第11話 ついにお金で女子大生を買う
「貯蓄から投資へ」
テレビから流れてくるのは総理大臣の言葉だ。
「ふざけんなよな、首相のくせして投資歴ゼロが何言ってんだよ、こいつは」
「わたしが総理大臣になってもう2年です。
高校生の授業は古文漢文を無くして投資という授業に変更をしました。高校生トレーダーも増えてようやく貯蓄から投資への足がかりができたと思っています。優秀な高校生の1人はもうすでに10億円を投資で得たそうです。
ぜひみなさんも貯蓄から投資へ」
「ふざけんなよ。俺も昔投資したけど全財産すったわ。いまもすっからかんだわ。どう落とし前つけてくれるんだよ、お前は」
(そういや、まりの携帯にも株アプリがあったな。今時の高校生は株やってんのか。生意気な。どれ、お子ちゃまのかわいい株式投資をのぞいてやるか)
「はああああ!!!!!」
「10億円???まじか?こいつが日本で1番優秀な高校生トレーダーなの?」
目の前には1,000,000,000円の文字が。
めちゃくちゃ株買ってるぞ。
それも信用取引だ。
信用取引は3倍まで購入できる。
すなわち30億のお金を動かしている。
やばい、星野まりは凄すぎる。
国民的アイドルで顔も良くてスタイルも良い。
おまけに金まである。
なんて俺と真逆な人生を歩んでいるんだ。
その事実に俺は落ち込んだ。
俺なんかが星野まりになってはいけなかった。
今さらながら本当の星野まりと変わってあげたい。
俺がここまで憔悴したのはいつぶりだろうか.......
気付いたら寝てしまっていた。
…………………………
………………
………
プルルル、プルルル、プルルル
「はっ!」
星野まりの携帯の呼び出し音に目を覚ます。
「もしもし?」
「あ、おはようございます。マネージャーの百瀬です。休業を宣言されてから今日でちょうど1ヶ月です。復帰の約束ですのでお電話させていただきました」
(なるほど。国民的アイドルなのに何も芸能活動がなかったから不思議に思ってたんだよなー。そういうことだったんだ。最近までテレビに出てたのは収録の取りためがあったからか)
「おはようございます。百瀬さん。それでわたしは何をすればいいのかな?」
「はい。復帰の最初は投資でためたお金を使って盛大な寄付をされるとおっしゃってました。毎年恒例の丸一日テレビに出演予定です」
「ええ?寄付するの?あのお金」
「はい。そうおっしゃってましたが」
そんなもったいないお金の使い方を俺ができるわけがない。
「まずは復帰記念に豪遊をしようと思うわ。手配できる?」
「はっ。何なりとお申し付けください」
「女子高生は法的に問題ありそうだから女子大生を100人くらい集めて。それもとびきりかわいい子。ドレスコードは下着で。100人で1人10万でも1000万ね、それくらいは出すからお金ばら撒いてでも集めてね」
「それは可能ですがまりさんは何をしたいのですか?」
「ちょっと待って。まだまだアイデアが。
それと高級ホテルのイベント会場を貸し切って。わたしとその100人以外は入れないようにセキュリティもしっかりと。あとお風呂かシャワールームを借りといて。あっ、ベットも10個ぐらいはイベ会場にセッティングよろ。
それと撮影OKの女の子にはもう10万支払うって言っておいて。そうそう、百瀬さんは誓約書も作れる?今回のこと口外しないって」
「は、はあ、可能ですがどうしてそのようなことを」
「わたし自身が光り輝くためよ!1ヶ月とはいえ休んだんだよ。あのころの光を取り戻すにはかわいい子100人のいろんな仕草やスタイル、表情、さらには女らしさを知るためにはベットシーンも想定しなくちゃね」
「なるほど、わかりました。復帰のための助走ですね。さすが国民的アイドルです。やることが桁外れですね」
「そうなのよ。俺にとってはここで決めたいのよ」
「えっ?俺にとっては?」
「オホホホホ、気にしないでー、役作り役作り」
「わかりました。早急に手配します。時間指定はありますか?」
「んーー、平日の午前中で」
俺は熟慮に熟慮を重ねた結果、1番エロくない時間帯を指定した。なぜなら今までことごとくエロイベが成立しなかった。あえて深夜や休日などのエロいと思われやすい時間から1番遠おい平日午前にしたのだ。
「わかりました。手配のためのお金はどうしましょうか?」
「安心しなさい。このスマホの中にいくらでもお金があるわ」
「それでは立替払いをしておきますので後日請求させていただきますね」
「百瀬さん、いいね!仕事できるね!
百瀬さんも当日下着で参加してくれるなら100万出そうかな」
「ありがとうございます。それでは私も当日参加させていただきます」
(しまった。こんなに簡単にOK出るなんて。
もしかして不細工なんじゃないか。いや、前みたいにBAAかもしれん。俺の今までのパターンだと絶対におかしいことになるはずだ)
「ちなみに百瀬さんて誰に似てるのかな?」
「はい、よく言われるのは新垣亜衣です」
(きたーーー!まじか?いや、待てよ、自主申告だ、これは。不細工の可能性もまだ捨てきれない)
「ちなみにアイドルや芸能関係の仕事ってしたことある?」
「本格的にはないですが、ミス日本の最終選考には残りました」
(きたーーー!これは間違いない)
「百瀬さんはいいね。今度役作りで百合モノやろうと思っているから当日はベットシーンの練習もしたいんだけどいいかな?」
「はい、まりさんの指示に従います」
「結構本格的にするけどいい?」
「もちろんです。わたし、女性に触られるの嫌いじゃないので」
「んー、たまらん」
「は?たまらん?」
「いや、百瀬くん、君は早急に準備に取り掛かりなさい」
(はっ!?危ない。次にこれがうまくいかないなら百瀬さんが女の子の日になったとかだ。気付いてよかった。また気を持たせるだけ持たせて俺が落とされるところだった)
「百瀬くん、女の子の日は最近いつ頃来たかな?」
「えっーと、1週間ぐらい前ですのでもう終わりかけですね」
「きたーー!あとは絶対に風邪ひいちゃダメだからね!」
「はい。心得ています」
…………当日…………
「キタキターー、百瀬さんも休まず、先ほどの電話連絡ではもう会場に100人集まっているらしい。ムフフフフ。あとは俺が到着するだけ。
相手は俺が国民的アイドルだと思っている。俺が何しても変態にはならない。星野まりよ!投資で10億稼いでくれててありがとう。貴重な使い方をこれからします。そして残りのお金も寄付なんかせずに俺のために使い切ります。
もう一度言います。ありがとう」
ホテルの入り口では百瀬さんが待っていた。
(激かわじゃないか!百瀬さんやばし)
「お待ちしておりました。まりさん」
「百瀬くん、君も準備万端かな?」
「はい、仰せの通りに勝負下着を履いてきました。それにメールでご指示いただいたようにローターを購入して下着に固定しております。こちらがリモコンです」
「ええ?やってくれたの?」
「はい、そういうシーンも今後必要だからとおっしゃられていたので」
カチッ
「はぁぁ、あっん、すいません。声が出てしまいました」
なんだこのおもちゃは!最高じゃないか。
カチッ
「ん、んん〜、あ、」
百瀬さんが股間あたりをムズムズさせている。
「みなさまお待ちです。それは後にお願いします」
金で買った女子大生達。これは確実だ。
今までみたいに不成立なわけがない。
意気揚々とホテルを歩く。
ピコンピコン
携帯が鳴る。電話ではない。
何かの通知だ。
「え?ええ!?」
スマホの通知表示に追証と書かれている。
これは株がヤバいやつだ!
10億あった株がどうなった!
「マイナス10億に!!」
なんと株価が知らないうちに大暴落していた。
「まりさん、どうされたのですか?」
「か、株が大暴落して.......」
「ここのお支払いは?」
「できましぇん.......」
「キャンセル料の方が安く済みますね。すぐにキャンセルします。費用は後日請求します。
解散!!!」
「おわた.............」
女子大生も百瀬さんもお金も全てなくなった。
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