第18話「ゼロブレイカー誕生の謎」

新斗は悩んでいた。

「はぁ……」

そこに岩城隊長がやって来る。

「どうした?ため息なんかついて」

「ああ、隊長……滝川さんと氷室さんって何とか仲良くなれないんでしょうか?」

「ああ……あの2人は立場も違うしなぁ……氷室君は公安警察だけあってこの国を守るってプライドが高そうだもんなぁ」

「せっかくゲルドーと一緒に戦う仲間なのに……何で……」

「FBIと公安……立場は違うが同じ平和を願う者同士協力は出来るはずなんだがな……」


その頃仁は……。

「仁、どうだった?ライトニングショット·スナイパーモードの使い心地は?」

「ええ、中々良かったですよ。ミザルにもダメージを与えられたようですし」

「そう。なら上々って所ね」

そう言いながらヒメノ博士は荷物を纏める。

「どこか行くんですか?」

「ええ、ちょっと矢木博士の所に……相談があるんですって。行って来るわ」

そう言ってヒメノ博士は部屋を出て行く。


その頃、新斗と葵は戦闘機の飛行訓練をしていた。

「鷹井君、操縦技術上がったんじゃない?」

「そうですかね?別に実感は無いですけど……」

2人は無線でやり取りをする。

「二人共、そろそろ戻って来い」

岩城隊長から連絡が入る。

「ラジャー」

「ラジャー」

2人は返事をし基地に戻って行く。


「さてと……私はそろそろ出るから後を頼むぞ」

そう言って岩城隊長は何処かに出掛けて行く。

「はい、行ってらっしゃい」


岩城隊長は車で出掛けて行く。


その頃、矢木博士とヒメノ博士も合流していた。

「やぁ、ヒメノ博士。すみませんね、手伝って貰って」

「ノープロブレムよ。でもどうしたの?私にも手伝って欲しいなんて」

「少し調べ物をしたくてね」

そこに岩城隊長の車が到着。

「お待たせしました」

岩城隊長は矢木博士、ヒメノ博士と合流していた。

「岩城隊長、私の方こそ忙しい所すみません」

「じゃあ行きましょうか」

「ただのドライブって訳じゃ無さそうね」

3人は車に乗り出発。


3人がやって来たのは多くの科学者達が登録されている日本科学者協会。

「ここでゼロブレイカーを開発した科学者を調べるんです。公安は謎が多いからそう簡単には調べられないかも知れませんが……岩城隊長なら立場的に調べる許可が降りるはずです」

「なるほど……国家の安全に関わる職務者なら捜査協力と言う形で調べられる訳ですね」

3人はゼロブレイカーとその開発者について調べ始める。

「あんな装備を開発出来る科学者なんてそうは居ないはずだ……」

矢木博士は片っ端から登録されてる科学者の閲覧を始める。

「ここなら武器や兵器に関する科学者も調べられるから見つけやすいって事ですね」

岩城隊長もヒメノ博士も手伝い手分けをして資料を探す。


その頃、ゲルドーのアジトでは……。

「ぐっ……おのれ……エッジブレイザーめ……」

ミザルはエッジブレイザーへの憎しみを更に募らせる。

「おいおいミザル。随分とダメージを受けたらしいな」

ヴォルガが声を掛ける。

「ああ……クソッ、エッジブレイザーめ……」

「まぁ、傷が癒えるまでは大人しくしとけよ。今度は俺が行くからよ」

そう言ってヴォルガは意気揚々と出て行く。


新斗と葵は基地に戻り昼食を取る。

「ねぇ、そういえば大阪の時の花田さんから連絡あったわよ」

「そうなんですか?何て?」

「また今度大阪に遊びに来て下さい。美味いお好み焼き屋紹介します……って」

「へぇ〜、花田さんも元気にしてるみたいですね」

そこに緊急連絡が入った。

基地内にアナウンスが鳴り響く。

《各基地局に通達、東京新橋にてゲルドーと思われる怪人が無差別に暴れているとの通報あり、各自出動に備えよ。繰り返す……》

「ゲルドー……俺、行って来ます!!」

新斗は飛び出して行く。

「気を付けてよー!」

走り去る新斗に声を掛ける葵。


新橋の街ではヴォルガが暴れ道行く会社員達を襲っていた。

「うりゃあ!!」

ヴォルガに襲われる中年の男性。

「た……助けてくれ〜……」


そこへジェットホークが空から現れ男性を救出。

「大丈夫ですか?」

「へ?あ、ああ……」

ジェットホークは少し離れた所に男性を降ろす。

「さぁ、早く逃げて」

「あ、ありがとう……」

中年の男性を避難させる。

「来たか、ジェットホーク……今日こそ貴様をぶっ殺してやるぜ!!」

「ヴォルガ……これ以上罪のない人々を傷付けるな!!」

ジェットホークはヴォルガと戦闘を開始。


その頃、科学者協会で調べ物をしていた岩城隊長達は……。

「あっ、見つけた……」

矢木博士が呟く。

「何かあったんですか?」

岩城隊長が尋ねる。

「ああ、関係ないかも知れないが古い友人をね……」

「篠田……五郎……ですか……」

「ああ、昔の研究員時代の友人なんだ」

「でもここの資料って……」

ヒメノ博士が呟く。

「ああ、既に亡くなった科学者達だ……」

そう言いながら矢木博士は篠田の資料を閉じようとする。

しかし、そこに気になる物を見つけてしまった。

「ん?……コレは……」

「どうしました?」

それはゼロブレイカーと良く似た姿をした強化スーツの設計図だった。

「コレって……ゼロブレイカー……今の姿と少し違うが……これが初期段階の設計図だとしたら……」

「もし本当なら篠田は約30年も前からゼロブレイカーの開発を企てていた事になる……」

「そんな事が……」

「篠田は天才だった……可能かも知れない……」

「なら今のゼロブレイカーは……篠田博士が残したこの資料を基に……もっと詳しく調べてみましょう!!」

そう言って岩城達が再び探し始めようとした所に……。

「そこまでだ」

誰かが声を掛けて来た。

「誰だ!?」

岩城達が振り向くとそこに居たのは……。

ゲルドー四天王の1人、雷帝ジグルだった。

「お前は……何者だ!?」

「俺はゲルドー四天王の1人、雷帝ジグルだ。悪いがお前達にこれ以上知られる訳には行かなくてな……ボスのご命令だ。消えて貰うぞ!!」

ジグルは電撃を帯びたパンチで岩城達を攻撃。

「うわぁぁぁぁっ!?」

科学者協会はジグルの攻撃の影響により全体で停電を起こす。

建物内は真っ暗になり協会の職員達は慌て出す。

「くっ……なんて……威力だ……まともに喰らったら命の保証はないぞ……」

岩城隊長は何とか立ち上がり矢木博士とヒメノ博士を避難させようとする。

「さぁ、博士達はここから避難して下さい。奴は何とか私が食止めてみます」

「しかし……無茶だ……」

「ここで全滅するよりはマシです。さぁ、早く」

「岩城隊長……すまん……」

「直ぐにジンに来て貰うわ」

矢木博士とヒメノ博士は避難する。

「逃がすか!!」

「待て!!」

「あん?」

「お前の相手は俺だ……博士達には指一本触れさせんぞ!!」

岩城隊長はジグルに掴み掛かる。

「フンッ、生身で俺に戦いを挑むとは愚かな……フンッ!!」

「ぐわぁぁぁぁぁっ!?」

ジグルは岩城隊長に電撃を浴びせる。

岩城隊長は倒れ込む。

全身が痙攣を起こし全く動けなくなってしまった。

ジグルは矢木とヒメノを追う。

「ヒメノ博士、早く……」

「待って……今ジンを呼んでるから……」


その頃、ジェットホークはヴォルガと激しい戦闘を繰り広げていた。

そこへ、公安の氷室と村上が到着。

「また四天王か……厄介だな……」

「氷室、気を付けろよ」

「ああ……」

氷室は車を降りて『変身』

ゼロブレイカーが登場。

ゼロブレイカーがヴォルガに戦いを挑む。

「氷室さん……」

「やぁ、手伝うよ」

「助かります!」

「フンッ、2対1か、ピンチの方が燃える質だが、まだピンチって程じゃねぇな」

「舐めるな!!」

ゼロブレイカーとジェットホークは同時にヴォルガに攻撃。


ヒメノ博士に呼ばれた仁が科学者協会に到着。

中に入ると停電で真っ暗だった。

「何だ……何が起きた……?」

辺りを探索していると、倒れている岩城隊長を発見した。

「!大丈夫か!?」

仁は急いで岩城に駆け寄る。

「あ…あっ……」

岩城は矢木とヒメノが危ない事を伝えたいが、痺れて呂律が回らず上手く伝わらない。

「何だ?何が言いたい?」


そこにヒメノ博士の悲鳴が聞こえる。

「!ヒメノ博士……」

仁は直ぐに外に向かう。

仁が外に出るとヒメノ博士は倒れ矢木博士もジグルに首を締められていた。

「やめろ!!」

仁は『変身』

エッジブレイザーがジグルに挑み掛かる。

そして何とか矢木博士を解放する事が出来た。

「ハァ……ハァ……た、助かった……」

矢木博士はそこで気を失い倒れる。

「おい!しっかりしろ!!」

「くっ……邪魔だ!!」


ジェットホーク、ゼロブレイカー、エッジブレイザーがそれぞれ四天王を相手に戦う。

だが、彼らは四天王に勝てるのか?


続く……。

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