最終章
第25話「最終章1 ジェットホーク活動停止」
ジェットホーク達が四天王最後の1人、ジグルを撃ち破り数週間が経過した。
そしていよいよこの日岩城隊長が復帰した。
「岩城隊長、復帰おめでとうございまーす!!」
葵の掛け声で他の隊員達は一斉にクラッカーを鳴らす。
「うをっ!?……ハハッ、ありがとう皆。仕事に戻れない間迷惑を掛けたな」
「いえ、隊長なら必ず帰って来て下さると信じておりました」
そう言うのは本田。
このチームの年長者で隊長不在の間に指揮を取っていたサブリーダー的な存在だ。
「所で隊長。隊長からも説明頂きたいのですが……何故、鷹井がジェットホークなんですか?」
本田の核心を作り質問に新斗は一瞬固まった。
「ああ……そうだな……今まで秘密にしていてすまなかった……皆にもちゃんと話そう」
だが、そこに……。
「それは私も是非お聞かせ願いたいですね」
そう言って突然入って来たのは黒のスーツを着込んだ中年の男性。
「失礼ですが、あなたは?」
岩城隊長が問い掛ける。
「申し遅れました。私は政府より派遣された国家安全保障機関の下田です」
そう言って下田は自身の身分証を提示した。
「国家安全保障機関……そんな方々が何故ウチに?」
岩城隊長はまた問い掛ける。
「単刀直入に申し上げます。ジェットホークの回収及びあなた方による使用権の剥奪に参りました」
「なんですって!?」
鷹井は驚く。
「すみません……意味が分かりませんが……?」
「ジェットホークはあれ程の兵器を備えた代物だ。それを許可無く開発、及び使用に関しては政府の決定により認可されなくなりました」
「ちょっと、待って下さい!今までジェットホークを使って戦って来たのにいきなりそれは……」
新斗が反論するが岩城が静止する。
「まぁ、待て。どういう事ですか?」
「本来ジェットホークの様な装備は政府が管理するべきだ……と決定された訳です。これからは政府の管理下の元、政府が選んだ人間に装備して貰います。ジェットホーク及びその関連装備の引き渡しを要求します」
「そんな!?」
「……分かりました……政府の指示とあらば従わざるをえないでしょう……」
「隊長!?」
「鷹井、J-ウォッチを預けるんだ」
「でも……」
「これは、命令だ」
「……了解……」
新斗はJ-ウォッチを腕から外し下田に渡す。
「確かに……ではこれよりジェットホークは我々の管理下に置きあなた方の使用を禁止します」
下田は出て行く。
そして、矢木博士の研究所からジェットホークの装備が全て押収された。
「そんな……何でいきなりこんな事に!?説明してくれ!?」
「矢木博士、あなたにはジェットホークの開発者として我々に全面的に協力して頂きます」
「えぇ!?」
矢木博士は下田により国家安全保障機関のとある施設に連れて行かれた。
「隊長!何がどうなってるんですか!?」
「俺にも分からん……とにかく上に掛け合ってみるから待て」
そう言って岩城は出て行く。
そして岩城は航空自衛隊幕僚長の元へ。
「一体どういう事ですか!?ジェットホークを剥奪するなんて!!」
岩城はいつになく物凄い剣幕で幕僚長を問い詰める。
「岩城、落ち着け……政府の決定なんだから仕方なかろう……それに……私だって知らなかったぞ……ジェットホークの正体がまさかウチの下っ端パイロットだったとは……説明して欲しいのは私の方だ」
「それは……」
「君は許可なくあの様な兵器を新人のパイロットに使わせゲルドーと戦わせた。本来なら懲戒免職になる所だが、私の計らいでそれを何とか回避してやったんだぞ?」
「しかし……あの状況では鷹井しか……それにゲルドーとの戦いはまだ終わってません!今奴らに何か仕掛けられたら……」
「だからこそ、政府の完璧な管理体制でジェットホークを運用するんだろ」
「私は……鷹井以外に適任者は居ないと思っています……」
「まぁ、それは君の部下に対する信頼だと受け取っておこう……しかし、ジェットホークは政府の管理の元生まれ変わるんだ。もっと有効的にな……」
そしてその頃、四天王を全て失い残されたゲルドーのボスは……。
「四天王も全滅……私が直々に出るしかあるまい……」
そう言ってボスはいよいよ姿を現す。
ボスは手始めにテレビ局を襲撃し、生放送中のワイドショーに乱入。
「うわっ!?ちょっ……あんた何を……ぐわぁぁぁぁっ!?」
生放送中のスタジオにスタッフの叫び声が聞こえる。
それは当然全国のお茶の間にも……。
「きゃっ!?」
そして女性キャスターも悲鳴を上げる。
「な、何だ君は……?」
「フンッ……それは今から教えてやる……今この番組を見ている全国の皆さん……私は秘密結社ゲルドーのボス……まぁもっとももう秘密である必要はないのだが……この場を借りて全国……いや、全世界の人間に宣言する!私はゲルドーの力を持って全世界を支配下に置く!」
それはボスからの宣戦布告だった。
だが、そう宣言するとボスはテレビ局から立ち去って行く。
この生放送はヒメノ博士と仁も見ていた。
「アレがボス……四天王を全て倒した事で直々に出てきたのね……」
そうヒメノ博士が呟くと……。
「これは奴と決着を付けゲルドーを壊滅させるチャンスです。行って来ます」
そう言って仁は出撃。
テレビ局から姿を消したボスはいよいよ本格的に日本への攻撃を開始。
ボス自ら街を襲う。
「ハハハッ……ひれ伏せ人間共……」
そして、仁が現場に到着。
「貴様がゲルドーのボスか!!」
「ん?ああ……お前は滝川仁……エッジブレイザーだな」
「ほぉ……分かっているなら話は早い……今ここで貴様を倒す!」
仁は『変身』
エッジブレイザーが登場しボスに戦いを挑む。
エッジブレイザーは『ライトニングブレード』でボスに斬り掛かる。
だが、ボスはその攻撃を軽くかわし反撃する。
「ぐあっ!?」
「フンッ……エッジブレイザーも大した事ないな……」
そう言ってボスはじわじわとエッジブレイザーに迫る。
だがそこに今度は公安の氷室が到着。
「滝川……アイツがゲルドーのボスか……」
氷室は『変身』
ゼロブレイカーが登場しボスに攻撃を仕掛ける。
「ほぉ……今度はゼロブレイカーか……だが、貴様では俺に勝てない……絶対にな……」
「何っ!?」
ボスはゼロブレイカーにパンチを叩き込む。
「ぐわっ!?」
「大丈夫か?」
エッジブレイザーがゼロブレイカーに駆け寄る。
「ああ……だが、何だ……奴のあの強さは……」
その頃、居ても立っても居られず新斗は現場に向かっていた。
何も出来ないかも知れない。
しかし、仲間が戦っているのを黙って見ている事は出来ない。
そんな思いが新斗を現場に向かわせていた。
ボスの謎の強さの前にエッジブレイザーとゼロブレイカーは大苦戦を強いられていた。
「くっ……僕達の攻撃が……全く通用しない……」
「何故だ?……奴の強さにどんな秘密がある……?」
新斗の車が現場に到着。
「滝川さん……氷室さん……」
新斗は車を降り2人の元へ駆け寄る。
「2人共大丈夫ですか?」
「鷹井……奴は強い……気を付けろ……」
「ジェットホークの力も何処まで通用するか分からない……」
「すみません……僕はもう……ジェットホークにはなれません……」
「何っ?どうゆう事だ!?」
エッジブレイザーが新斗に尋ねる。
「……」
「ごちゃごちゃ言ってないで……そろそろ死んでくれよ……」
ボスが3人に迫る。
だが、そこに空から現れたのはジェットホーク。
空からボスに攻撃を仕掛ける。
レーザー攻撃でボスを狙う。
「ぐっ……何者だ!」
「アレは!」
「バカな……」
ジェットホークが着地しボスの前に立つ。
「ジェットホーク……おい、鷹井、どうゆう事だ?アレは誰なんだ?」
エッジブレイザーが再び新斗に尋ねる。
「俺にも分かりません……」
3人の前に現れたジェットホークは一体何者なのか?
そしてボスの正体とは?
続く……。
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