タイトルとキャッチからだいたいの流れは見えますが、それをどう語り紡いでいらっしゃるのかと興味深く拝読しました。
こういう話ですと、早々に一人倒れるか死ぬかして、連鎖を外側に外側に持っていきがちなんですが、おばさんとのやりとりをずっと引っ張り続けつつ、中身をどんどんエスカレートさせていってるのが秀逸だと思いました。しかしどんだけ瓶があるんだ、今どきのコンビニって 笑。たまたま酒屋っぽいところだったんでしょうね。暴力沙汰があったらマジで怖いですね。
一人称で、一つ一つのシーンにきちんと流れの説明が入っているのに、激高していく心理も巧みに挟み込まれているのがまたお見事です。あと、細かいところですけれど、
>この汚れて濡れたおじさんが後ろから抱きついてきたっていうのが、もう何ていうかムリだった。
>チカンされたって感じのほうが強かった。
こういう感覚って書かれてみるとすごくリアリティありますね。勉強になります ^^。
最後は外部から別の要素が乱入してくるんですが、ここまでくるとごく自然な流れに見えます。
身近なところにある狂気、そして破局。「すぐそこにあるホラー」という感じです。今の季節にぴったりかと w。存分に楽しませていただきました。ありがとうございます。
作者からの返信
>湾多珠巳さん
詳細に読んでいただき、ご丁寧なコメントをいただいて、ありがとうございます。
なにぶん短編なので、カタストロフまでにそれなりの説得力をもたせられるか考えましたが、登場人物のやりとりや心理を評価していただけて良かったです。
まず冒頭、コンビニという舞台が武江様の作品としては少し珍しいのかなと感じました。けれど土砂降りの雨に濡れた主人公の携帯ストラップが切れたところから始まる狂気の連鎖に「ああやはり武江様の物語だ」とどこか安心感のようのものを覚え、そしてその後のジェットコースターのような展開に心を鷲掴みにされて、ラストまで一気に読んでしまいました。
そして読み終えてみればこのコンビニ自体がすでに禍々しい狂気に取り巻かれていたように思えて、さらにじっとりとした恐怖感に苛まれました。
いつもながら秀逸な恐怖譚を楽しませていただきありがとうございました。
作者からの返信
>那智風太郎さん
ご丁寧なコメント、およびレビューをありがとうございます。
物語をイメージしてから、スピード感が重要だと思って書き上げたので、最後まで一気に読んでいただけて嬉しいです。
まるで、呪いが発動したような恐怖ですね。
みんな正気じゃないような……。
このまま恐怖が続きそうな終わりで……。
作者からの返信
>碧絃(aoi) さん
コメントありがとうございます。
ふつうの人間の狂気をメインに描いたのはわりと初めてのような気がしますが、評価していただけてほっとしております。