第17話「3人のヒーロー」
ゼロブレイカーの登場でヴォルガを撤退に追い込んだが、エッジブレイザーとミザルの戦いはまだ続いていた。
エッジブレイザーはミザルの突風攻撃をかわす為、物陰に隠れる。
「クソっ……これでも喰らえ!」
エッジブレイザーは『ライトニングショット』でミザルを撃つ。
「ぐっ……姑息な真似を……」
だが、そこにボスから連絡が……。
「ミザル、戻れ」
「え?ボス!?何故です!?」
「事情が変わった。いいから戻れ」
「はいはい。ボスのご命令とあらば……」
ミザルは姿を消した。
「何だ?急に帰って行ったぞ……」
エッジブレイザーは変身を解除し、仁が『ライトニングチェイサー』に戻る。
そして、新斗との合流に急ぐ。
その頃、新斗と氷室は……。
「改めて公安の氷室です」
「同じく村上です」
「公安警察……まさか、あなた達もゲルドーと戦う為に?でも……その力は一体……」
「まぁ、困惑するのも無理ありませんね、我々も秘密裏に動いてましたから」
そこに仁が到着。
「鷹井、大丈夫か?」
「あっ、滝川さん……」
「ん?その人は?」
「あっ……ええっと……」
「どうも、あなたがFBIの滝川さんですね?僕はただの公務員ですよ」
「!……何故……俺がFBIだと……?」
「僕はこの国を守る立場の人間でね……この国の脅威となり得る存在の調査をしているのさ……そしたら君の事も分かって来た。この国でコソコソ動き回っている様だが……日本警察の邪魔をしない様にね……」
「まさか……そこまで知られているとはな……だが俺にも俺の仕事がある。この国に迷惑を掛けるつもりは無いが……」
「まぁ、いい。この際だから言っておくよ。この国で勝手な事をするな。ゲルドーを倒すのは僕だ」
そう言って氷室は車に戻って行った。
「滝川さん、ごめん……まさかあんな事を言うなんて……」
「鷹井……お前が気にする事じゃない。奴からみたら俺は他所者だろうしな……」
「ところで滝川さん遅かったね」
「ああ、途中でミザルに戦いを挑まれてな」
「そう……だったんだ……大丈夫?」
「ああ、どうやら奴はボスに呼び戻されたらしくてな。戦いの途中で姿を消したよ」
「そう……」
新斗と仁も解散する事に。
新斗は休暇に戻り晴人と再び合流した。
その頃、岩城隊長も航空自衛隊基地に戻っていた。
ゼロブレイカーについては矢木博士にも相談しようと考えていた。
そこに……。
「隊長、アイスコーヒーでもいかがですか?」
葵が声を掛けて来た。
「!……ああ、ありがとう」
「何を考えてたんですか?」
「ああ、ゼロブレイカーについてな……一体誰が作ったのかと思ってな」
「そうですね……公安の装備なんですよね?開発者は分からないんですか?」
「ああ、今の所な……」
その夜、新斗は晴人とも解散し宿舎に戻って来た。
「あ〜……疲れた……」
そう呟きながら部屋の鍵を開ける。
ドアを開け部屋の中に入る。
その時、新斗のスマホがなった。
画面には『岩城隊長』の名が出ていた。
「隊長……?はい?」
「おおー!鷹井!良かった繋がったか……」
「どうしたんです?」
「ああ、明日な、悪いが矢木博士の所に行ってくれないか?
「分かりました……」
「じゃあ頼んだぞ」
そう言い終わると岩城は電話を切る。
-翌日-
早速新斗は車で矢木博士の研究所に向かう。
玄関のチャイムを鳴らす新斗。
「ほいほい」
すると直ぐに矢木博士は出てきた。
「どうも」
「やぁ、鷹井君。岩城隊長から話は聞いてるよ。さぁ、入って。まずはお茶でも入れるから」
そう言って新斗を招き入れるといつもの様にお茶を淹れにキッチンに行く矢木博士。
「お構いなく……」
「まぁまぁそう言わずに、昨日美味しいと評判の羊羹を買って来たんだ。だから今日は緑茶にするよ」
「はぁ……」
矢木博士はいつもの調子だ。
しばらく待っていると矢木博士は羊羹と緑茶を淹れて来た。
「さぁさぁ、まずは糖分補給だ」
「ありがとうございます」
矢木博士の淹れてくれた緑茶は氷が入っておりキンキンに冷えていた。
「あ〜……冷たい緑茶も美味いっすね〜」
「だろ?これだけ暑いから冷たい方が良いと思ってね。やっぱり羊羹には緑茶だよ」
と得意気にいいながら矢木博士も羊羹を食べる。
「それで、本題なんですけど……」
「ああ、公安警察が使っていたと言う新装備の件だろ?技術的には滝川君のエッジブレイザーに近いと思うが……一体誰が作ったのかまだ見当が付かんよ……」
「そうですか……矢木博士の知り合いにそういう装備を作れる人が居ないかと思って来たんですが……」
「いや、居ないな……もう……ね……」
「もう?」
「昔はね、私と競う様に技術力を磨いていた親友でありライバルの様な科学者が居たんだが……」
「その人は今は?」
「死んだよ……」
「!?……すみません……余計な事を聞きました……」
「いや、良いんだよ。まだ若い頃だから何十年も前の話だ。あいつが生きてたらジェットホークの開発も手伝って貰ってたかも知れないな……」
新斗は矢木博士の話に耳を傾ける。
矢木博士は昔を思い出しながら話を続けた。
今から約30年前、まだ二十代の若い研究者だった矢木博士は同じ大学の研究室で出会った篠田と言う男と親しくなった。
共に科学技術を学び、研究し、お互いを高め合うライバルだった。
しかし、篠田は実験中の事故で死亡。
帰らぬ人となってしまった。
「矢木博士にそんな過去があったんですね……」
「ああ、すまんな。話がそれてしまった……しかし……ゼロブレイカーだったか?アレを作れる様な科学者は私の知り合いには居ないし……分からない事だらけだな……」
「ええ……まぁ、僕としては一緒に戦う仲間が増えた事は心強いんですけどね」
「そうだな……共にゲルドーと戦うなら心強い仲間だ。ゼロブレイカーの開発者に関しては私の方でも調べておこう。学会に登録してる人物なら直ぐに分かるだろうし」
「はい、宜しくお願いします」
その時、研究所の警報がなった。
「ゲルドーか!」
矢木は急いでパソコンを操作する。
「場所は?」
「ちょっと待って、今出す」
そしてゲルドーの出現した現場は港区にある海浜公園だと判明。
「よし、行って来ます!」
新斗はジェットホークを『装着』
海浜公園に向かう。
海浜公園で暴れているのはハヤブサの姿をした怪人だった。
公安の氷室と村上も現場に向かう。
ジェットホークが現場に到着。
するとハヤブサの怪人は無差別に人々を襲っていた。
「やめろこのヤロー!!」
ジェットホークがハヤブサ怪人に空から殴り掛かる。
ハヤブサ怪人はジェットホークのパンチを喰らいダメージを受ける。
ハヤブサ怪人もジェットホークに反撃。
「くっ……」
ハヤブサ怪人の素早い攻撃にジェットホークも苦戦。
そこに氷室と村上が到着。
「よし、頼むぞ村上」
「ああ、お前もしっかりな!」
氷室が車を降り『変身』
ゼロブレイカーが登場し、ハヤブサ怪人に攻撃を仕掛ける。
「ゼロブレイカー!?」
「やぁ、手伝うよ」
「はい!」
2人が協力してハヤブサ怪人と戦い始める。
「でも何で今更……怪人を……」
「さぁ?奴らに何か狙いがあるのかも知れない……」
「その通りだ!!」
風帝ミザルが現れ2人に襲い掛かる。
「うわっ!?」
「くっ……四天王か……」
「フンッ……コイツはただの囮だ。お前達を誘き出す為のなぁ」
「何?じゃあ、その為だけに何の罪も無い人々を襲ってたのか!?」
「ああ、そうだ……適当に暴れさせれば良かったからな」
「何て奴だ……」
ゼロブレイカーが呟く。
「許せねぇ!!」
ジェットホークはミザルに攻撃を仕掛ける。
左腕の小型レーザー銃を使いミザルを攻撃する。
「フンッ、そんな武器……俺に効くか!!」
ミザルは構わずジェットホークに突進する。
そして、そのままジェットホークの首を掴み締めあげる。
「ぐっ……あっ……くっ……」
そこにエッジブレイザーが到着。
エッジブレイザーは『ライトニングショット』にライフルパーツを装着しカスタマイズ。
『ライトニングショット·スナイパーモード』を完成させた。
エッジブレイザーが『ライトニングショット』を構える。
「喰らえ……」
エッジブレイザーがミザルを狙撃。
「ぐあっ!?」
ミザルにダメージを与え、ジェットホークは解放された。
「ハァ……ハァ……」
「今だ!!」
ジェットホークが声の方を振り向くとエッジブレイザーが立っていた。
ジェットホークはエッジブレイザーに親指を立てサムズアップのポーズを送る。
「行くぜ……」
ジェットホークは『ブーストフォーム』にチェンジ。
超スピードでミザルに連続攻撃を叩き込む。
そして最後に必殺技『ジェットボルテッカー』を発動。
ハヤブサ怪人を倒しミザルに大ダメージを与えた。
「ぐあっ!?」
ジェットホークは制限時間の30秒が過ぎて元の姿に戻る。
「くっ……急所は外したか……」
ミザルは姿を消す。
エッジブレイザーがジェットホークとゼロブレイカーに歩み寄る。
「大丈夫か?」
「滝川さん……ええ、お陰で助かりました。で……その武器は?」
「ああ、ヒメノ博士が新たに開発したライフルパーツを組む合わせたライトニングショット·スナイパーモードだ」
「へぇ〜、ヒメノ博士としばらく会って無いと思ったらこんな武器作ってたんですね〜」
「ああ……」
「随分と勝手な事をしてるね……いくらFBIと言えど日本で武器の製造なんて」
「まぁそう言うな。奴らと戦う為には必要な力だ」
「まぁまぁ、二人共、俺達ゲルドーと戦う仲間なんだから仲良くしましょ……ね?」
「どうかな?航空自衛隊の君とならともかくFBIの他所者と仲良くする気はないよ」
そう言ってゼロブレイカーは変身を解除。
氷室は車に戻って行った。
「ああ……滝川さん、気にしないで下さいね……」
「いや、彼の言う通り俺は確かに他所者だ。日本で勝手に捜査させて貰ってるわけだしな」
そう言ってエッジブレイザーも変身を解除し帰って行く。
「はぁ……やれやれ……」
深手の傷を追ったミザルがアジトに戻る。
「くっ……おのれ……エッジブレイザー……」
ミザルはエッジブレイザーへの憎しみを募らせていた。
続く……。
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