現状と変化


 ここに来るのも久しぶりだ。



 大型連休を毎年の通りダラダラと堕落した生活を送ることしか出来ない自分が腹立たしい。



 連休最終日、明日からまた平凡な日常が始まると考えると憂鬱だ。かといい、もう家ですることも無くなった。



 以前会ったに感化されて、久しぶりに読書でもしようかと思い立ったが、1度読んだ本はよほど暇じゃない限り読む気にならない。


 犯人を先に知っていれば、僕はホームズやポアロよりも先に事件を解決できる。


 ホントの本の虫ならそんなこと考えずに読むのだろうが。


 かといって、図書館に行ってまで本を読むという行動力は持ち合わせていない。



 そうなると、消去法でここに来るしかなかった。



 今日は風が心地いい。



 そんなことを考えながら、いつも通り下を見下ろす。



 さて、連休最終日は何故こんなにも憂鬱なのだろうか。


 憂鬱といえば、『サザエさん症候群』だ。


 社会人はサザエさんを観ると憂鬱になるらしい。

 サザエさんを楽しめない大人は可哀想だ。


 うつ病などなんなのが流行している現代社会、心のケアのためのアニメですら、トリガーになってしまう。

 本末転倒だ。

 波平に怒られてしまえ。


 そう考えると、今1番必要なのはカウンセラーなのかもしれない。

 心のケアは大事だ。



 カウンセラーで思い出した。



 昔読んだ本によると『海外ではいじめられた子をカウンセリングするのではなく、いじめた子をカウンセリングする』らしい。


 日本の仕組みとは真逆だ。


 被害者の子をカウンセリングして何になるのだろうか。

 本当に心に闇を抱えているのは加害者の方だ。


 加害者の闇を解消しないと根本的な解決には至らない。

 それがまだ分からない我が国の現状に涙がでそうになる。



 それに海外と日本ではまず前提が違う。



 海外ではいじめは起こることを前提とし、監視カメラや家庭環境の調整などをおこなっている国もある。


 しかし日本は、まずは事実確認。

 次に被害者のケア。

 そこから加害者への指導、と段階を踏む。


 しかし、事実確認からケアまでが長く、ケアまて行き届かない現状もある。


 やはり先進国に比べるとこの国は劣っている。



 それはこんな国じさつたいこくになるわけだ。



 そんな現状だから僕みたいな人間が出てくるのかもしれない。




 …………それは関係ないか。



 とはいい、今日は本当に風が気持ちいい。

 どこまでも飛んでいけそうだ。





 意を決して踏み出そうとする。


 しかし、足がついてこない。



 頭の片隅にの顔がチラつく。





 ────どうせならもう一度だけ



 そんなことを想いながら、また家路に着くのだった。


























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