大切な場所

前回、度重なる出来事で全調失調症を患ってしまった三島りんは部屋の隅に放置されていた液タブを見つけて試しに描いてみることにした。さらに、SNSのフォロワーさんたちが復活を望んでいることに感激を受けたことからもう一回絵を描いてみようと決意した。その決意の中で学んだ大切なこととは...


私はお父さんの持ってきたゴミ袋を手に取る。

乱雑したプリントや散らかったものを一つ一つ片づける。

プリントは整理しても整理しても何個も出てきて大変だ。

無限に出てくる。

どれもシュレッターにかけてしまう。

もう仕分けるということもめんどくさく感じた。

そう思い私は一瞬でもいらないと感じたものは即座にシュレッターにかけた。

シュレッターは何も感じさせずに過去のものを解析不可能の状態にしてくれる。

そんな優れたものだ。

色んなものをかけた。

中学校のもの、前期の定期試験、学校復帰にもらった色紙、みんなが最初に教えてくれたプリント

大事かもしれないけど私にはもうどうでもいいものと感じた。

その後も次々とシュレッターにかけてゴミ袋に入れる。

教科書はシュレッターによって消せないので自分で何とかするしかなかった。

なので、最後数ページかやぶった。

私にはきょうだいも存在しないし後で使うなんてことはない。

だから、もうどうなっていい

教科書が悲しみぞっとお母さんが言ってくるような気がする。


でも、もうその人はいない。


だから自分を止められなかった。

もう、過去とかどうでもいいや

そう思ってると目に見えるところの掃除は終わった。

視界で見えるところは終わった。

ゴミ袋は3袋ぐらいになっていた。

私は奥のクローゼットの中に目を付けた。

そこは私が高校入学してから一回も開けてない。

中に何が入っているんだっけ...?

何が入ってるかすらも忘れちゃった...

クローゼットを開けてみる。

開けたら大きな箱や小さな箱などが何個か入っていた。

それぞれ一個ずつ開けてみる。

中には、中学生の時に使ってたゲーム機や幼稚園か小学校低学年の時に作ったであろう作品

その他にも行事に使ってそのままであろうクーラーボックスや修学旅行で関西に行った時に使ったスーツケースなど様々なものが出てきた。

開けた時々に懐かしいとなる気持ちもあったが今は必要ではない。

掃除を続けていると奥底に大きなお菓子の箱があった。

箱はとても大きくお客さんの茶菓子サイズくらい大きいものだ。

私はそれを引っ張り上げた。

重い...

中を開けてみるとお母さんとの懐かしい写真がぎっしりと詰まっていた。

そこには輝かしい笑顔と温かいぬくもりに漬かっている私がいた。

他にも学校行事に参加した写真や家族旅行の写真がぞくぞくと出てきた。

それはどれも埃が被っていて二桁の年数が経っているよう

な感じだった。

こんなのは私に関係ないと思ったがそうとはいかなかった。

どうしても昔の記憶がよみがえってしまう。

違うのよ...私

何を迷ってるの...

この人は私をあっさりと見捨てたのだよ。

だからこんな人との思い出なんて消える方が正しいのよ。

でも、ゴミ袋の前に持って行っても捨てようという気にはならなかった。

なんで...

なんで捨てられないの...

こんな思い出なんて...

なんて...

そんなことを考えているとお父さんが入ってきた。

「りん、ゴミ箱はこれだけで...」

そう途中で途切れると私の手に目を向けた。

お父さんは目を向けた先に向かう。

そして、私の持っていた写真を見て

「りん、お母さんとの思い出はつらいかもしれないけどお父さんがいるから大丈夫だよ」

そう言い、私の後ろにいてくれた。

頼れる存在がいることに安心感がまた私にこみ上げてくる。

私は何かが吹っ切れたのかそこらにあった写真をゴミ袋に放り込んでしまった。

ずっと、苦しかった...

なんで、こんな道を進まないと行けなかったのか...

何もかもが嫌になって泣き出してしまった。

涙がどんどんたまる。

服はびしょびしょ

床にすらぽたぽたと垂れていた。

垂れていたら横でお父さんが

「りん、ゴミ袋後で持っていくから今は心を落ち着かせな...」

と、言い部屋から去っていった。

私のためにいつもありがとう...

本当にごめんね...

一旦心を落ち着かせた...

私決めたんじゃない...

だから、こんなところで泣いちゃダメ

そう思っても泣いてしまう。

人間ってこんなところダメだね...


私は結局1時間ぐらい泣いてしまった。

その後、ゴミ袋をお父さんに渡して私は最後に机の引き出しを掃除する。

机の中にはスケッチブックや筆がしまってあった。

これは取っておく。

私は変わるんだ...

そう思い私は消しゴムのカスなどを掃除する程度だった。

私は変わるんだ...

そう思い、掃除が終わって私は筆を取る。

筆を取って私はまず絵について勉強しようと思ってYoutebuへ向かう。

Youtebuにはたくさんの絵の講座が山のようにある。

私はとりあえず一番人気そうな動画を見てみる。

そこには絵を一回辞めてしまった人がもう一回立ち直るための方法やステップが分かりやすく描いてあった。

現代社会に生まれてよかった。

じっと、君を見逃さないでいたい。

ずっと、その画面にいてほしい。

そんな思いでその動画を見ていた。

見終わった後私はすぐにそれに取り組んだ。

それは息をするかのように進める。

私は、もう一回チャンスをつかむんだ。

そう思い、私はひたすら描いていた。

学校の勉強なんてもはやどうでも良かった。

どうにかなる。

どうにかなる...

私は一度ハマりだしてしまうとどうしても抜け出せず食事を抜いてまでやってしまう性格だ。

だから、タイマーをかけてやった。

一日に何時間って決めて描いた。

そして、描いたものは毎日どんな状況でもSNSに上げた。

幸いなことにクラスメイトや部活動関係の人にはアカウントを教えてなかったので病んでる言葉を発しても見られることはなかった。

SNSには色んな人がいる。

働きながら描いてる人、お父さんくらいの年齢で描いてる人、さらにその上の年齢の人、私よりも年下の小学生や中学生など

もちろん私と同年代の人もたくさんいたし不登校気味の子もいた。

私の知らなかった世界がそこには広がっていた。

でも、やっぱり最初の期間は症状は続いて毎日20分が限界だった。

日に追うことに少しずつ回復したけどそれでもタイマーの前に終わってしまうということが毎回のように続いていた。

夜中、眠れなくてチャットの友達欄を見てるという日々が続いていた。

チャットで友達に連絡を入れてみようと思うけどあんな状況の人を受け入れるわけないよな...

と、思っちゃうと書いては送らないで消すということしか私はできなかった。

そのくらいしか私には能力がないと思っちゃうとダメ

そんなこと考えない。

そんなこと考えない。

そんなこと考えない。

そう自分は念じた。

でも、なかなか消えなかった。

お父さんは診断を受けて会社を定時で切り上げてくれた。

もちろん、毎日定時なんて帰れるわけじゃないからたまに20時までいても帰ってこないということもあった。

その時は電話を私にかけてきてくれて今日は大丈夫だったか?

今日はどんな絵を描いたんだ?

と、私を励ますかのように言ってくれた。

電話の外からはうるさい声や大量のキーボードのクリック音がしていた。

次の心療内科までの10日間は体調がいい人悪い人の差が激しくそんな日々が続いていた。

心療内科2回目

この日は1人で行く予定だった。

だから、昨日の夜はタクシーを呼ぼうとして明日の朝に着くよう頼む予定だ。

お父さんは仕事でいないから一人でやるしかない...

この日も帰宅が23時を回っていた。

しかし、朝起きたらお父さんがいた。

私の認識では今日はどうしても外せない仕事があるから出ないと行けなかったのではないか...

「あれ...?お父さん仕事は?」

動揺する私にお父さんはあっさりと

「あぁ、別な人に代わってもらった。会社の上司さんから『可愛い娘を一人にさせてどうする!?病院ぐらい一緒に行ってあげな』ということで昨日怒られちゃってな...クビになったわけじゃないから安心しな」

そう笑いながら言ってきた。

まぁ、私一人寂しかったしね...

「今日の病院は15時からだからそれまでは...」

と、私が言っている最中に

「りん、今日は病院まで時間あるし長めのドライブなんてどうだ?」

と、私に問いかけてきた。

ドライブか...

最後に行ったのいつだっけという感じだった。

まぁ、ずっと家だったしな...

「いいよ、じゃあ30分後に出発でお願い。ルートはお父さんが決めていいよ」

そう言い私はリビングを後にした。

夏はまだ遠く、まだまだ朝が寒い季節

日中も気温は思うようには上がらずコートはまだ離せない存在となっていた。

戻るときの廊下が寒い。

30分後私は戻ってくる。

戻ってきたときお父さんはもう用意が終わっていた。

「りん、行くぞ!」

そう言い、私を励ますかのように玄関の方へ向かった。

私はそれについて行く。

玄関を開ける。

玄関のドアはいつもより軽く感じた。

でも、それはいつも見てきた風景のはずなのにどこか新鮮な気がした。

私は車へ乗る。

車の中は外気温と同じく寒く少し冷えた。

しかし、風がないから寒さは感じなかった。

お父さんが乗り込み発進する。

久しぶりに外に出かけるため私の心は自然とわくわくした。

まるでテーマパークに行くような楽しさがした。

車は住宅街を抜け長い道路へ走っていく。

少しするとそこは殺風景でのどかなところだった。

どことなくアニメなどで出てくるおばあちゃん家みたいな感じだった。

そのような風景がしばらく続く。

対向車はどんどん減っていき家もどんどん少なくなっていった。

まだまだ桜の咲かない季節なのにどことなく夏を感じる。

緑なんて少ししかないのにそれを感じた。

しばらくするとお父さんが脇道に入っていった。

小さな車だったのですぐに入れたが道幅はとても狭く対向車が来てしまったら終わるぐらい狭かった。

「お父さんこの道大丈夫?」

そう私が聞くと

「あぁ、もちろん!問題ないよ。大丈夫」

と、言いハンドルの操作を続ける。

私はその言葉を信じた。

しばらくすると、大きな道に出た。

目の前には海が見えとても眺めが良かった。

すごくきれい...

海なんていつ以来何だろう...

山から見える海というものはとても輝いていて美しさの塊だった。

そう私が眺めていると

「あれ?この道だっけな...?」

お父さんはそう言い路肩に止めてスマホを手に取って電話をかけた。

「おーい、道を間違えちゃったんだけどこの釣島海道って道で合ってるのか?」

電話から出た口はお父さんよりも若くどこか落ち着いている人だった。

「あぁ、その道を真っすぐに行ってくれ。そうしたら送ったところまですぐだから」

「はーい、また迷ったらかけまーす。」

そう言いお父さんは電話を切った。

「りん、もう少しだ。」

そう言いまた、車を走らせる。

しばらくすると車はある家の前に止まった。

その家はいかにも改築中でなぜか分からないけどいい感じだった。

鉄骨の足場がありまだ、外壁の塗装が終わっていなかった。

するとすぐにある男の人がやってくる。

「やぁ、来てくれたね。駐車場はあっちだから」

と、指を差した方向には駐車場があった。

駐車場に車を止め私はその未完成のお店へお父さんとさっきの男の人と向かう。

店の前へ行き玄関を開ける。

内装はもうすでに完成されておりカウンターやテーブルと椅子などがありいかにもお店みたいな感じだった。

私はテーブルに案内さえさっきの男の人とお父さん、そして店の奥から出てきた女の人と4人となった。

4人とも席に座りまずお父さんが

「りん、この人はここのお店の従業員の吉村建祐さんと達増愛華さん。そして、今日来てないけど塩田和令さんもいるよ。塩田さんは非常に優しい人だから大丈夫だよ」

と、私に紹介してきた。

ん...?

ちょっと待って...

ちょっと一気にきて分かんなくなりそうだから整理するために私は

「お父さん、ちょっと説明してくれない...?」

と、言うとお父さんは

「実はお父さん会社をこっちの方へ移動となってな。ここから歩いて15分くらいのところにあるんだけど。お父さん出張とかあって日中は一緒に居られないから今度からこの吉村さんと達増さんに昼間はお願いしようと思ってて...りんも寂しかったでしょ」

そう、いっぱい話したそうだけどできるだけ簡潔にまとめてくれた。

あたふたしているところが情けなかったのか吉村さんに話が移る。

「つまりだ。お父さんと一緒に居られるし昼間は私たちが見るということだ。私と達増さんはこの改築予定のお店で飲食店をやる予定でいる。その間この部屋の上の階でりんちゃんがいてくれれば大丈夫だし店の手伝いをしても大丈夫だよ。もちろん無理にとは言わないし...」

いつも一人だった身からすればかなり嬉しいことだ。

昼間一人でご飯を食べて絵を描くってやってたから話し相手が欲しかった。

あかりちゃんや山本さんなどは昼間学校だし夜だったとしても気まずくて連絡はできなかった。

多分素直に受け入れてくれるんだろうと思うんだけど私が許せなかった。

私がそれをすることが自分としてなぜか許せなかった。

恥ずかしかった...

私ってどこまで硬いんだ...

「ただ...」

そう、吉村さんが言い出した。

私は吉村さんが言うのを待った。

すると、吉村さんが

「もし、そうなると学校はどうがんばっても転校するしかない。それでもいいって言ってるかい...?」

と、私に聞いてきた。

私は一旦考えた。

このまま黙って学校から去っていいのだろうか

自分はこれからどうしたらいいのか分からなかった。

「少し考えさせてください...」

私はすぐに答えを出せなかった。

出せるわけない。

「そうだよね...ゆっくりでいいからね。」

そう吉村さんは言ってくれた。

すると、横で達増さんが

「りんちゃん、ごめんね。こんな不慣れなところでいきなりこんなこと言われちゃあね...」

そう言い、席を立って飲み物を持ってきてくれた。

達増さんの持ってきたものは赤系の色のジュースだった。

真っ赤ということではなくどこかピンク寄りに近い色だった。

「ジュース飲んで一旦落ち着いてみ」

そう達増さんは言い私の前に置いた。

ジュースはちょっと苦みがあったがそれでも甘さの方が勝っていた。

普通に飲めるしおいしい。

どこかあの味という感じにはならなかったがそれでも別なところへ来てるんだっていう気にはしてくれた。

ジュースを少し飲んでいると達増さんが

「りんちゃんって何が好きなの?」

と、聞いてきた。

私は少しためらいを見せようとしたがそんな暇はないように感じた。

そこで、すぐに

「絵が好きです...」

と、ちょっと小さな声で言った。

そうしたら達増さんや吉村さんが

「わぁあ!すごい!どんな絵を描いているの?」

私の話に食い込んできた。

そこからの時間は楽しかった。

私が主体の話となり色んな事を話せた。

絵のこと、好きな絵師さんのこと

話すとすごく嬉しそうに私のことほめてくれた。

特に愛華さんは元々小学校の先生をやっていたのかよく聞いてくれてた。

まるで、小学生の時に自由に話せるような気分だった。

こんなに話したのいつ以来何だろう...


帰る時、愛華さんと吉村さんは手を振って見送ってくれた。

嬉しかった。

楽しかった。

久しぶりにお父さん以外の人と話した。

なんでこんな気分がいいんだろう...

でも、学校のことが残っちゃう。

確かに2人ともいい人だ。

でも、私は山本さんやあかりちゃんともっと一緒に過ごしたい。

もう一回だけ学校に戻りたい気もした。

このもう一回も2回目なんだけどね...

そう思うと少し笑えてきた。

「りん、このまま病院行っちゃうけど大丈夫だよね?」

「うん、そのまんま行っちゃって大丈夫だよ」

鮮やかな景色がこの街には広がっている。

私はこの街でもいいかと思っていた。

病院まではしばらくかかるみたいだ。

でも、予約時間には間に合うから大丈夫

その間学校について私は考えた。

今、現在学校とは大きな問題がある。

フェンスよじ登り騒動、みんな嫌う幻覚幻聴、人と話すことなんてできない状況

この状況で果たして戻っていいのだろうか...

そう想えても来た。

誰も迎えに来ないんじゃないかな...

「ねぇ、お父さん...」

私は信号待ちでブレーキを踏んでいるお父さんに聞いた。

「ん、りんどうしたんだい?」

「私...学校どうすればいいと思う?」

お父さんは結構率直な答えが出た。

「個人の意見としてはもう変えちゃってもいいんじゃないかと思ってる。だって、もう戻っても多分余計心配かけちゃうんだろうと思っちゃうし...」

お父さんは結構あっさりとそんなことを言った。

申し訳ないがその通りかもしれない。

今は多様な選択肢のある時代だ。

このまま遠くへ行ったら新しく変われるかもしれない。

「お父さん...私、学校変えるわ...」

「重要な決断なんだからもう少し考えた方がいいわ。家に帰ったら考えよ」

そんな事を話しているとあっという間に心療内科に着いた。

病院に入ると今日は人が少なく私たち以外はほとんど居なかった。

そのためあっという間に受付が終わったので私は診察室へ向かおうとした。

「お父さん、待合室で待ってるから行っておいで」

そうお父さんは言ってくれた。

その言葉通り私を待合室で待ってくれた。

私は歩き出す。

前回と比べて一段と軽くなった。

足の重りが少しだけ取れたように感じた。

「三島さん」

私の名前はすぐに呼ばれた。

私は診察室に入るとそこには前と同じお医者さんがいた。

何気に前回見てなかったかこの人の名前斎藤さんって言うんだ。

「三島さん、調子は良いですか?」

斎藤先生が私に聞いてきた。

「はい、とりあえずは大丈夫です。調子もある程度回復してきましたし」

そう返した。

斎藤先生は続いて

「なら、よかったです。好きなこととかは...」

などと、複数の質問をしてきた。

すると、

「では、最後に。今、不安なこととかってありますか?」

と、聞いてきた。そこで、私は

「はい...学校についてなんですが転校の話とかですかね...」

と、返答をした。

すると、斎藤先生は

「今の状況から学校へ復帰するのはだいぶ厳しい状況だと思います。私としても転校をした方が三島さん的にいいと思います」

そう、私に言ってきた。

そんなにそうなのかな...

「少し、落ち着いてから考えてみてください。今は正常な判断がまだ乏しい面もあるので...」

そう言ってくれた。

なるほど

そう...なんだ...

そう思いながら診察室を出て待合室にいるお父さんの方へ向かう。

「りん、大丈夫だったか!?」

真っ先に心配してくれた。

これだからお父さんのそばにずっと居たい。

「うん、とりあえず薬の治療は継続で先生も学校は転校した方がいいって言ってた」

「そうか...りん的にはどうしたいのか?」

私なんてもう転校でいいよ。

でも、今言ったら早すぎるかもしれないし...

「もう少し考えてみる...」

「うん、それがいい。決めたらお父さんに言ってくれ。どんな決断でも応援するから」

そう言ってまた、頭を撫でてくれた。

子供にはこの決断つらいんだろうな...

そんな言葉がお父さんから聞こえた。

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