第11話「決戦、VSヴィリス(後編)」

柊が岩城の所へ駆け寄って来る。

「隊長!」

「どうした?」

「ヴィリスが街に現れ無差別に破壊活動を……」

「何っ!?鷹井との連絡は?」

「まだ取れません……」

「そうか……恐らく陸自が対処に当たるだろう。我々はいち早く鷹井を見つけるぞ」

「了解!」

岩城と柊は出動する。


「来たか……」

矢木博士が呟く。

ヒメノ博士は何処かへ去って行く。

「ヒメノ博士、何処に行くんです?」

「エッジブレイザーの改良をしておかないとね」

「なるほど……私もジェットホークの改良をしてみるか……」

矢木博士も研究所に戻って行く。


ヴィリスが無差別に人々を襲い始め東京の街は大混乱となっていた。

そこへ、陸上自衛隊が到着。

「目標の怪人を捕捉。現在無差別に市民を襲っています。攻撃の許可を」

1人の隊員が無線で上官に連絡を取る。

「待て、まだ避難が終わっていない。今攻撃すれば市民を巻き込んでしまう事になる」

「しかし……このままでは……」

だが、そんなやり取りをしてる間ににもヴィリスは自衛隊員に襲い掛かる。

「うっ……うわぁぁぁぁっ!?」

無線越しに自衛隊員の断末魔が聞こえる。

「おい……どうした?応答しろ!おい!」

上官が無線で呼び掛けるが当然応答は無い。


その後も自衛隊員は次々にヴィリスによって殺害され、遂に隊は全滅した。

「ふぅ……やはりただの人間相手ではつまらんな……」


新斗が現場に近付く。

「クソッ……ヴィリスめ……だが……今の俺に奴は倒せない……どうしたら良いんだ……」


ヴィリスはジェットホークもエッジブレイザーも現れない為、退屈し去って行った。


その夜、ヴィリスに襲われた街では被害に遭った人々の救助活動が必死に行われていた。

救助活動をしている一人の自衛隊員が居た。

「くっ……なんて様だ……」

倉田大介士長(30歳)

そこに上官である山本元(やまもと はじめ)曹長(45歳)がやって来る。

「倉田……」

「山本曹長!」

「今回はかなりの被害が出てしまったな……」

「悔しいです……国を守る立場の我々が何も出来ないなんて……」

「そうだな……今やあの怪人達は正体を隠す事無く、大大的に襲い掛かって来ている……奴らに対抗出来るのは……」

「ジェットホーク……ですか?」

「ああ、ブルーインパルスが襲撃された時に初めて現れた奴はその後も幾度と無く怪人達と戦って来た。その正体は謎だが、我々以上の装備を持つ……」

「ジェットホーク……一体何処の誰何だ?」

「ジェットホークに関しては自衛隊でも調査が進められている。その内判明するだろう」

「我々にも彼と同じ力があれば……」

「そうだな……悔しいな……」


その頃、岩城と柊は新斗を探し続けていた。

「鷹井君、何処にも居ませんね……」

「ああ……一体何処に居るんだ……」


矢木博士とヒメノ博士はそれぞれジェットホークとエッジブレイザーの修理と改良をしていた。


「ふぅ〜……流石にダメージが大きいわね……」

「そうですね……ジェットホークの改良も何とかしないと……」

「ヴィリスに対抗する為にパワーアップが必要ね」

「ええ、そうなんです……どうした物か……」

矢木博士とヒメノ博士はこの日徹夜で作業をする。


翌日ーー


病院のベッドの上で仁が目を覚ました。

「ん……?ここは?」

仁が起き上がる。

「ぐあっ!?くっ……まだダメージが……」


そして、新斗は一晩中街を彷徨い続けていた。 

公園に立ち寄り水道の蛇口を撚ると新斗は顔を洗った。

「ふぅ〜……さてと……宿舎に戻らないとまずいよな……」


岩城隊長と柊は基地に戻って居た。

「鷹井君、何処に行っちゃったんでしょう?」

「さぁな……今回の敗北は応えただろうからな……」


新斗は基地に向かって居た。

その途中でもヴィリスによって街に出た被害が伺える。

夜が明けても自衛隊員やレスキュー隊による救助活動は続けられていた。


矢木博士の研究所では……。

「ダメだ……どうやってジェットホークをパワーアップさせれば良いんだ……全然思い付かない……」

「苦戦してるようね」

「ヒメノ博士……ええ…どうも考えが纏まらなくて……そっちはどうですか?」

「エッジブレイザーの修理は終わった。後は仁の回復を待つだけね」

「流石天才……あっ、コーヒーでも淹れましょう。私も糖分を摂取したいんでね」

そう言うと矢木博士は立ち上がりキッチンの方へ……。


その頃、病室のベッドの上で仁も考え事をしていた。

「エリック……仇は必ず取るからな……」

FBIでの相棒だったエリックの事を思い出していた。

仁は動き出す。

病院を抜け出した。


そしてヴィリスは……。

「さて……そろそろ行くか……」

ヴィリスも再び街へ現れ暴れ始める。

昨夜の現場で救助活動をするレスキュー隊や自衛隊員に襲い掛かる。


騒ぎを聞きつけ、基地に戻る途中だった新斗も現場の方へ引き返す。


そして、矢木博士の研究所でもヴィリスの出現を察知。

「くっ……もう現れたか……」

そこへ新斗から矢木博士のスマホに電話牙掛かって来た。

「鷹井君?」

「矢木博士!ジェットホークは出撃出来ますか?」

「ん?ああ……修復は終わってるから出撃は出来るが……今の装備ではヴィリスにはとても……」

「でも……行くしかないでしょ!」

「鷹井君……分かった。直ぐに準備をするから待っていてくれ」

そう言って電話を切ると矢木博士はジェットホーク出撃の準備に取り掛かる。

そこへヒメノ博士の方にも電話が……。

「グッドモーニング……って仁なの?」

「ええ、今俺も現場に向かっています。エッジブレイザーの出撃準備は……」

「一応修復は終わってるから出撃は出来るけど……」

「じゃあお願いします!」 

「オーケー分かったわ」

ヒメノ博士もエッジブレイザー出撃の準備をする。


その頃、自衛隊基地では。

「今、矢木博士から連絡があった。鷹井がヴィリスの暴れる現場に向かっているらしい」

「本当ですか!じゃあ私達も!」

「いや、俺達は出撃出来ない。命令があるまでは待機だ」

「はぁ……」


新斗が到着。

「ヴィリス……今度こそお前を倒す!!」

新斗は『J−ウォッチ』を操作しジェットホークを呼ぶ。

新斗は『装着』

ジェットホークが登場。

ヴィリスが倉田士長に襲い掛かる。

「うわぁぁぁっ!」

だが、ジェットホークがヴィリスの腕を掴み攻撃を阻止する。

倉田士長は無事だ。

「早く避難して下さい!」

「ジェット……ホーク……」

「来たかジェットホーク……待ってたぜ……」

「ヴィリス……お前を……倒す!」

ジェットホークはヴィリスを蹴り飛ばす。

「ぐうぅ……」

そこへ仁も合流。

「ジェットホーク!」

「瀧川さん……」

「いつでも良いわよ仁君」

「了解!」

仁は『変身』

エッジブレイザーが登場。

「フンッ……行くぞ!!」

ヴィリスがエッジブレイザーとジェットホークを相手に戦い始める。

ジェットホークとエッジブレイザーの連携攻撃がヴィリスにダメージを与えている。

「ぐっ……おのれ……」

エッジブレイザーは『ライトニングショット』を武器に距離をとりながら戦う。

ジェットホークは『ジェットブレード』を手に接近戦で戦う。


「クソッ……喰らえ!!」

ヴィリスの反撃を受けるジェットホーク。

「ぐわぁっ!?」

「このままじゃまた勝てない……」

矢木博士は2人の戦いを見ながら呟く。

「ノープログレム、大丈夫よ」

「え?」

「ちょっと貸して」

そう言ってヒメノ博士が矢木博士のパソコンで操作しだした。

「ヒメノ博士?何を?」

「よし、これで送信!」

ヒメノ博士は何かのデータをジェットホークに送った。

「ん?何だ?」

《新しい戦闘形態のデータを確認、アップデートしますか?》

AIが新斗に尋ねる。

「は?あっ、ああ……」

《了解!アップデート開始……》

「何だ?」

《アップデート完了、ブーストフォーム起動準備完了》

「ブーストフォーム?」

「ええ、新斗君、私が加えたパーフェクトなフォーム……使いこなせるかしら?」

「え?何言って!?」

「鷹井君、やってみるんだ!」

「了解……ブーストフォーム起動!」

すると、『J−ウォッチ』からナノマシンが放出され、ジェットホークの体に新たな装備を形成していく。

ジェットホークは青いボディの強化形態『ブーストフォーム』にチェンジした。

「な、何だその姿は!?」

ヴィリスも動揺。

その隙にエッジブレイザーがヴィリスに接近しパンチを叩き込む。

「ぐわっ!?」

「ブーストフォームは30秒しか保たないわ。スピーディーに決着を着けて!」

「はぁ!?30秒!?」

ジェットホークはヴィリスに接近する。

そのスピードは凄まじく一瞬にしてヴィリスの間合いに入る。

「なっ!?」

「おりゃあああ!!」

ブーストフォームとなったジェットホークは超スピードでほんの数秒の間に何度も何度も攻撃を叩き込む。

「フィニッシュよ!必殺のジェットボルテッカーを食らわせてやりなさい!」

「了解!」

ジェットホークは新たな必殺技『ジェットボルテッカー』を発動。

超スピードを活かしたままエネルギーをその身に纏いヴィリスに体当たり。

「ぐわぁぁぁっ!?」

ヴィリスは倒れる。

「おのれ……ゲルドーに……栄光あれー!!」

ヴィリスは大爆発。

タイムアップとなったジェットホークは元の姿に戻る。

「勝った……」

「アイツ……ヴィリスを倒しやがった……」

遂に二人目の幹部ヴィリスを倒したジェットホーク。

しかし、彼らの戦いはまだまだこれからも続く。


ゲルドーアジトーー

「ヴィリスが死んだか……ゲルドー四天王を日本に呼び集めろ!!」

ゲルドーでは新たな動きが……。


続く……。

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