?」
急にキレて急にクエスト請けるって言った俺に対して困惑している。
正直ムカついたので遊んでた自覚はある。
罪悪感(笑)もあるので後で謝ろうかな。
「さて、幻竜花って何処にあんの?」
こっからは流石に真面目だ。
「えっと…この街から北に行った山脈に竜が巣を作ってるのでそこで採れます。地図があるので大体の場所に印をして渡しますね。」
うん…急にマトモになったからやっぱ困惑してるな…
さぁ!1人の美少女の為にやってやろうか!
作者
錬金少女ちゃんが罹ってる病気は水晶病と呼ばれている病気です。
水晶病は水晶のように身体が変化していくのですが、原因は毒です。
まぁ、原理は毒に侵された細胞が変異して硬化し透明色になるのが原因です。
錬金術の素材にヤベェ物が混ざっていてそれで毒に侵されてしまいました。
ちなみに錬金少女ちゃんがキレたり怯えたり不安定なのは最低限レッドドラゴンと戦えるレベルの異界の旅人が来て生きれる希望を見出しその為に自分の全てを投げ捨ててでも依頼を受けてもらおうとしているのに主人公が「女の子がそんなこと言っちゃ駄目だよ」とかふざけたこと抜かすのでキレてしまい。死ぬ以外の未来しか見えなくなったからです。
まぁ…主人公は変人だったので大丈夫ですが。
そして変人だったから精神不安定な錬金少女ちゃんで遊んでるんですが…最低だなコイツ!
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