第3話
あ、そうだ。
唐突に告白するが、僕は超能力者ではない。天才でもないし、達人でもない。特異な体験をした苦労人でもない。宇宙人でもない。
ただそのジンクスだけはちょっと独特なのかもな、と思っている。
僕はバックミラーに後続車の運転手の顔が映っているか――見えるか見えないかを危険予知の基準にしている。
ルームミラーを見て、サイドミラーもチラッと見た時、顔が見れるなら安心だ。
助手席の人は関係ない、運転しているその人が見えるかどうかにかかっている。
見えたなら安心なのに、見れないこともしばしば多い。
空が光の反射でフロントガラスに映り込む事もあるだろう。車高の――というか運転席の高さの違いで、例えばトラックの運転手なんか顎から上が見切れている事もあるだろう。雨で歪んでいる事も、翳って見えない事もあるだろう。
顔が見えない時はちょっと危険だ。
事故るかもしれないし、煽られるかもしれない。
警戒のランクを1か2上げておく。
いつもよりスピードに気を付けて、信号にも気を付ける。
案の定、警戒していて良かったと思うことがある。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます