第27話「最終章3 空の勇者」

ゲルドカイザーが新斗にトドメを刺そうと迫る。

「くっ……」

だが、そこにジェットホークが突入しゲルドカイザーに掴み掛かる。

「ぐっ……また邪魔を……」

「総理!今の内にご避難を!」

「あ……ああ……」

「ぐっ……邪魔だ!!」

ゲルドカイザーがジェットホークを払い除ける。


「総理、こちらに……」

新斗は総理に駆け寄り手を差し出す。

「君は……?」

「ただの航空自衛隊員ですよ」

そう言うと新斗は総理を連れ外へ脱出。

ジェットホークがゲルドカイザーに必死に喰らいつく。

だが、ゲルドカイザーの攻撃を受けジェットホークは大ダメージを受ける。

「うわっ!?」

更にゲルドカイザーは必殺技『ゲルド覇王弾』を撃ち追撃のダメージを与える。

「うわぁぁぁぁぁっ!?」

ジェットホークが窓を突き破り落ちて来る。

「ジェットホーク……」

新斗は目の前に落ちて来たジェットホークを見て居ても立っても居られなくなった。

「総理、ここで少し待っていて下さい」

「え?」

新斗はジェットホークの方へ走り出す。

「大丈夫ですか?」

「うっ……あ……ああ……」

「じゃあ借ります」

「へ?」

新斗はジェットホークの装備を解除。

「お前……何を?」

「俺が戦います」

そう言って新斗は今度は自分がジェットホークを『装着』

ジェットホークは右腕からレーザーを発射しゲルドカイザーを攻撃。

「ぐっ……この程度の攻撃で……」

だが、ジェットホークの姿はそこには無かった。

「何っ!?フンッ……逃げたか……」


ジェットホークは総理と幸田を抱え空へ避難。

岩城隊長と合流。

「隊長ー!」

「ん?鷹井!?」

「隊長、総理とジェットホークの装着者を救出して来ました」

「そうか……とにかく乗れ。総理、こちらに……」

「ああ、助かったよ……君達は?」

「ただの航空自衛隊隊長とその部下ですよ」

新斗も『装着』を解除。

車に乗り込み発進させる。


「まさか……君がジェットホークの装着者だったとは……」

「すみません……勝手な事をしましたが、居ても立っても居られなくて……」

「いや……お陰で命拾いしたよ」

新斗と幸田がそんな会話をしていると岩城が話しかけて来た。

「ところで……矢木博士は今どちらに?」

「矢木博士は我々の組織の基地局で戦いのサポートをして下さっています」

「じゃあもしかしてこの状況を?」

「ええ、ご存知だと……」

「では矢木博士に連絡取れますか?」

「はい、大丈夫です」

「では今から私が言う事を伝えて下さい」

「はい」

幸田は矢木博士に電話を掛ける。

「鷹井、お前は柊と連絡を取り合流する様に言ってくれ」

「了解!」

新斗は葵に連絡する。


その頃、ゲルドカイザーは……。

「ジェットホークめ……余計な真似を……ならばこの国を力で捻じ伏せてやる……」


新斗達と葵が合流。

「って、えぇ〜!?F-15!?」

なんと葵はF-15でやって来た。

「ああ、この作戦には必要だと思ってな」

「作戦ってどうするんですか?」

「その前に……」

国家安全保障機関の下田に連絡を取って貰う岩城隊長。

岩城は下田に交渉しジェットホークの使用権を返して貰う事に。

「下田さん、航空自衛隊の岩城です。どうかお願いします。ジェットホークの使用権を鷹井に返して下さい。鷹井はこれまでジェットホークとして必死に戦って来ました。ここまでの鷹井の努力、そして戦って来た誇りを守りたいんです」

「誇りで国が守れれば苦労はせんよ」

「下田さん!幸田です!私からもお願いします」

「幸田?何故お前が?」

「自分は鷹井さんに命を救われました。その時自分は思いました。ジェットホークを扱えるのは自分じゃない。鷹井さんだと……ですからお願いします。ジェットホークの返還を……」

「お願いします!」

「……そうか……なら鷹井君に聞こう……君の力で国が救えるのか?」

「鷹井……」

「はい……必ず……この国を救って見せます!」

「……よし……君を信じてみよう。これよりジェットホークの使用権を航空自衛隊の鷹井新斗君に返還。そして矢木博士にはジェットホークのサポートをお願いする」

「勿論です」

矢木博士も気合いが入る。


だが……。

ゲルドカイザーは最後の攻撃を仕掛けて来た。

「ハハハッー!!人間共、この俺にひれ伏せ!!」

街を蹂躙するゲルドカイザーの前に陸上自衛隊が到着。

「構え!」

一斉にライフルやバズーカの銃口が向けられる。

「フンッ……やってみろ?ほら……」

ゲルドカイザーは撃つように挑発。

「撃て!!」

1人の指揮官の指示で一斉に攻撃。

だが、ゲルドカイザーはビクともしない。

「フンッ……所詮この程度だな……」

ゲルドカイザーの反撃。

次々に自衛隊員達がやられていく。


自衛隊は壊滅寸前まで追い込まれた。


だがその時、空からF-15戦闘機が!


「ん?」

操縦するのは葵。

「鷹井君、行くよ!」

「はい!」

葵はF-15からミサイルを放つ。

「フンッ……そんな物……」

ミサイルはゲルドカイザーに向かって飛んでくる。

だが、ゲルドカイザーはミサイルを破壊。

大爆発が起こる。

「おりゃあぁぁぁぁっ!!」

叫び声と共に爆炎の中からジェットホークが出てくる。

「何っ!?」

ジェットホークはゲルドカイザーを殴り飛ばす。

「ぐはっ!?」

超至近距離から不意打ちを喰らったゲルドカイザーはそのまま吹っ飛ぶ。

「ゲルドカイザー!お前を絶対に止めてみせる!!」

「くっ……調子に乗るな……」

ゲルドカイザーは立ち上がる。


ジェットホークの後ろに車が到着。

「鷹井!」

岩城隊長だった。

「隊長、ここは任せて下さい!」

「頼んだぞ……」


更にもう1台車が到着。

それは下田と矢木博士だった。

「ジェットホーク……」

「鷹井君!」

「矢木博士……」

「矢木……久しぶりだな」

「篠田……やはりお前なのか……でも一体何故?お前は死んだはずじゃ?」

「確かに俺も死んだと思ったよ……だが、志半ばで命を落とした俺に力を与えてくれた者がいた……俺の才能を見せつけ復讐する為の力をな!!」

「一体誰が?」

「悪魔……ゼレウス……」

「悪魔?まさか……悪魔なんて本当に?」

「居るのさ……俺も最初は信じられなかったがな……だが、ゼレウスの力で俺は蘇った。この力は間違いなく本物だと確信した!」

「そうか……つまりお前は悪魔に魂を売り渡したんだな……」

「その通り……俺はもう人間ではない!!俺はこの世界に君臨する神となるのだ!!」

「そんな事させない!!」

ジェットホークが反論。

「ああ?」

「神だろうが悪魔だろうが……お前の野望は俺が止める!!」

「だったら止めて見ろ……小僧!!」

ゲルドカイザーはジェットホークを攻撃。

「うわっ!?」

まともに攻撃を喰らいジェットホークは大ダメージを受ける。

ジェットホークは倒れる。

「鷹井君!?」

「フンッ……コレが悪魔の力だ……人間の力ではどうにもならない程圧倒的な力だ!!」

「篠田……お前はもう……本当に……」

矢木博士は悲しそうな表情を見せた。

「何度も言わせるな矢木……俺は人間を超えたんだ……」

「くっ……なら……悪魔の力も……大した事……ないな……」

ジェットホークは必死に立ち上がろうとする。

「何っ?」

「だって……まだ俺を……倒せて無いじゃないか……」

「そうだな……次で殺してやるよ……」

「だったらその前に……お前を倒す!!」

ジェットホークは不屈の闘志で立ち上がった。

「これが……最後の戦いだ!!」

「なら、俺達も混ぜろよ」

「え?」

声のした方を振り向くと仁と氷室が病室を抜け出して来ていた。

「滝川さん?氷室さん?何で?」

「何でって……最後の戦いなのに病室で寝てなんて居られないだろ?」

「僕達は今まで一緒に戦って来た仲間じゃないか。だから最後まで一緒に戦わせてくれよ」

「エッジブレイザーにゼロブレイカーか……面白い、今度こそ纏めてトドメを刺してやる」

仁と氷室がジェットホークを間に挟み並び立つ。

「見てろ!!これが俺達の最後の戦いだ!!」


続く……。

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