ジェットホーク

第23話「メルド最後の戦い」

エッジブレイザーはメルドに、ジェットホークはジグルにそれぞれ大苦戦していた。

「ぐっ……」

ジェットホークはジグルの雷撃を受け動けなくなっていた。

「フンッ……ここまでの様だな……」

ジグルがジェットホークにトドメを刺そうと迫る。

まずい……動けない……殺られる……。

新斗の脳裏にそんな言葉が浮かぶ。

だが、そこに……。

何者かがジグルを攻撃。

「ぐはっ！？」

それは氷室だった。

「危ない危ない……何とか間に合った様だね」

「氷室さん……出来ればもう少し早く来て欲しかったかも……」

「まぁ、そう言わないでくれ」

「貴様……ゼロブレイカーか……」

「ああ……ゲルドー四天王の雷帝ジグルだな……この国を守る為……お前を倒す！」

氷室は『変身』

ゼロブレイカー登場。

ゼロブレイカーがジグルに戦いを挑む。

ジグルは先程の攻撃のダメージにより動きが鈍る。

ゼロブレイカーは『ナックルバスター』を装着し接近戦で勝負を仕掛ける。

「ぐっ……貴様……何をした……？」

「フンッ、喰らうのは初めてだったか？それはゲルドー対策用に開発された特殊弾だ。お前達四天王クラスでもダメージを与えられる程強力な弾丸さ」

そう言いながらゼロブレイカーは強烈なパンチを叩き込む。

「ぐあっ！？」

「次でトドメだ！」

「ぐっ……そうは行くか……」

ジグルは撤退した。

「逃げたか……」

「氷室さん……助かりました……」

「ああ……大丈夫か？」

「すみません……動けそうにありません……」

新斗は何とかジェットホークの装着を外し医務室に連れて行かれた。

その頃、エッジブレイザーは……。

メルドの攻撃を喰らいこちらも反撃出来ずにいた。

「さぁ、もう時間が無いですよ？」

葵とヒメノ博士を磔た十字架の爆発が迫る。

「くっ……こうなったら……2人だけでも……」

エッジブレイザーは『ライトニングショット』でメルドに攻撃。

「ぐああああっ！？」

だが、濡れたエッジブレイザーは自らも『ライトニングショット』のダメージを受ける。

仁は変身を解除し2人の下へ走る。

「ぐっ……馬鹿な……自らのダメージを省みず……」

仁はヒメノ博士と葵を救出。

「仁？」

「ヒメノ博士、2人で早く逃げて下さい」

「え？」

メルドが攻撃。

「逃すか！！」

再び水のエネルギーを集め仁に攻撃する。

「ぐあっ！？」

仁は水圧に押し流され倒れる。

「葵、逃げましょう」

「え？でも……」

「ハリーアップ！！」

「は、はい！」

ヒメノと葵は2人でこの場を離れる。

「フンッ、逃がしましたか……まぁいい……コイツされ倒せれば……」

メルドが仁に迫る。

仁は何とか起き上がりメルドから逃げる。

「くっ……」

「おっと……逃がしませんよ？」

メルドが後を追う。

仁はこの村には土地勘があった。

メルドの攻撃を上手くかわしながら村を抜け奥の山の方に入って行く。

「確か……こっちに洞窟があったはず……そこに逃げ込めば……」

仁は微かな記憶を頼りに山道を走り続けた。

その頃、医務室に運ばれた新斗は手当てを受け、仲間の自衛隊員達に囲まれていた。

「しかし……まさかお前がジェットホークだったなんてな……」

隊員の１人が新斗に言う。

「黙っててすみません……隊長に誰にも言うなと口止めされていたもので……」

「そうか……まさかずっと日本の為に戦ってくれてた戦士が後輩だったとはな……」

「ええ……まぁ……」

「それで体の方は大丈夫なのか？」

「えぇ……何とか……」

「まぁ、無理はするな。後は俺達でやっとくからさ」

「すみません……」

そこに医務室のドアをノックして来た。

「はい、どうぞ」

新斗の返事で入って来たのは氷室と矢木博士だった。

「矢木博士を連れて来たぞ」

「やぁ、大変だったな新斗君」

「氷室さん、ありがとうございます……すみません矢木博士、またジェットホークの修理をお願いします」

「ああ、バッチリ直すから待っててくれ。氷室君済まないが運ぶのを手伝ってくれるか？」

「はい。あっ、鷹井君、僕はこのまま戻るけど、何かあったら連絡してくれ」

「ありがとうございます」

矢木博士と氷室はジェットホークのスーツを運び出す。

矢木博士の車に乗せると矢木博士は運転席に乗り込む。

「ありがとう氷室君。助かったよ」

「いえ……じゃあ僕はこれで」

氷室も帰って行く。

「さてと……しっかり直してやるからな」

矢木博士はジェットホークのスーツに手を掛けながら呟く。

その頃ジグルは……。

「クソッ……ジェットホークめ……ゼロブレイカーめ……次こそあの世に送ってやる……」

そしてメルドは……。

「くっ……滝川仁……どこに逃げた？」

仁を見失っていた。

仁は記憶を頼りに洞窟に逃げ込んでいた。

洞窟内では水滴が落ちる音だけが響いていた。

「くっ……なんとか来れたな……子どもの頃の記憶も役に立つもんだ……」

そう呟きながら仁は子どもの頃を思い出していた。

仁は子どもの頃、両親を失いこの村の祖父母の家に預けられていた。

だから子どもの頃はこの村での思い出が沢山あった。

「この村で……奴の好きにはさせない……」

そこへ仁を攻撃が襲う。

「うわっ！？」

「フフフッ……見つけましたよ……こんな所に隠れて居たんですか……」

メルドだった。

「くっ……」

仁は構える。

「さぁ、処刑のお時間です」

その頃、ヒメノ博士と葵は必死に逃げていた。

「やった、電波が戻った！」

「これで連絡が出来るわね」

「はい！」

葵は早速自衛隊基地に電話をする。

「もしもし？柊だけど、鷹井君は？」

電話に出たのは隊員の1人。

「柊か、鷹井は……今動ける状態じゃない……」

「え？何で？」

葵の問い掛けに隊員は事情を説明する。

「そんな……」

「どうしたの？」

ヒメノ博士が尋ねる。

「基地がゲルドーに襲われて鷹井君が戦ったんだけど……ジェットホークは大ダメージを受けて鷹井君も来れる状態じゃないって……」

「そう……」

その時、突如水飛沫空に向かってが上がった。

「何？」

「まさか……メルド？」

そして2人の目の前にエッジブレイザーが落ちて来た。

「ぐあっ！？」

「仁！？」

「くっ……ヒメノ博士……」

そしてメルドが追って来る。

「フフフッ……これは丁度良い……3人纏めて葬ってあげましょう」

エッジブレイザーは何とか立ち上がる。

「くっ……させるか！！」

そしてメルドに再び戦いを挑む。

「どうしよう……鷹井君も来れないし……」

「今は仁を信じましょう」

その頃、矢木博士は研究所に戻りジェットホークの修理を急いでいた。

「頼むぞ……世界を救う為にはお前の力が必要なんだ……」

エッジブレイザーは必死に戦う。

エッジブレイザーは『ライトニングショット』でメルドを攻撃。

「ぐあっ！？」

メルドにダメージを与えた。

だが、エッジブレイザーも同時にダメージを受ける。

「ぐっ……」

「仁……」

メルドが再び反撃。

「ぐあぁぁぁっ！？」

強力な水圧がエッジブレイザーを襲う。

「フフフッ……いつまで耐えられますかね？」

「フンッ……この攻撃を待ってたぜ」

「何っ！？」

エッジブレイザーは武器を『ライトニングエッジ』に持ち替える。

そして、メルドの水を利用し電撃を流し返す。

「ぐわぁぁぁぁっ！？」

電撃が水を逆流し、メルドに大ダメージを与えた。

「ぐっ……だが……俺は負けん！！」

エッジブレイザーは必殺技『ボルテックブレイカー』を発動しメルドを切り裂く。

「ぐあっ！？……ぐぅ……だが……まだ……この程度で……」

「これで最後だ！！」

エッジブレイザーは続けて『ボルテックキャノン』を放つ。

「ぐわぁぁぁぁぁっ！？」

メルドは遂に倒された。

「ぐあぁぁぁっ！？」

しかし、エッジブレイザーも電撃を浴び大ダメージを受ける。

「仁！？」

「ヒメノ博士……すみません……」

エッジブレイザーは変身が解除され仁はその場に倒れ込む。

「仁！！」

ヒメノ博士が仁に駆け寄る。

果たして仁は無事なのか？

続く……。