第10話 日本最大の銭湯だ!生着替えが俺を待っている!

「ついについに、本当にきたーーー!」


なんと、自宅の給湯器が壊れたのだ。

これではお風呂に入れない。


ママもえり姉も妹のゆりも女の子だ!

1日たりともお風呂に入らないわけはない。

絶対に声を上げるだろう。


銭湯に行こう!と。


どきどき、わくわく、


どきどき、わくわく


(おいおい、誰も何も言わないのか?

 またいつものやつか?

 期待させるだけさせてエロイベは

 成立しませんでしたーってやつか?)


どきどき


わくわく


どき


わく


「あああ!もういい!もう諦めた。期待するだけ辛い!」


「なに大声上げてるの?まり」


「ママ、だって給湯器壊れてお風呂入れないんだもーん」


「それね、さっきまり以外で話し合ったの。それでね、みんなで銭湯に行こうってなってるの、いま。まりも一緒に行くよね?銭湯」


「きたーーー!行く、行く、イク」


「せっかくだから少し遠出して日本一大きいお風呂に行こうって言ってたけどいいかな?」


(きたーー!焦らされるだけ焦らされた結果、最高のパターンじゃないか!日本一大きい?それは日本一多くの女性が入っているということではないか!?)


「もちのろんです。死んでも行きます」


「死んだら行けないんじゃないの?」


「それだけの意気込みがわたしにはあるということです」


「まあ、いいわ。もうこんな時間だし

 すぐ出発ね」


「それ以外に選択肢はないわ、ママ」


このエロイベは外しようがない。

なぜなら一般ピーポーが絡んでくるからだ。

確実に女の裸が見れる!

熟女やおばあちゃんの裸は見たくない。だがそれ以上に数多くのかわいお女子の裸が見れるならおばさんたちは我慢しなければそれは贅沢というものだ。


…………………


……………


………


「もうすぐ到着よ。遠かったねー。

閉店までもう少しだから受付だけでも早く済ませなきゃだね」


(むしろ好都合だ。おばあちゃんはこんな遅くに銭湯には入らないはず。この時間帯はピチピチギャルの時間帯だ!)


「はーい、ついたよー!日本最大だけあってエントランスも看板も広いねー」


「ここが日本最大の秘密の花園だね、ママ」


「秘密の花園?」


「気にしなくていいのよ。わたしの問題だから」


「まあいいけど。考え事し過ぎて水着を車に置きっぱなしにしないでね?」


「水着??どういうことなりか?」


「ここは男女兼用のプールみたいな銭湯だよ」


「なぁーにぃー!聞いてねえぞ!最初に水着持ってきてね、ぐらい言ってくれたらいいじゃん」


「だってまりはいつも激しい水着着るじゃない。大衆浴場でそんなの着られたらこっちが恥ずかしいよね。だから水着はこっちで用意して持ってきたのよ」


「くぅーー!それじゃ俺の欲望は満たせないじゃないか!」


「後ろの席にジェンダーレススクール水着置いてるからそれ着てお風呂入ってね」


「もしかしてみんなも布面積ばかりのジェンダーレス水着を着用するのかね?」


「当たり前でしょ。こんなところで派手なの着たら変な目で見られるじゃない」


(おわた......やっぱりエロイベって存在しないのね。もういいです。お風呂にも入りたくありません)


「わたし、体調悪くなったからお風呂入らない」


「はぁ?ここまで来たのに入らないの?

体流さないと汚いよ」


「わたしはいま、自分の運の無さに嫌気がさしているのです。もうほっといてください」


「まあいいけど、受付終了まであと15分だから入るならそれまでだよ」


ママたちは俺を車に置いて出て行った。


(今日という今日は神を許さない)


「................いや、待てよ!冷静に考えろ。

これはチャンスだ」


俺は気づいた。たとえ水着着用の銭湯でも着替える際には裸になるということを。


もうすぐ受付が終了する。


猛ダーーシュ!


受付を済ませ期待に胸を膨らませ更衣室へ

ゴー!


キョロキョロ、キョロキョロ


「なんてこった!パンナコッタ!

誰もいない。閉店が近いからいないのか!」


ガラガラ

女性が1人お風呂場から更衣室に戻ってきた。


「くそ!BBAか。話にならん。いや、待てよ、帰り際の生着替えならまだ見込みがあるぞ」


さすがにここで待ち続けるわけにはいかない。

お風呂にも入りたいし一旦ジェンダーレス水着に着替えて湯船にゴーだ。


キョロキョロキョロキョロ



(まだ美女が数名残っている。これだ。この女性の生着替えを見るんだ。この時間なのに明らかにBAAとおばあちゃんの方が比率は高いが)


「あら、まり、やっぱりきたのね」


「うん、ママ。やっぱり覗きたくなって」


「のぞく?入るじゃなくて?」


「そうそう!入るだよ。いい間違えたの。えりやゆりも入ってるかなーって覗きたくなったって意味ね」


「そう、あのね、まり、あっちの外に最高の露天風呂と寝湯があるわよ。絶対行ったほうがいいよ」


「ほんと?じゃあ、美女たちがお風呂上がるまではそこでくつろぐね」


「美女が?」


「おほほほほ、きにしないで。じゃあ、行ってきまーす」


「温泉は最高だなぁ。骨身に染みるぜ。最近は緊張の連続でかなり身体が凝り固まってたみたいだ。とろけ落ちそうなくらいきもちいい」


………………………………………

………………………………

……………………

……………

………


ほたーるのひかー…………


「はっ!帰りの音楽。し、しまったぁ!

寝過ごした!」


ガバっ


最速で起き上がり一気に更衣室まで猛ダッシュ!


ガラガラガラ


更衣室への扉を開く


「きたーー!」


まだ数名、人がいる。

それもみんな裸だ。出入り口からは背中とお尻しか見えないがついに悲願達成だ。

じっくり見させてもらおう。

おっとその前に美人姉妹のえりとゆりの裸も拝みたい。


「えり姉、ゆりぃー、どこー?」

おれの声は流石にアイドルだけあって声が通る。

遠くの方から返事が聞こえる。


「今着替え終わったから外でコーヒー牛乳飲んでるー」


「く、くそー!遅かったか!」


俺は大声で叫んでしまった。


それが最高の瞬間になるとは。


俺の大声に釣られて更衣室にいる女性たちが一斉に俺の方を向いたのだ。


(きたー!!生裸いただきまーす)


おれは舐め回すように見回した。


「ふざけんなー!!!」


更衣室に残っていたのはBAAとおばあちゃんだけだった。


(くそー!またしてもエロイベ不成立だぁーー…………)



………………………………


第10話はいかがでしたか?

日本最大の銭湯にて俺はまたしてもエロイベ不成立でした。

あまりにも可哀想と思った方はぜひ☆レビューをお願いします( ̄▽ ̄)

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