第14話「動き出したバラダン」
ジェットホークはメルドに敗北した。
そのままメルドは姿を消してしまった。
花田の運転で若田を病院まで運ぶ。
「もうすぐやで……」
「若田、頑張れ!」
矢木博士が若田に話しかける。
病院に到着し若田は担架出運ばれる。
「後はせんせーに任すしかないわな」
「ああ、花田さんありがとう」
「いや、ワイはなんもしてへん。ただクルマ運転したっちゅーだけや」
その頃、新斗はジェットホークの装備を何とか解除。
「ふぅ……AIが機能してないと着脱も一苦労だな……」
そして矢木博士に電話を掛ける。
「ん?鷹井君からだ……ちょっと電話してくる」
そう言って矢木博士は電話が出来る所まで移動する。
「あっ、私も岩城隊長に連絡入れて来ます」
「ほなワイはここで若田はんの様子見とくで」
「宜しくお願いします」
葵もその場を離れ岩城隊長に連絡をする。
葵から連絡を受けた岩城隊長は……。
「そうか……ゲルドーに先手を打たれた訳だな……」
「はい……まさかこんなに早く奴らが動くとは……」
「その若田って人は結局何者なんだ?何故ゲルドーの事を調べてる?」
「あっ、それはまだ……矢木博士からも聞かされてないですね……直ぐに確認します」
「そうか……分かった、引き続き宜しく頼む」
「了解」
そして新斗と矢木博士は……。
「そうか……大量の水を浴びシステムダウンしてしまったか……」
「ええ……博士、直せますか?」
「ああ、勿論だ。何としても直してみせる」
「でも何処で?」
「若田の家を借りるさ」
「へ?」
「とにかく今から戻るからちょっと待ってろ」
そう言って矢木博士は電話を切る。
そこへ葵がやって来る。
「矢木博士!」
「ああ、柊さんか。私は鷹井君と合流する為に若田の家に戻るが君はどうする?」
「私も戻ります」
「じゃあ花田さんにまた車出して貰わないとな」
「ですね……」
そして再び花田の運転で若田の家に戻る矢木博士と葵。
新斗と合流しジェットホークの様子を見る。
「なるほどな……流石に大量の水を浴びればジェットホークもひとたまりもないか……」
「直せますか?」
「勿論だ。とは言っても時間は掛かるだろうがな……家の中に運ぼう」
「はい」
新斗と矢木博士は手分けをしてジェットホークのパーツを家の中に運び入れる。
「あ〜……全体的に水没してるからかなり手間がかかりそうだな……」
矢木博士は早速修理に取り掛かる。
「矢木博士……その工具類っていつも持ってきてるんですね……」
「ああ、何があっても良い様にな……」
「すみません……」
新斗は申し訳ない気持ちを思わず漏らした。
「気にするな、君は良くやってくれてる。ジェットホークのメンテナンスは生みの親である私の役目さ」
その頃、ミザルは……。
「若田……何処に行った……?」
若田を探していた。
一方の東京では……。
仁が『ライトニングチェイサー』で街を疾走。
すると……。
突然突風が仁を襲った。
「うわっ!?」
仁はバランスを崩し倒れる。
「くっ……」
「フフフッ……」
そこに現れたのは風帝ミザル。
「エッジブレイザー……その命……貰いに来たぞ」
「貴様……ミザル……」
仁は立ち上がり構える。
仁は『変身』
エッジブレイザーとなった。
エッジブレイザーとミザルが戦い始める。
「この前のお遊びは終わりだ……本気で行くぞ……」
「臨むところだ……ゲルドーは必ず潰す!」
エッジブレイザーとミザルは激しい攻防を繰り広げていた。
大阪ではジェットホークの修理が続く。
「そうだ。矢木博士、結局若田さんは何者なんですか?何故ゲルドーに狙われたんですか?」
葵が尋ねる。
「そうか……まだ紹介出来てないから忘れていた。若田はな、ゲルドーの秘密を暴こうとしているフリーのジャーナリストなんだよ」
「ジャーナリスト?」
そうして矢木博士は若田について説明を始めた。
矢木博士と若田の出会いは3年程前。
当時既にゲルドーの存在に気付き矢木博士はジェットホークの制作に取り掛かっていた。
どこからかその情報を聞きつけ矢木博士にコンタクトを取ってきたのが当時は雑誌社の記者として働いていた若田だった。
若田は正義感が強い記者で今までも政治家や著名人の不正を暴いて来ていた。
そんな若田がゲルドーの噂を耳にするのも分からなくはない。
矢木博士は少しでも多くの人にゲルドーの存在を知って貰い、悪に対する対抗手段になればらと思い若田の取材を受ける事にした。
取材を終えた若田だったがゲルドーのネタは信ぴょう性に欠るとされ雑誌社では相手にされなかった。
その事が原因で若田は雑誌社を退職しフリージャーナリストとして独自にゲルドーの事を調べていた。
そしてその後も若田と矢木の交友は続いていたのだった。
「そうか……それでゲルドーも若田さんを疎ましく思い手を下したのか……」
「いや、それだけとは思えない」
「え?」
「若田を疎ましく思うなら奴らならもっと早く手を下したはずだ。きっと若田は何か新しい情報を掴んだんだ。それで狙われた……多分奴らにとって都合の悪い事を何か掴んだに違いない」
そしてその頃東京では……。
相変わらずエッジブレイザーとミザルの激しい戦いが続いていた。
「ぐっ……やはり手強いな……」
「そろそろ死ねー!!」
ミザルが攻撃を仕掛けて来る。
「くっ……かわしきれない……」
その時、何者かがミザルを攻撃した。
「ぐはっ!?」
「何だ!?狙撃された!?」
エッジブレイザーが辺りを見回す。
そして……。
「あっ……」
向かいのビルの屋上に誰かを発見。
だが、それは直ぐに立ち去ってしまった。
「何だ……アイツは……」
「ぐっ……何だ!?何が起きた!?」
ミザルは先程の一撃で深手の傷を負っていた。
「!今だ!」
エッジブレイザーは『ライトニングショット』にグレネードランチャーを装着。
エッジブレイザーの必殺技『ボルテックキャノン』を放った。
「くっ……ぐわぁぁぁぁっ!?」
ミザルは間一髪の所で直撃をかわし大ダメージは回避。
「くっ……おのれ……覚えていろ!!」
そう言ってミザルは姿を消す。
「助かった……しかし……アレは一体……」
向かいのビルに居た何者かが何処かに電話を掛けながらビルから出て行く。
「俺だ……奴は撤退した。任務完了だ」
「そうか……ご苦労」
大阪ではジェットホークの修理が夜通し行われた。
その頃、メルドとバラダンが合流していた。
「バラダンか……ヴォルガに言われて来たのか?」
「はい。ジェットホークを消せと」
「ならそっちはお前に任せる。私は若田を消す任務を与えられたんでね」
「ではジェットホークは私にお任せ下さい」
「そっちは任せたぞ」
そう言ってメルドは去って行く。
そして翌朝の早朝、事件は起こった。
バラダンが若田の家を襲撃した。
バラダンは窓を破り侵入して来た。
「きゃっ!?」
「くっ……ゲルドーか……」
「俺はゲルドーアフリカ支部長のバラダンだ。ヴォルガ様の命令で貴様らを抹殺に来た」
「何だと!?支部長って事はヴィリスやドルネスと同格か……コイツは手強そうだぜ……」
バラダンは葵を捕える。
「きゃっ!?ちょっと……何すんのよ!?」
「ただ貴様らを消すだけじゃ面白く無いからな。コイツは人質にさせて貰うぜ」
「何っ!?テメェ、柊先輩を離しやがれ!!」
「そうは行かんな。今日の正午に大阪城に来い。そこで貴様と決着を着けてやる」
「大阪城だと!?」
「フンッ……それまではこの女は殺さないから安心しな」
そう言ってバラダンは葵を連れ去ってしまった。
「柊先輩!!」
「鷹井君!!今追っても無駄だ。それより一刻も早くジェットホークを直さなくては……」
「矢木博士……何でそんなに冷静なんですか?」
「冷静さを失ったら負けだ。修理は急ぐ。だから君は今は仮眠を取って戦いに備えろ」
「……分かりました……ジェットホークの修理……宜しくお願いします」
「ああ、必ず間に合わせるさ」
こうしてジェットホークとバラダンの大阪城決戦が始まった。
続く……。
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