#8 夏のあれこれ

買った時はきんきんに冷えていたはずのオレンジジュース。夏のぬくもりを抱きしめて、清涼飲料水としては死んでしまった。

夏みかんという言葉の知名度ほどには、夏にみかんを食べたことがない。みかんも皮を脱がないと暑いよね。救えなくてごめんね。

打ち上げ花火の不発弾と繋げなかった右手が、あの日の河川敷にまだ埋まっている。

掌で弄んでいた蝉の抜け殻がぐしゃぐしゃと崩れた。

これが私の、夏のあれこれ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

自動記述の巫女たち 行方行方 @kisasagisasaki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ