第4話 まりには見えないけどゆりには見えるわたしの秘部
「ゆりー、おまんたせー」
しまった!あまりのシモへの意識の強さで変なことを言ってしまった。
「おそーい!なにそれー」
くうぅー!ゆりは湯船に浸かっていて裸が見えない。それも入浴剤がこれほど憎いとは。肩しか見えないではないか。
「まり姉!化粧落としてないじゃん。コンタクトも取ってないの?何してんの?やっぱ今日おかしいよ?」
(しまった。女子はお風呂前に化粧を落とすのか)
「もう、ゆりがお風呂のぼせるって急かすからじゃん。化粧落としてきまーす」
「いってらー」
やばい、化粧の落とし方わからない。
洗面所の棚をあさってみる。
(あった。化粧落としって書いてある)
俺はラベルに書いてある通りに顔を洗う。
落とし終えたまりの顔はこれまたかわいい。
化粧前と後ではぜんぜん違ったが化粧落とした後のすっぴんでさえもかわいすぎる。
俺は鏡でまりの顔に見惚れてしまった。
「まりねえー、のぼせたからもう上がるよー」
かわいい妹の声が聞こえてくる。
「まってー、もうちょっとで入るから」
「さき、身体洗うからねー」
まじか!洗い場にいてくれた方が好都合だ。
俺はもう一度顔を水で流してコンタクトを外してお風呂場に入った。
ガチャ
「ぐふふっ」
おっさんみたいな声を出してしまう。
なぜなら目の前にJCの裸の後ろ姿があるからだ。身体に泡が付いている。うっすらお尻の割れ目の上部が見えてる気がする。
あれ、でもなんかぼやけるぞ。
まさか!モザイクか?
いや、違う!
コンタクトを外したからだ。
しまった!ゆりに言われたからって
なんで外してしまったんだ。
今日1番の後悔が俺を襲う。
「まり姉、またおっさんみたいな声でてたよ。シャワーで先に身体、流すよね?」
身体を洗いながら声を掛けてくるゆり。
「うん、そうだね」
俺はシャワーを手渡される瞬間にゆりの身体の表面をのぞきこんだ。
「あっ!」
大事な部分だけボディーソープの泡で隠れている。
でもモザイクはかかっていないようだ。
ちきしょー!乳首が見たかったのに見れない。
「あっ!ってなに?気になるじゃん」
「違うの違うの、ゆりも大人の身体になってきたなーと思ってさ、お姉ちゃん、ゆりの身体見てみたいなー」
ここで今日1番の会心の言葉が出てきた。
これで見せてくれるなら隅々まで直視できる。
ドキドキ、ドキドキ。
「いや!だってなんか『はあはあ』言って興奮してるし、鼻息もめっちゃ荒いし、おっさんに見られてるみたいだからいや!」
え?無意識にはあはあしてるのか俺は?
それも鼻息まで激しいのか?
しまった!なんでもっと女の子らしく近づかなかったのか。
「まりねえはお、おっさんじゃ、ないよぉー」
どうしてもカタコトの日本語になってしまう。
「それにまり姉の身体と比べられるの嫌だし」
「え?どうして?」
「だってまり姉もえり姉もスタイル抜群なんだもん。おっぱいも大きいし」
「おっぱいも大きいの?」
「なんでそんなに驚いた声出すのよ」
「ごめんごめん、わたしのおっぱいってどんなふうに見えるの?」
「どんな風って?」
「はら、たとえば大きさとか形とか乳首の色とかさ」
「はあ?そんなの自分で見ればいいじゃん」
(ちがうちがう、自分で見れるなら聞いていない!自分ではわからないから聞いているんだ)
「ほら、自分の印象と人の印象と違うでしょ」
「まあ、いいけど」
ついに………
ゆりが振り返え…………………らない。
振り返ったのは顔だけだ。
仕方ない。まずはまりの身体がどんな風に映るのか知りたい。
「いつもと一緒だよ」
「そうじゃなくて、もっと具体的に」
「Fカップぐらいかな、お椀型で理想の形、
それに乳輪と乳頭のバランスも最高だね。
乳首の色は綺麗なピンク」
(たまらない、おれが持っているおっぱいは最高のおっぱいじゃないか。ゆりには全部見えている。間違いない。やばい、興奮する)
「あれ?まり姉、どうしたの?」
「うん?」
「乳首がすごい勢いで立ってるよ?」
「えぇ!?そうなの?」
「そうなの?って自分で見ればわかるでしょ」
「ほんと、なんでかなぁ」
モザイクがかかっておっぱいの大きさもわからない。乳首も見えない。見えない乳首を見たふりをしながら答える。
「なんでだろうね」
男は興奮するとアレが勃つ。
女は興奮すると乳首が勃つのか?
「ねえ、ゆり。私ってあそこってどうなってるの?」
「本当今日変だよ?どうしたの?」
「これが最後!ねえ、教えて」
「別にいいんだけど、相変わらず毛は薄いよ。ほとんど生えてないから私と違ってあそこは丸見えかな」
「まじか!?」
ゆりには俺のあそこが丸見えだ!
これではっきりした。
俺が見るまりの身体はモザイクがかかるが
他の人が見るまりの身体はモザイクなしだ。
「また、おっさんみたいな声出した!」
「ごめんね。役がでちゃうの」
「なんかもうやだ。お風呂出る。だって私のことガン見してるんだもん」
「あ、い、いや、それは」
「あっち向いて!お風呂出るから」
やむなし、俺はゆりと反対の方を向いてゆりが出ていくのを背中越しに感じるだけだった。
(まじか!結局、女体を見れなかった)
……………………………………………
あとがき
第4話はいかがでしたか?
結局何も見れないまりちゃんになったイチロー。
このあとは男の念願が叶うのでしょうか?
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