第13話「ゲルドーを追う男」

新たに現れたゲルドー四天王の情報を得る為に大阪に向う事を進められた新斗。

早速新斗は岩城隊長に相談をする。

「何?大阪?」

「はい、矢木博士の知り合いでゲルドーの事を調べてる人が大阪に居るらしくて……今度現れた敵について聞いてみたいんですが……」

「そうか……まぁ、奴らの好き勝手にさせる訳にもいかんし、情報は必要だろう。分かった、行って来い」

「ありがとうございます!」

「ただし、1人で行かせる訳にはいかん。事情を知っていて矢木博士やお前と面識のある人物も同行させる」

「え?隊長以外にですか?」

「そうだ」

「そうなると……ああ、滝川さんですか!」

「フフッ……」

そして呼ばれたのは……。

「隊長、お呼びですか?」

葵だった。

「あれ?柊先輩?」

「ああ、事情を知っていて、矢木博士やお前と面識のある人物……柊ならピッタリだろ?」

「はぁ……まぁ、それはそうですが……」

「隊長、任務ですか?」

「ああ、ゲルドーの情報を得る為の大事な任務だ。明日、鷹井と共に大阪へ飛んでくれ」

「大阪?了解しました!」

「よし、じゃあ2人共、今日は上がっていいから大阪行きの支度をしろ」

「了解!」


そして翌日、大阪行きに向けて新斗と葵は戦闘機の整備をする。

「よし、エンジンも正常、燃料も十分往復出来る料ね」

「こっちも準備オーケーです」

そこへ岩城隊長がやって来る。

「2人共、発信許可は降りたから安心して行って来い。向こうでは中部方面航空隊基地に着陸許可が出ている。そこからは車で新大阪駅に向かい矢木博士と合流してくれ」

「了解しました」

「では出撃します」

「健闘を祈る」

3人は敬礼。


新斗と葵は大阪に向けて飛び立った。


その頃、矢木博士も新幹線で新大阪に向かっていた。

「はぁ〜……アイツに会うのも久しぶりだな……」


新斗と葵は中部方面航空隊基地に到着していた。

「いや〜流石に早いっすね」

「そうね、隊長が戦闘機の使用許可を取ってくれたお陰でほんの数分で着いちゃったわね」

「さて、じゃあこれから新大阪駅まで向かわないとですね」

「そうね……」

そこに1人の航空自衛隊員がやって来た。

「鷹井はんに柊はんでんな?」

関西弁で話しかけて来たこの男は?

「はい、そうですが」

「わいはお二人の案内を任された花田です。階級は一等空士であります」

「はぁ、柊です」

「同じく鷹井です」

「よろしゅう頼んます。ほな、車を用意してますんで行きまひょか」

花田に案内され車に向かう新斗と葵。


その頃、ゲルドーのアジトでは……。

四天王が集結し話し合っていた。

「さて、これからどうしますかね?」

メルドが他のメンバーに尋ねる。

「当然!今度こそジェットホークをぶっ倒してやるぜ!!」

とヴォルガは強気の発言。

「なら俺はエッジブレイザーだ」

ヴォルガの横でミザルが言う。

「なら私は少し調べたい事があるのでそちらは任せますよ」

「ジグル、お前はどうする?」

ヴォルガが尋ねる。

「時を待つ……それだけだ」

そう言ってジグルは去って行く。

「相変わらず無口だねぇ……」

そこにヴォルガの部下でアフリカ支部長だったバラダンが入って来る。

「失礼します!ヴォルガ様、鷹井新斗が大阪に向かったとの情報が入りました」

「大阪?ならそっちはお前に任せる。好きにしろ」

「はっ!」

バラダンは大阪に向かう事に……。


新大阪駅で矢木博士を待つ新斗、葵、花田の3人。


「あっ、来た来た」

ようやく矢木博士が到着。

「いや〜お待たせお待たせ」

矢木博士は大きなキャリーバッグを持って現れた。

「博士……凄い荷物ですね」

「ああ、何日居る事になるか分からないからな。それによ大分待ったか?」

「まぁ、戦闘機で来てたら数十分なんで」

「流石に早いな……あっ、所で彼は?」

矢木博士が花田に気付く。

「あっ、ワイ、花田っちゅーもんですわ。中部方面航空隊基地所属の自衛官でありますねん。今日はお三方の案内役を務めますんでよろしゅう頼んます」

「ああ、そうなんだ。じゃあ宜しく」

「ほな早速行きまひょか」

花田の運転する車に乗り込む3人。

「住所分かります?」

「ああ、ここだ」

矢木博士は知り合いの自宅の住所を書いたメモを渡す。

「あ〜難波に住んではるんですね……ほなめっちゃ地元ですわ」

「難波って吉本新喜劇で有名な?」

葵が尋ねる。

「せやでーワイも子どもの頃からよう見に行っとったわ」

「へぇー、私も一度見て見たかったんですよねぇ」

「じゃあ時間が出来たら行くか」

「え?良いんですか?」

「ああ、時間が出来たらだけどな」

「やったー!」

「あれ?柊先輩ってお笑い好きなんですか?」

「うん、好きよ?」

「へぇ〜何か意外ですね」

「そう?」

「ほなナビを入れましたし出発しまっせ〜」

花田が車を走らせる。


その間も葵はお笑いについて熱く語る。

「でね、私が今好きなのは東京の芸人さんだけどモリハヤシなのよ」

「あ〜モリハヤシ最近人気ですよね」

「大阪の芸人で好きな人は居ないんでっか?」

「う〜ん……関西の芸人だと〜……あっ、おキョンが好きかな?」

「誰っすかそれ……」

新斗は知らなかった。

「へぇ〜おキョン好きなんてなかなかコアでんな〜」

花田は知ってた。

「いや〜それほどでも」

「で、そのおキョンって誰なんですか?」

「関西のピン芸人で最近売れて来てんのよ」

「へぇ〜……柊先輩がそんなにお笑い好きだったとは……」

そんな会話をしてる内にゲルドーについて調べてると言う矢木博士の知り合いの家に到着した。


「着いたでー」

「花田さんありがとうございました」

「いえいえ、大した事してまへん。先に行っといて下さい。近くのパーキングに車停めたら行きますわ」

「分かりました。ではお願いします」

新斗、矢木、葵の3人を降ろし花田は車を停めにパーキングに向かう。

「さて……行くか」


矢木博士は門を開けチャイムを鳴らす。

……。

しかし応答が無い。

「あれ?」

「出掛けてるんじゃ……」

「おかしいな……今日来ると言ってあるんだが……」

そう言いつつドアノブを回して見る。

「あれ?開いてる……無用心だな……」

そして中に入って見る……。

「おーい!若田ー!私だ。矢木だ!居るなら返事してくれ」

すると奥から

「うっ……うっ……」とうめき声の様な音が……。

「何だ?……失礼します!」

新斗が中に入って見る。

「あっ、ちょっと……」


中で新斗が見たモノは……。

「矢木博士ー!ちょっと来て下さい!」

「え?あ、ああ」

新斗に呼ばれ矢木博士と葵も中に入って行く。


するとそこには床で倒れている人物が……。

「わ……若田!?」

「え?この人が?……まだ息はあります。とにかく病院へ……」

「あ、ああ……」

そこへ花田が戻って来る。

「いや〜お待たせでした。皆さん玄関開けっ放しでどないしたんです?」

「花田さん!車出して!」

「へ?あっ!?こりゃ偉いこっちゃ!?直ぐ回して来ます」

花田は再び車を取りに戻る。


「そうはさせるか!!」

そう言って窓を破って飛び込んで来た何者か。

「何だ!?」

「私はゲルドー四天王の1人、水帝メルド……その男は我々ゲルドーについて知り過ぎた……そして我々の邪魔をするお前達にもここで消えて貰う」

「ゲルドー四天王だと!?じゃあコイツも幹部クラスか……」

「その男はお前達も誘き出す為のエサになって貰ったが……もう用済みだ……」

メルドが若田にトドメを刺そうと迫る。

「くっ……させるか!!」

咄嗟に新斗が飛び掛かる。

「ぐっ……どうやら……先に死にたいようですね……」

新斗はメルドを連れて窓から外に出る。

「鷹井君!!」


新斗は『J-ウォッチ』を操作しジェットホークを呼ぶ。

だが、遠距離の為、いつもより到着には時間が掛かる。

その間新斗はメルドと生身で戦い続ける。

「ぐっ……」

ミザルの攻撃を受ける新斗。

「そんなもんですか?」

「くっ……負けるか!!」

新斗はメルドに反撃。

「くっ……」

そして、ジェットホークが遂に到着。

新斗は早速『装着』

「なるほど……それがジェットホークか……」

そしてその間に花田は車を回して来た。

「皆さん、こっちや!」

「よし、行くぞ……」

矢木博士と葵は若田を連れて車に乗り込む。

ジェットホークはメルドとの戦いに苦戦。

「くっ……流石に四天王を名乗るだけあるぜ……」

「ジェットホーク……どの道君には消えて貰う……だが今の目的は若田を殺す事だ……邪魔をしないでくれ」

「そんなの……全力で邪魔するに決まってんだろ!!」

ジェットホークは翼のジェットエンジンを利用してメルドに突撃する。

だが、メルドは水の壁を作りジェットホークの攻撃を防ぐ。

「ぐをっ!?」

水圧に弾き飛ばされるジェットホーク。

「くっ……クソっ……」

大量の水を浴びた事でジェットホークのシステムがショートしてしまった。

「くっ……動け……ねぇ……」

「フンッ……無駄な時間を費やしてしまった……」

メルドは去って行く。


ジェットホークは敗北……。


続く……。

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