第24話「大決闘、ジグルとの戦い」

エッジブレイザーはメルドを遂に倒した。

しかし、同時にエッジブレイザーも大ダメージを受け仁は倒れてしまった。


そのまま仁は救急車で運ばれ近くの病院に……。


「仁!しっかりして!仁!」

ヒメノ博士が必死に呼び掛ける。

「後は我々にお任せ下さい」

医師がヒメノ博士を静止し集中治療室に入って行く。

「仁……」

「ヒメノ博士……きっと、大丈夫ですよ」

葵はヒメノ博士を元気付ける。

「ええ……そうね……今はDr.を信じましょう」

「それにしても……皆傷付いていきますね……ゲルドーとの戦いはいつまで続くんでしょう?」

「四天王も後1人……きっともうすぐ終わるわよ」


そしてその最後に残った四天王ジグルも再び動きだそうとしていた。

「まずはゼロブレイカーを亡き者に……」

ジグルは両腕に雷のエネルギーを集め始める。

「はっー!!」

そしてジグルかエネルギーを解き放つと雷鳴が鳴り響き東京中のあちこちに雷が落ち始めた。

ビルは破壊され火災も発生。

突然落ちる雷に人々は大パニック。


そしてジグルの近くに居た氷室……。

「奴め……また大胆な攻撃を……」

氷室は『変身』

ゼロブレイカーがジグルの元へ向かう。

「ジグル!!これ以上好き勝手させないぞ!!」

「よぉ、来たかゼロブレイカー……」

「今ここで決着を着けてやる!!」

ゼロブレイカーはジグルに接近戦で挑む。

「ほぉ……面白い……」

ジグルも正面から応戦。

2人の戦いが始まった。


その頃、東京中に落ちる雷の情報は自衛隊基地にも。

「クソッ!何が起こってるんだ……またゲルドーの仕業か?」

「もう日が暮れるってのに……今日だけでどれだけ暴れるんだよ……」

そこに新斗が入ってくる。

「僕が……行きます……」

「鷹井?おいおい、まだ寝てろよ。動ける状態じゃねぇだろ」

「大丈夫です……それより……アイツを止めなきゃ……」

「止めるっつたってジェットホークはまだ……」

「多分……矢木博士ならもう直してると思います……だから……行って来ます」

「おい、鷹井……無理すんな!」

しかし、新斗は先輩の静止を聞かず出て行く。


ゼロブレイカーとジグルの戦いは続く……。

「おりゃ!!」

ゼロブレイカーのパンチがジグルにヒット。

しかし……

「フンッ……その程度か?」

「何っ!?」

ジグルの反撃。

「ぐあっ!?」

「所詮お前の力じゃ俺に勝てないんだよ……プロトタイプのお前の力じゃな……」

「何っ?プロトタイプ?どういう事だ?」

「何だ?知らなかったのか?ゼロブレイカーのゼロは試作段階の名称……お前は試作品を使わされてるだけなんだよ」

「試作品……だと……」

「ああ……そしてその試作品ももう要らなくなる……だから……消えろ!!」

ジグルがゼロブレイカーに雷撃を落とす。

「ぐわぁぁぁぁっ!?」

ゼロブレイカーはその場に倒れ込む。

「ハハハッ……やっぱり試作品はこの程度か……」

ジグルは去って行く。


ジグルが居なくなった事で東京を襲っていた雷も止んだ。


現場に新斗が到着。

すっかり日は沈み辺りは真っ暗になっていた。

どうやら雷の影響でこの付近で停電が起きたらしい。

街灯や店の明かりさえも点いて居なかった。


新斗は懐中電灯の灯りを頼りに道を進む。

しばらく進むと氷室が倒れているのを発見。

「氷室さん?」

新斗が氷室に駆け寄る。

「氷室さん!氷室さん!」

新斗の呼び掛けに氷室は目を覚ます。

「ん?……鷹井君……?」

「氷室さん……良かった……」

新斗と氷室は街の様子は見て回る。

「酷い有り様ですね……」

「ああ……俺がジグルを止められていればこんな事には……」

「そんな、氷室さんのせいじゃないですよ!」

「いや……俺のせいだ……俺の……ゼロブレイカーの力が及ばなかったばっかりに……」

灯りが消えた真っ暗な街の中では唯一、パトカーや消防車のサイレンの真っ赤な灯りだけが見えていた。

警察が避難誘導をしたり行方不明者の捜索、消防隊員が消火活動や人命救助を行っている中、氷室は自分の無力さを痛感していた。


「なぁ、鷹井君……ゼロブレイカーの開発された経緯を知ってるか?」

「あっ、いえ……前に矢木博士や岩城隊長が調べてた様ですがそれもジグルによって邪魔されて結局分からなかったと聞いてます」

「そうか……ジグルはどうやら何か知っていそうだった」

「え?」

「ゼロブレイカーは何かのプロトタイプらしい。だから俺には勝てないって……」

「プロトタイプ?一体何の?」

「さぁ、それはわからないけど……ジグルがゼロブレイカーに秘密を何か知っている事は確かの様だ……」


その時、叫び声が聞こえて来た。

「誰かー!誰か助けてくれー!!」

「ん?行ってみましょう」

「ああ!」

新斗と氷室は声のする方へ走る。

「大丈夫ですか?」

声の主は初老の男性。

「ああ、お願いします……母が瓦礫に挟まれて身動きが取れないんです救助隊を……」

「レスキュー隊は恐らく手一杯です。我々で何とかしましょう」

「え?」

「大丈夫。僕達は自衛官と警察官です。必ず助けてみせます」

「あ、ありがとうございます……」

新斗と氷室は瓦礫をどかし救出活動を開始。

必死に作業の末、何とか男性の母親を救出出来た。

「近くの病院で見てもらいましょう。車を回して来ます」

そう言って新斗が車に戻って行く。


この時氷室は考えていた。

ゼロブレイカーがプロトタイプだろうと関係ない。

自分の手でこの国の人々を守ると。


新斗が車に戻る途中スマホに電話があった。

「はい?」

「あっ、鷹井君!やっと繋がった」

それは葵からだった。

「柊先輩、無事だったんですか!」

「ええ……滝川さんのお陰でね。で、そっちはどう?」

「こっちは大ピンチです。ジグルのせいで東京中で停電が……」

「そんな……分かった。なるべく早く戻るからもう少し頑張って」

「はい!」

そして、新斗は車に乗り込む。

エンジンを掛けさっきの現場まで車を走らせる。


そのまま先程の親子と氷室を乗せ病院へ急ぐ。

しかし、病院も停電の影響で機能して居ない。


停電が復旧しないまま東京の人々は不安な一夜を過ごした。

夜が明けた頃、新斗と氷室は病院から出てきた。

「これ以上は僕達がここに居ても出来る事はない」

「そうですね。後は僕達が出来る事と言ったら……」

「当然、ジグルを倒す」

「矢木博士ともようやく連絡が取れました。ジェットホークも出撃可能です」

「後はジグルが現れるのを待つだけか……」

「その必要はないぜ」

2人の目の前にジグルが現れた。

「ジグル!?何故ここに?」

「お前達の命を貰う為だ……」

「ならやるしかないな……だが、ここは病院……戦いの場所を移させて貰う」

「フンッ、んな事知るかよ!!」

ジグルの先制攻撃。

「うわっ!?」

「ぐっ……この外道め……」

「仕方ない……戦いながらここから引き離しましょう」

「ああ!」

新斗と氷室は『変身』

ジェットホークとゼロブレイカーが並び立つ。

「フンッ……さぁ、楽しませろよ!!」

ジグルが襲い掛かって来る。

「くっ……ふざけるな!!」

ゼロブレイカーがジグルと戦う。

「フンッ……プロトタイプのお前が勝てるのか?」

「勝つ!必ず……勝ってみせる!!」

ジェットホークもジグルに攻撃を仕掛ける。

しかし、2人で相手をしてもジグルは手強い。

「おりゃあ!!」

「ぐあっ!?」

「ぐはっ!?」

ジグルの雷を帯びたパンチが2人を襲う。

「くっ……病院に被害を出すわけには……だったら!」

ジェットホークは『ブーストフォーム』にチェンジ。

超スピードを活かしてジグルに攻撃を仕掛け病院から引き離す。

30秒の制限時間が来てジェットホークは元の姿に戻る。

「くっ……」

ゼロブレイカーが追って来る。

「やれやれ、置いて行かないでくれよ」

「へへっ、すみません」

ゼロブレイカーは『ゼロスナイパー』を構える。

「喰らえ!」

ゼロスナイパーでジグルを攻撃。

「ぐっ……この……これでも喰らえ!!」

ジグルは雷撃を放って攻撃。

「ぐわぁぁぁっ!?」

「ぐっ……」

ジェットホークは必殺技『ジェットストリームキャノン』を放つ。

「ぐぁぁぁっ!?」

ジグルにダメージを与える。

「貴様ら……そろそろ死ねー!!」

ジグルは雷のエネルギーを集めだす。

「くっ……かなりの大技が来るぞ……」

だが、そこに……。

「はっ!!」

エッジブレイザーが現れジグルの攻撃を妨害。

「ぐっ……貴様!?」

「滝川さん!?もう大丈夫なんですか?」

「ああ……それよりお前の力見せてやれ、一気に決着着けるぞ」

「は、はい!」

ジェットホークは『ブルースカイフォーム』にチェンジ。

空へ飛び立った。

「アイツが戻るまで何とか耐えるぞ」

「……ああ!」

エッジブレイザーとゼロブレイカーはジグルと戦う。


そして、空へ飛び立ったジェットホークは雲を突き抜ける。

ジェットホークはその体に太陽光を集め始める。

「ジグル……これで決着だ!」

ジェットホークはジグルに向かって急降下。

『ブルースカイブレード』に集めた太陽光のエネルギーを移す。

必殺技『ソーラーエクストリーム』が炸裂しジグルを斬り裂く。

「ぐあぁぁぁっ!?」

遂にジグルは倒された。


「やった!」

「ああ……」

「へへっ、やりました!」

3人のヒーロー達は全ての四天王に勝利を収めた。


続く……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る