四天王決戦
第19話「最強の翼」
ジェットホークとゼロブレイカーが炎帝ヴォルガと、エッジブレイザーが雷帝ジグルと戦う。
しかし、ジェットホークとゼロブレイカーはヴォルガを相手に苦戦する。
「くっ……2対1で戦ってるのに何て強さだ……」
ゼロブレイカーが呟く。
「このままじゃまずいですね……そうだ!公安がミザルを追い払ったっていう弾丸は?」
「そうか、ゼロブレイカーにも装備されてる。使ってみよう!村上!」
「ああ、今準備する」
村上はそう言うと車の後部座席に積んでいたアタッシュケースを取る。
アタッシュケースを開けるとそこには数本の弾丸が……。
「使え!!」
その内の一本を取り出しゼロブレイカーに投げる。
「サンキュー!」
ゼロブレイカーはその弾丸を『ゼロスナイパー』に装填する。
「ん?」
「ジェットホーク、離れて!」
「了解!」
ジェットホークは一度空へ避難。
「喰らえ!!」
ゼロブレイカーは『ゼロスナイパー』からその弾丸を撃つ。
「ぐあっ!?」
「今だ!」
「了解!!」
ジェットホークが『ブーストフォーム』にチェンジ。
空中から怒濤のスピード攻撃でヴォルガにダメージを与える。
「くっ……まともに喰らうとまずい……」
ヴォルガは姿を消した。
「あっ……」
「逃げられましたね……」
30秒の制限時間が来てジェットホークは元の姿に戻る。
そして、ジグルと戦うエッジブレイザーは……。
ジグルの圧倒的な強さに苦戦していた。
「ぐあっ!?」
ジグルの電撃を受けダメージを受けるエッジブレイザー……。
「フンッ……ここまでの様だな……」
ジグルがじわじわと歩み寄る。
「くっ……ダメだ……スーツが電撃を受け思う様に機能しない……」
「死ねー!!」
ジグルは電撃を帯びたパンチでエッジブレイザーを殴り飛ばす。
「ぐわぁぁぁぁっ!?」
エッジブレイザーは大ダメージ……。
変身が解除され、仁は倒れ込む。
「フンッ……これで残るは……」
だが、ジグルが見ると矢木博士は姿を消していた。
「チッ、1人だけ逃げやがったか……」
ジグルは去って行った。
物陰に隠れていた矢木博士。
「まずい……救急車……救急車……」
矢木博士は急いで3人を搬送する為に救急車を呼んだ。
岩城が重傷を負った事は航空自衛隊基地にも連絡が行った。
「岩城隊長が!?」
「ええ、そうみたいなの。これから病院に向かうから鷹井君も来て」
「分かりました。場所は?……」
葵からの連絡を受け新斗も病院へ急ぐ。
病院へ搬送された3人の容態だが、直接電撃を喰らった岩城隊長は意識不明の重体。
ヒメノ博士は軽い怪我はしていたが意識はあり、大事には至らなかった。
仁はエッジブレイザーのスーツのお陰で大きな怪我はして居なかった。
それでも体の痙攣は酷くしばらく動けない状態だった。
鷹井が病院へ到着する。
「柊先輩!」
待合室に居た葵に声を掛ける新斗。
「あっ、鷹井君……」
「隊長達の様子は?」
「ヒメノ博士は意識ははっきりしてて大丈夫なんだけど、隊長と滝川さんはかなりの重傷みたいで……」
「矢木博士は?」
「今、ちょっと席を外してる。電話してくるって」
「そうですか……」
そこへ矢木博士が戻って来た。
「やぁ、鷹井君」
「矢木博士!一体何があったんですか?」
「四天王最後の1人、ジグルが動き出したんだ……奴は雷の力を持つ四天王でかなりの強敵だった……」
「四天王……最後の1人……今まで動きを見せなかったやつが何で今になって……」
「それは……ボスの命令の様なんだが……今大阪の若田さんに電話をしてね、何か情報を掴んでないか聞いてみたんだが……」
「何かわかりましたか?」
「いや、特に何も……」
「そうですか……」
そこに手当てを終えたヒメノが処置室から出てきた。
「ヒメノ博士!」
「大丈夫ですか?」
新斗と葵が駆け寄る。
「ノープロブレム!問題無いわ。それより矢木、あなたの研究所に戻るわよ?」
「へ?何で?」
「いいから!ハリーアップ!!」
「はい!!」
新斗と葵は顔を見合わせる。
「あなた達もよ!」
「え?」
「私達も?」
「そう!あなた達の手伝いが必要なの」
「はい!」
「分かりました……」
ヒメノ博士に急かされ新斗達は矢木博士の研究所に戻る。
「ヒメノ博士……何を?」
「まずはコレを見て頂戴」
そう言ってヒメノ博士はノートパソコンを開く。
ヒメノ博士がパスワードを入力するとそこに映って居たのは……。
「これは……ジェットホーク?」
「YES」
「何でヒメノ博士のパソコンにジェットホークの設計図が?」
そう、ヒメノ博士のパソコンの画面にはジェットホークの設計図が映し出されていた。
「これは私が考えたジェットホークの強化プランよ。四天王やボスとも戦える様にね」
「す、凄い……私のジェットホークをここまで……」
「勿論これを完成させるにはジェットホークの開発者の矢木博士、そして装着者の新斗の協力が必要だわ。手伝って貰うわよ?」
「ええ、それは勿論……」
「俺も協力します」
「あの……私は?」
葵が尋ねる。
「あなたは私達が開発に集中出来る様に身の回りのサポートをお願い」
「は…はぁ……」
早速ヒメノ博士の設計図を基に矢木博士とヒメノ博士はジェットホークの強化に取り掛かった。
新斗はジェットホークのデータを取る為に脱着を繰り返す。
「はぁ……これじゃあ着せ替え人形だぜ……」
「文句言わないの!こっちだって大変なんだから」
そう言いながら葵はおにぎりを握る。
この作業は三日三晩続いた。
4人は既に疲労困憊だった。
「あ〜……だるぅ〜……」
「でも、何とか形になって来たな。流石ヒメノ博士……」
「当然よ……私はジーニアス……天才だって言ったでしょ?」
「皆さん、食事の用意出来たので休憩を取って下さい……」
葵は3人の身の回りの世話をして疲れ果てていた。
その頃ゲルドーアジトでは……。
「クソッ!!公安の犬め……ジェットホークめ……」
ヴォルガはゼロブレイカーとジェットホークに恨みを抱えていた。
「傷は癒えたか?」
ボスが声を掛ける。
「ボス!いや、あいつらを叩き潰すまで傷が癒える事はねぇ!奴らと決着を着けて来るぜ!!」
ヴォルガは出て行った。
東京の街に現れたヴォルガ……。
「ここがこの国の中心か……ここを襲えば国の機能は麻痺する……」
ヴォルガが現れたのは霞が関にある国会議事堂。
「喰らえ!!」
ヴォルガが国会議事堂を襲撃。
首相や議員達を襲い始めた。
ヴォルガが国会議事堂を襲撃した事件は公安に直ぐに連絡が入った。
「くっ……奴らめ随分大きな手に出たな……」
氷室が顎に手を置きながら呟く。
「ああ、この所奴らの動きが大胆になって来てる。恐らく四天王との決着も近いな」
村上もそう呟く。
「よし、行こう!」
「ああ」
氷室と村上が出動。
そして、新斗も現場に向かっていた。
矢木博士とヒメノはジェットホークのパワーアップの最終調整を急ぐ。
「オラよっ!!」
ヴォルガに議員の1人が投げ飛ばされる。
「うわっ!?」
「この国を乗っ取るなら最初っからこうすれば良かったぜ……」
「くっ……なんて凶悪な……」
総理が呟く。
「総理、こちらに避難を……」
「ああ……」
「フンッ、国の頭が逃げ出しちゃこの国も終わりだな」
「随分好き勝手な事言うじゃないか……」
氷室が到着。
「ん?お前は……ゼロブレイカーか」
「ヴォルガ……この国で……お前達の好きにはさせない!!」
氷室は『変身』
ゼロブレイカーが登場し両手に接近戦用のグローブ『ナックルバスター』を装着しヴォルガに戦いを挑む。
「はっ!!」
ゼロブレイカーの拳がヴォルガにヒット。
「ぐっ……俺に接近戦を挑むか……面白い!!」
ヴォルガも負けじとパワーで反撃。
「ぐわあっ!?」
ゼロブレイカーを投げ飛ばす。
ゼロブレイカーは壁に叩きつけられダメージを受ける。
「ぐっ……」
「死ねー!!」
ヴォルガは炎のエネルギーを集約し火球を作る。
「まずい……こんな所で撃たれたら……」
ゼロブレイカーは窓から外に脱出を図る。
「オラよ!!」
ヴォルガの火球がゼロブレイカー目掛けて放たれる。
ゼロブレイカーの背後で爆発しゼロブレイカーは炎に包まれる。
「うわぁぁぁぁぁっ!?」
窓を破り何とか国会議事堂内からは脱出するもゼロブレイカーは炎に包まれ火だるまだ。
「フンッ、そのまま焼き尽くしてやるぜ!!」
ヴォルガもゼロブレイカーを追って外へ。
「うわぁぁぁっ……ぐわぁぁぁっ!?」
ゼロブレイカーは地面を転がり何とか炎を消そうとするが、炎は全く消えない。
そこへ新斗が到着。
「氷室さん……」
新斗は咄嗟に近くにあった消火器でゼロブレイカーの炎を消す。
「あぁ……ぐあっ……」
ゼロブレイカーは変身を解除。
しかし、氷室は大火傷を負っていた。
「氷室さん、大丈夫ですか?」
「ああ……何とか……」
「ジェットホーク……次はお前か……」
「ヴォルガ……許さない……お前を……お前達を……絶対に許さない!!」
そこに矢木博士から連絡が。
「鷹井君、ジェットホークの強化完了だ!試して見てくれ!」
「……ヴォルガ!!今日ここで……お前と決着を着ける!!」
新斗はジェットホークを『装着』
そして新たな武器、大剣『ブルースカイブレード』を取り出す。
するとジェットホークは最強の姿『ブルースカイフォーム』にチェンジ。
青空の様な青いボディーに変化したジェットホークの最強形態だ。
「この力で……お前を倒す!!」
続く……。
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