ハーピーの女の子と出会う2

それから勇人はハーピーを二人で野宿生活を続けた。


キャンプに必要な道具はスキルによる生成で何とかなったので特に問題は起きていない。


―いろいろスキルの説明項目見たり使ったりしてわかったことがある。武器は5つまでしか出せない。それを超えて生成すると出すと古い順に消えてしまうようだ。道具も同じカテゴリーの道具をいくつか作ると古いのが消えた。弾薬はそうではないみたいだが。


試しにポイント消費の少ないナイフを新しく生成すると古いナイフが消えた。

消えたナイフを生成するのに使ったポイントは返還された。


―異世界転生ファンタジーならこういう細い設定は有っちゃ有りだろう。だが、何でこんなことになったんだ、俺。まぁ、この問題は今後一つ一つ解き明かしていくことになるんだろな。


そこへハーピーが鳥脚を使って鶴のような足さばきで歩いて寄ってきた。


「ごめん。飯はまだないから狩ってくるよ、ミミ」


―名前がないと呼びにくいから特徴的な獣耳にちなんでミミなんて名付けてみたが...。


ミミは勇人の言葉理解しているわからないがミミと言えばすぐ振り返るなど自分に付けられた名前は名前という概念も含めて理解しているようだ。


―ステータススプレートの初心用モンスター図鑑なる項目があったから調べてみたがどうやらハーピーはこの世界だと低レベルのザコモンスターの一つで初心者冒険者でも簡単に狩れるらしい。ハーピーの項目を何回かタップしたら開発者オプションみたいな、もしくは文献のようなもっと詳しい説明も出てきた。それに目を通してみたが、ミミのような猛禽類以外のハーピーは攻撃力が底辺で、スキルらしいスキルもないから強いモンスターに餌として捕食されるだけの存在のようだ。


勇人はミミを見る。


―こんなにエロかわいい子が食べられるだけなんで悲しすぎるだろ。...いや、別の意味で俺も食べてみたいけどさ。こうなったらレベル上げして最強のモンスターとして育ててみようかな。ロールプレイングだと産廃キャラを限界まで強化して遊び倒すのが好きなんだよなぁ。


ミミのステータスプレートを開けるか試してみる。

いろいろやってみたがうまくいかない。

しばらく悪戦苦闘した末、魔が差してしまい、反応を見るついでにミミの豊かなおっぱいの乳首を押してみた。


するとミミのステータスプレートが表示されたのだ。


―出た!しかもおっぱいを触られたことを気にする様子が全くない。もしかしてミミは抱かれても気にしないタイプだったりするのか。まぁ、それはひとまず置いておいて、ミミのステータスを見てみよう。


勇人はミミのステータスに目を通す。


―何だこれ!スキルもなければ、攻撃も〈引っ掻く〉以外ない。ステータスも俺よりはるかに低い。産廃にも程があんだろ!ステータスはこの前の戦闘を見る限りそこまで重要ではないとは思う。どちらかというとこの異世界はアクションロールプレイングみたいだから戦術やアクションが下手だと強くても意味ない感じだ。TRPGだったら俺は門外漢だから困ったことになっていたな。とはいえ、ミミは戦闘に出したら即死しかねない弱さだ。村人より弱いんじゃないか、これ。


勇人はミミを見る。


ミミは柔らかい表情で自分を見つめていた。

獣耳が時折ピクピク動かして可愛げがある。


―上等だ。俄然やる気が湧いてくる。ここまで産廃キャラだとソシャゲだったらすぐ処分される星1キャラだが、玄人プレイ志向の俺にはおあつらえ向きだ!


こうして勇人は町へ向かう前のレベリングを開始した。

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