第26話「最終章2 ボスの正体」

ゲルドーのボスは遂に全世界を支配下に置く事を宣言し、宣戦布告をしてきた。


東京の街で破壊活動をするボスと決着を着ける為、エッジブレイザーとゼロブレイカーが戦いを挑む。


しかし、ボスの圧倒的な強さの前に2人は追い詰められ、そこに新斗も合流。

だが、ジェットホークになれない新斗が加わった所でピンチには変わりない。

ボスが3人に迫る中、空からジェットホークが現れた。


「アレは……誰なんだ?」

多くの疑問が残る中、ジェットホークはボスに戦いを挑む。

「はっ!」

「フンッ、誰が相手だろうと俺には勝てん!!」

ボスも反撃。

しかし、ジェットホークは必死に喰らいつく。


「くっ……アイツが誰かなんて今はどうでもいい!とにかく俺達も奴を倒すぞ!」

そう言ってエッジブレイザーは立ち上がる。

「ああ、分かってるよ!」

ゼロブレイカーも立ち上がり再び闘志を燃やす。


エッジブレイザーは『エッジショット』でボスを狙う。

だが、ジェットホークがボスと接近戦を行っている為、狙いが定まらない。

「くっ……ジェットホーク!どけ!」

だが、ジェットホークは接近戦を止めない。

「ああもう!邪魔だ!!」

ゼロブレイカーは『ナックルバスター』を装着し接近戦で戦いを挑む。

だが、このジェットホークとは連携が取れず非常に戦い辛い。

「君ね、もう少し周りを見て戦ったらどうだ?」

「悪いが君達と協力しろとは命令されていない」

「は?」

ジェットホークは『ジェットストリームキャノン』を放つ。

「ぐっ……」

だが、ボスには通用しない。

「何っ!?」

「フンッ!」

ボスの反撃がジェットホークを襲う。

「ぐはっ!?」

「そろそろお前達と遊ぶのも飽きて来たなぁ……」

「何っ?遊びだと!?」

「ああ、お前達との戦い等ほんのお遊びさ」

「じゃあ今まで全く本気じゃ無かったって事か?」

ゼロブレイカーが尋ねる。

「ああ……当然だ……そうじゃないとお前達等一瞬だ……」

「なん……だと……」

「最後に見せてやるよ……俺の本気を……」

そう言ってボスは遂にマントを脱ぎ捨て仮面を外した。

仮面の下にはボスの素顔が……。

それは中年の男性だった。

ジェットホークのカメラを通しボスの正体を見た矢木博士は……。

「バ、バカな……アイツは……!?」

「ん?矢木博士、奴を知ってるんですか?」

下田が尋ねる。

「ええ……アイツは……篠田……篠田五郎です……」

篠田五郎……それはかつての矢木博士の研究員仲間だった男だ。

「だが……篠田は30年前に死んでいるはず……一体何故?」


そして、戦いの現場では……。

「見せてやる……俺の強さの秘密を……」

そう言って篠田は左腕の装着のスイッチを押した。

篠田は『変身』

それはゼロブレイカーと良く似た戦士の姿だった。

「ゼロブレイカー?」

「え?僕とそっくり……一体どうゆう……」

「ゼロブレイカー……ジグルがお前に絶対に勝てないと言ったのを覚えているか?」

「……ああ……」

「それは何故か……貴様が俺のプロトタイプだからだ」

「プロトタイプ……そういえばジグルはゼロブレイカーをプロトタイプだと……まさかお前の……」

「そう……そして俺こそお前の完成形……名付けてゼロマキシマム……」

「ゼロ……マキシマム……」

「だが……もうその名も捨てよう……俺はゲルドー首領……それに相応しい名前をな……よし、ゼロマキシマム改め、ゲルドカイザーとでもしよう」

ゼロマキシマム改めゲルドカイザーと名乗った篠田。

だがこれは最悪の始まりに過ぎなかった。


ゲルドカイザーはエネルギーを集め始めた。

「まずい……来るぞ!」

「喰らえ!!」

ゲルドカイザーの必殺技『ゲルド覇王弾』が放たれた。

咄嗟にエッジブレイザーが生身の新斗を庇う。

「ぐわあぁぁぁぁっ!?」

だが、ゲルドカイザーの攻撃を受け大ダメージを受けるヒーロー達……。

「フンッ……終わったな……」

ゲルドカイザーは去って行く。


大ダメージを受け変身が解除された仁と氷室……。

ジェットホークはその場で気を失ったまま倒れている。

「滝川さん……滝川さん!……すみません……俺を庇って……」


その頃、国家安全保障機関では大パニックになっていた。

「急いでジェットホークを回収しろ!!装着員の意識を確認!!」

だが、矢木博士は茫然としていた。

「バカな……一体……何がどうなってるんだ……?何故篠田が……?」


新斗の通報で仁と氷室は救急車で病院に運ばれた。


病院にはヒメノ博士と岩城隊長、それに公安の氷室の上司である三上もやって来た。

「鷹井!」

「隊長……」

「2人の容態は?」

「今は2人共、集中治療室に……まだ何とも……」

「そうか……君が氷室を……ありがとう。君がジェットホークか」

三上は新斗に感謝するが……。

「いえ……今は違います……」

「え?」

「ちょっと……事情がありまして……」

「仁……」

ヒメノ博士も仁を心配している。

「あの……ヒメノ博士……矢木博士は?連絡が取れないんですけど……」

「それは……私にも分からないわ……」

「そうですか……」

「恐らく……矢木博士はジェットホークの開発者として国家安全保障機関に連れて行かれたんだろう……ジェットホークの戦いをサポートする為に……」

「そうか……なるほど……」


その頃、矢木博士は……。

「矢木博士、ジェットホークの装着者が目を覚ましました。ジェットホークは素晴らしい兵器ですね。あれだけの攻撃を受けて装着者が無事だなんて……」

下田がそう言って近付いて来た。

「そうですか……」

「そういえばまだ矢木博士に紹介してませんでしたね、入れ」

「はっ!」

下田が呼ぶと1人の青年が入って来た。

「彼がジェットホークの装着者の幸田です」

「幸田です。ジェットホークのお陰で命拾いしました。ありがとうございます」

「ああ……無事でなによりだよ……しかし……少々無茶し過ぎじゃないかね?」

「はい?」

「少なくともエッジブレイザーやゼロブレイカーと連携は取れて無かった……君は1人で戦っていた。私にはそう見えたよ」

「1人で戦える装備を開発したのはあなたでは?」

「確かに力そのものはな……だが、ジェットホークはエッジブレイザーやゼロブレイカーと共に戦う事で成長して来た……君にはそれが分からなかったようだな……」

「機械が成長なんて……既に完璧じゃないですか」

「完璧な機械等この世にないよ……あくまで人の手が必要だ……」


新斗達は病院から帰る。

「隊長……俺達これからどうすれば?」

新斗が運転しながら尋ねる。

「……すまんな……それは俺にも分からんよ……」

「仁も倒れて氷室も倒れて……戦える人間が1人も居なくなっちゃったわね……」

「ジェットホークは……どうなるんでしょうか?」

「ジェットホークは政府の管理下だ……まぁ、悪い様にはならんだろう……」


今は何も出来ない無力感が新斗を襲っていた。


ゲルドカイザーはアジトで次なる攻撃の準備をしていた。

「ヒーロー共は最早敵ではない……まずは日本を支配下に……となれば狙うは国家の中枢……」


そしてゲルドカイザーは次の攻撃を開始した。

国会議事堂を襲撃し総理を狙う。

「ハハハッ……ひれ伏せ……俺が手始めにこの国を支配してやる……」

応援に駆け付けた警官隊は必死にゲルドカイザーに攻撃するが、ゲルドカイザーの進撃は止まらない。


車で基地に帰ってる途中で騒ぎに気付いた新斗と岩城隊長。

「何だ?まさか……ゲルドーか?」

「隊長、俺行って来ます」

「しかし……今のお前は……」

「確かにジェットホークにはなれません……でも苦しめられてる人々を放ってはおけません!」

新斗は現場に急ぐ。

「待て!鷹井ー!!」

岩城隊長の静止を振り切り新斗は走り去って行く。


ゲルドカイザーの攻撃により警官隊は全滅。

総理の胸ぐらを掴む。

「た……助けてくれ……」

「安心しろ……お前にはまだ仕事をしてもらうから殺しはしない……日本政府はゲルドーの支配下に下ると全世界に向けて発信しろ」

「そ……そんな……」


新斗は国会議事堂の前まで到着。

「まさか……襲われてるのはここか?」

新斗は議事堂の中に入る。

通路にはゲルドカイザーに倒された警察官が横たわっている。

「酷い……本格的に攻撃し始めたな……」

そして奥の部屋で総理がゲルドカイザーに縛られているのを発見。

「アレは……」


「さぁ、準備は整ったぞ……全世界に向けてゲルドーの支配下に下ると宣言しろ!さもなくば国民の命の保障はない……」

「くっ……」

「止めろ!!」

新斗は部屋に突入しゲルドカイザーに掴み掛かる。

「ぐっ……貴様……邪魔だ!!」

ゲルドカイザーは新斗を投げ飛ばす。

「ぐあっ!?」

「貴様……今度こそあの世へ行け!」

ゲルドカイザーが新斗にトドメを刺そうと迫る。


新斗はこのピンチを切り抜ける事が出来るのか?


続く……。

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