第20話「ヴォルガの最後とミザルの罠」

ジェットホークは最強のすがた『ブルースカイフォーム』にチェンジした。

「この力で……お前を倒す!!」

新斗はヴォルガに勝利宣言。

「フンッ小賢しい……そんなこけおどしで俺が怯むとでも思ったか?」

ヴォルガは再び火球を作り出す。

「喰らえ!!」

ヴォルガは火球を放つ。

ジェットホークは大剣『ブルースカイブレード』の柄の部分にあるダイヤルを回す。

《レインモード起動します》

電子音声が鳴る。

「はっ!」

ジェットホークが『ブルースカイブレード』を空に掲げると雨雲が発生。

突然雨が降り出しヴォルガの火球を消火する。

「何っ!?奴は……天候を操れるとでも言うのか!?」


「フフッ……いいえ、人間に天候を操る事なんて出来ないわ。それは神のみぞ許させる事……ジェットホークはただ、科学の力で雨を再現してるだけに過ぎない……」

ヒメノ博士は呟く。

「しかし……それを可能にしてしまうヒメノ博士はやはり……」

「そうっ!私はジーニアス、天才なの」


雨に打たれヴォルガの力が弱まる。

「ぐぅ……馬鹿な……力が……抜けて行く……」

「ヴォルガ!!これで終わりだ!!お前のせいで罪もない多くの人々が苦しめられた。その報いを受けろ!!」

ジェットホークは必殺技を発動。

ジェットホークは上空へ急上昇。

雨雲を抜け青空が広がる大空へ……。

「行くぞ!!」

ジェットホークは『ブルースカイブレード』を構え、エネルギーを集め出す。

『ブルースカイブレード』は太陽光のエネルギーをその刀身に集める事が出来た。

必殺技『ジェットストライカー』が発動。

ジェットホークは急降下しそのままヴォルガを切り裂く。

「ぐわっ!?」

「終わりだ……ヴォルガ」

「ば……馬鹿な……この俺が……俺があぁぁぁぁっ!?」

ヴォルガは大爆発。

遂に倒された。


「フッ……やったな……」

氷室が呟く。


「ヴォルガめ……死んだか」

ジグルが呟く。

「奴の力は侮れん……次は俺が行く!!」

ミザルは次の出撃を宣言する。


氷室は村上の手によって病院へ搬送された。

後から新斗も合流した。

「村上さん……氷室さんの容態は?」

「全身大火傷の重傷だ……ゼロブレイカーに変身していたから助かったが、生身では死んでいただろうな……」

「そうですか……」

「聞いたぞ、滝川って言ったか?エッジブレイザーも戦える状態では無いらしいな……」

「ええ……」

「つまり、今ゲルドーの脅威からこの国を守れるのはお前だけって事だ……公安もお前に協力するだろう。お前の力が必要になった時は頼むぞ」

そう言って村上は新斗の肩をポンっと軽く叩いた。

そして去って行く。

「あの……何処に行くんですか?」

「まだ仕事が残ってるんでな……」

「そんな……氷室さんが大変なのに……」

「俺達の仕事は国の治安を守る事だ。仲間の心配じゃない……」

村上は去って行く。


「そんな……」

病院を出た村上は車に乗り込む。

「氷室……死ぬなよ……」

村上は車を発車させ、病院から去って行く。


新斗も矢木博士の研究所に戻った。

「やぁ、鷹井君、上手く行った様だね」

「ええ、お陰様でヴォルガを倒す事が出来ました。矢木博士、ヒメノ博士、ありがとうございます」

「これも全てヒメノ博士のお陰です」

「ノープロブレムよ」

「あっ、そう言えばさっき病院から連絡があってな。滝川君が目を覚ましたらしい」

「本当ですか!?良かった〜……で、隊長は?」

「まだの様だ……」

「そうですか……」

「まぁ、岩城隊長もきっと大丈夫さ。さぁ、今日は疲れただろう。3日間ロクに寝て無いからな。君達も帰ってゆっくり休むといい」

「そうね……鷹井君帰りましょう」

「はい」

新斗と葵は基地に戻る。


その頃ゲルドーのアジトでは……。

「ヴォルガが死んで四天王も3人になってしまったか……いよいよ奴らを抹殺しなければならないな……」

ボスがモニター越しに残りの四天王3人に話し掛ける。

「ヴォルガの敵討ちって訳ですか。面白い」

メルドがそう言うと……。

「だが、ジェットホークは新たな力を得ている。それでヴォルガもやられたのだ。何か策はあるのか?」

ジグルが尋ねる。

「ならば俺に……奴らを罠にハメてやる……」

ミザルが名乗り出る。

「罠?どうする気だ?」

「まぁ、見ていろ……」

そう言ってミザルは去って行く。


翌日ーー


葵は戦闘機に乗りパトロールをしていた。

そこに突如突風が襲い戦闘機のバランスを崩す。

「きゃっ!?」

戦闘機の高度がどんどんと下がりこのままでは墜落してしまう。

「くっ……まずい……」

そして高度の下がる戦闘機をミザルが襲撃。


葵が乗った戦闘機に異常が起こった事は基地でも直ぐに察知した。

「まずい……柊機に何かあったみたいだ……」

「直ぐに救助に行くぞ!!」

隊員達が慌てて救助に向かう準備をしていると一本の電話が入った。

新斗が電話に出る

「はい……」

「柊葵を預かっている……返して欲しければジェットホークを今から指定する場所に来させろ……」

そう言って電話を切ると今度は直ぐにメールが送られて来た。

「野郎……ジェットホークを来させろだと?」

「でも一体どうすれば?ジェットホークの居場所なんて……」

他の隊員達は困惑していた。

新斗はそっと部屋を出て行く。

そして仁に電話を掛ける。

「もしもし?滝川さん……力を貸して下さい」

それに答える仁。

「……分った。ミザルとは俺も決着を着けたいと思っていた所だ」

仁も病室を抜け出し戦いに向かう。


ミザルが指定した決戦の地は関東近郊にある採石場。

ここなら心置きなく戦える。


新斗と仁が到着。

「ここか……」

「フンッ……来たなジェットホーク……そしてエッジブレイザー……」

「ミザル……随分手の込んだ事をした様だな……」

「ああ……これはヴォルガの敵討ちだからな……お前達には確実に死んで貰うぞ……やれ!!」

ミザルの指示で隠れていたゲルドーの工作員が現れ2人の変身アイテム『J-ウォッチ』と『エッジブレス』を粘着剤でコーティングした。

「何っ!?」

「これじゃあ……変身出来ない!?」

変身出来なくなった2人にミザルが襲い掛かる。

「うわっ!?」

「ぐあっ!?」

「フフフッ……変身出来なければ貴様らはただの人間……倒す事など赤子の手を捻る様なもんだ」

「くっ……卑怯だぞ!!」

新斗が怒鳴る。

「フンッ、使い古された言い方だな……なら俺も使い古された言い方で……悪党にとって卑怯は褒め言葉なんだよ!!」

ミザルは新斗に蹴りを入れる。

「ぐあっ!?」

「くっ……」

仁は起き上がり『ライトニングチェイサー』の方に走る。

「させるか!!」

ミザルは突風で仁を吹き飛ばす。

「うわっ!?」

「どうせあのライフルを使う気だったんだろ?だが残念……そんな物は見え見えなんだよ!!」

ミザルは更に突風で仁を吹き飛ばす。

仁は岩壁に叩き付けられる。

「ぐあっ!?」

「この野郎!!」

新斗がミザルに殴り掛かる。

「フンッ……だから言っただろ?ただの人間が……俺に勝てるかよ!!」

ミザルは新斗も突風で吹き飛ばす。

「うわぁぁぁっ!?」

新斗も岩壁に叩き付けられダメージを受ける。


そこに一台の車が到着。


「二人共乗って!!」

それは村上だった。

「村上さん……」

村上はミザルに向けライフルを撃つ。

「ぐあっ!?……おのれ公安め……またあの弾丸か……」

「今の内だ!早く!!」

「滝川さん!」

「ああ……」

新斗と仁は急いで村上の車に乗り込む。

村上は更にもう一発ライフルを撃つ。

「ぐあっ!?」

ミザルは確実にダメージを受けている……。

「よし、今の内だ……」

村上も車に乗り込み発車させる。


「ぐっ……おのれ……」

「村上さん……どうして?」

「氷室が戦えない以上俺に出来る事はこれぐらいしかない……でもゲルドーと戦う者同士何か力になりたいんだ」

「ありがとうございます……」

「このまま矢木博士の所に君達を送るよ。君達の変身の邪魔をしているその粘着剤の分析をしないとね……」

「ええ……」


「ぐっ……クソッ……どいつもこいつも邪魔を……」


ミザルの罠にハマり変身が出来なくなってしまった新斗と仁……。

このままでは葵を救出出来ず奴らにやられてしまう。

果たして新斗達に打開策はあるのか?


続く……。

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