第15話「大阪城の決戦」

遂にバラダンが現れ葵を拉致。

新斗に大阪城での決戦を挑んで来た。

しかし、ジェットホークはまだ修理中。

果たして間に合うのか?


決戦に備えて仮眠を取る新斗だが……。 

ベッドの上で横になるだけで眠れはしなかった。

ついつい考え事をしてしまい何度も寝返りをうつも一向に眠れない新斗……。

「……あ〜……クソっ!全然眠れねぇ……」


その頃、矢木博士はようやくジェットホークの修理が終盤に差し掛かっていた。

「ふぅ〜……何とか間に合いそうだな……」

そこでスマホに電話が掛かって来た。

それは花田からだった。

「はい?」

「あっ、矢木はんでっか?」

「……そりゃそうだよ私のスマホなんだから……」

「ははは〜そりゃそうでんな、こりゃ一本取られましたわ。よっ!ナイスツッコミ!」

「……何の用ですか?」

「あっ、そやそや、ボケかましてる場合ちゃうかったわ……若田はんが目を覚ましたんですわ」

「本当ですか!?」

「ホンマやホンマ。それで早速ゲルドーについて聞いたんですわ。ここから先は矢木はんにも聞いて貰った方がええと思いますさかい、ちょっと聞いててんか〜?」

「ああ、じゃあちょっと待って下さい折角だから鷹井君にも……」

「なんや、鷹井はんそこ居らへんのか?」

「いや、ちょっと仮眠を取って貰ってるだけなんで直ぐに呼んで来ます」

そう言うと矢木博士はスマホを置いて新斗を起こしに言った。

しばらくして新斗を連れて戻って来た矢木博士。

「花田さんお待たせしました。鷹井君も聞いてますからお願いします」

「ほな、若田はんお願いします」

「はい……お電話代わりました若田です。まず、私が掴んでるゲルドーの情報ですが……」

そう言って若田はゲルドーの情報を語り出した。


まず、ゲルドーのボスの正体は未だに不明だが、その下に居るのが四天王だと言う。

四天王を全て倒せば恐らく次はボスが動き出すだろう。

この情報はゲルドーと裏で繋がりがあったある大物政治家から得た情報で信憑性は高いらしい。

そして若田がゲルドーを調べていると、ある人物が矢木博士以外にも接触して来たと言う。

それは黒いスーツに身を包んだ男達でどうやら国の指示で動いてるらしい。

若田はその男達に話を聞くと彼らはゲルドーを壊滅させる為に密かに調査をしていた機関で若田には情報提供を呼び掛けて来たらしい。

そしてその男達とお互いに情報を交換して分かった事があった。

それは四天王達はそれぞれ、4つの元素を元にした力を持っている事、つまりその4つの元素の力に対抗出来る力があれば四天王達に勝てる可能性が高いと言う事だった。

「そうか……ヴォルガは炎、メルドは水、ミザルは風、だが後1人はまだ姿を現して居ない……ソイツは何の力を……」

新斗達の前に姿を現してないジグルの能力はまだ情報を得れて無かった。

「しかし……それが分かった所で元素の力になどどう対抗すれば……」

矢木博士は頭を悩ませていた。

「今、私が得てる情報はこれくらいです……後は皆さんも知ってる事ばかりでしょう……」

「そうか……若田君ありがとう」

「あの、若田さん……その黒服の男達って……結局何者?」

新斗が尋ねる。

「恐らく政府機関の人間でしょう。もしかしたら自衛隊の新斗君の方が近しい存在かも知れませんね」

「一体何者なんだろう……」

「新斗君、とりあえず今は目の前の敵に集中しよう。まずは柊君を救出するのが先決だ」

「はい……」

「正午に大阪城ならそろそろ準備して出た方がいいな。花田さんありがとうございました。我々は戦いの準備に入ります」

「ほな、ワイも戻ります。大阪城行くんやったら足が必要でっしゃろ?車出すで?」

「すみません、何から何まで……」

「気にする事おまへん。これがワイの仕事や」

そう言って花田は電話を切る。

「ほな、ワイは矢木はん達を迎えに行きます。くれぐれも安静にしといて下さい」

「ええ、ありがとうございます」

花田は若田にも挨拶をし、病室を出て行く。


その様子を外から覗いているメルド……。

「フフッ……チャンス到来……ですね」


新斗と矢木博士は花田と合流し、決戦の地大阪城へ向かう。

「矢木博士、ジェットホークの修理は?」

「大丈夫。終わってるよ。だから思いっ切り戦ってくれ」

「はい!」


その頃、東京では仁がヒメノ博士とミザルを狙撃した何者かについて話し合っていた。

「ん〜……仁の話を聞く限りではそのスナイパーは特殊な弾丸を使ってるんでしょうね……」

「ええ……普通の弾丸がゲルドーのしかも幹部クラスに通用するとは思えませんからね……我々FBIでもそんな弾丸中々……」

「何者なのかしら……日本にもそんな技術を持った組織が?まぁ、そりゃ国を守る為にあっても不思議じゃないけど……」


とあるビルの1室……。

デスクに座る黒服の中年の男とその目の前に立つ若い男が話していた。

「氷室君、ご苦労だった……」

「いえ、国を脅かす存在を野放しにはしておけませんから」

この男、氷室 亮介(ひむろ りょうすけ)(28才)

「君の狙撃技術には頭が下がるよ」

この男三上 宗孝(みかみ むねたか)(45才)

「恐縮です」

「それと、ようやく例の装備が完成し実用も可能となったよ」

「!遂に完成したんですか!?」

「ああ、コレだ」

そう言って三上が机の引き出しから取り出したのは手のひらサイズの小さなアイテムだった。

その中央には日本警察のシンボルマークの桜があしらわれていた。

「コレが……この国を守る力……」


その頃、大阪では新斗達が大阪城へ到着。

「着いたで……ここを決戦の場所に選ぶなんて敵さんも中々乙な事しはるなぁ」

「正午まで後15分か……よし、鷹井君準備をしよう」

「はい!」

車を降り新斗は『J-ウォッチ』を操作。

すると、若田の家からジェットホークが飛んで来る。

新斗はジェットホークを『装着』

「行って来ます」

「ああ、気を付けてな」

「はい!」

ジェットホークは飛び立つ。

バラダンと戦い葵を救出する為に。


バラダンは葵を磔にし、待ち構えていた。

「ん?フンッ……時間通り来たか」

ジェットホークが着地。

「鷹井君!!」

「柊先輩……今助けます!」

「ジェットホーク……ここが貴様の墓場となるのだ!」

「ケッ、古臭いセリフ言ってんじゃねぇよ!行くぜ!!」

ジェットホークとバラダンの戦いが始まった。

ジェットホークは機動力を活かし一気に距離を詰め至近距離で攻撃を叩き込む。

しかし、バラダンも接近戦は得意な様で応戦してくる。

お互いに激しい攻防を繰り広げるが有効な打撃を与えられないでいた。

「フンッ……中々やるな……」

「くっ……お前もな……」

「さて、そろそろ本気で行くか!!」

バラダンはエネルギーを集め始める。

「何だ!?……何をする気だ!?」

「喰らえ!!」

バラダンは集めたエネルギーを光弾として放った。

「うわっ!?」

ジェットホークは光弾を喰らい爆発に巻き込まれた。

「うわぁぁぁぁぁっ!?」


「鷹井君!?」


だが、ジェットホークは『ブーストフォーム』にチェンジして爆炎の中から飛び出して来た。

「おりゃぁぁぁ!!」

「何っ!?」

ジェットホークはそのままバラダンに突進し上空へ連れて行く。

「離せ!?離せ!?」

ジェットホークはどんどん急上昇。

そして、ブーストフォームのタイムリミットが残り10秒まで迫った。

「トドメだ!!」

ジェットホークはバラダンを空中に放り出す。

「なっ!?お、おい!?」

バラダンは空中では身動きが取れない。

ジェットホークは必殺技『ジェットボルテッカー』を発動。

バラダンにトドメを刺し倒した。

バラダンは空中で爆発。


ジェットホークは地上に降りて来る。

「勝ったか……」

矢木博士はホッと胸を撫で下ろす。

その後、葵を解放し無事救出成功。

「柊先輩、大丈夫ですか?」

「うん、なんとかね、ありがとう」

「これで一件落着やな」

「ええ、花田さんありがとうございました」

「ええて、ワイはなんもしてないで?あっ、それより、折角事件も解決した事やし、後は大阪満喫せぇへんか?」

「え?」


なんと新斗達は花田の案内でそのまま難波に行き葵が見たがっていた吉本新喜劇を堪能。


大阪を楽しんだ。


続く……。

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