第10話 二人の過去
次の日起きると、子供たちが暁の布団の中に忍び込んで寝ていた
「いつの間に布団の中に…ここは鈍ったな」
暁は子供たちに気づかれないようにどいて、朝食を作った
「ん…パパ?」
「ぱ、パパ?!」
「よ、呼んじゃダメでしたか?」
「いや、少し驚いただけだよ…呼んで大丈夫だ」
なんだ…この高揚感は。配属が変わる前、私は空自ではなく陸自の特殊部隊だったが、危険な任務が終わった時以上に高ぶっている…
サファイアが起きてから少し経って、ルビーも目を覚ます
「朝食にしようか、今日はベーコンエッグトーストだ」
「美味しそう!!!」
「この上にのっているのは…もしかして胡椒ですか?!」
「ん、そうだけど…嫌いだったか?」
「いえそんなことはないです!でも…こんな高価な調味料を頂いてもいいのかと…」
「なんだ、そんなことだったか。いいに決まってるだろ、そのために人数分作ったんだから。ちなみに胡椒は私にとって高価ではないぞ?それよりも、食べようか」
「は、はい!」
「うん!」
子供たちは美味しそうにトーストを食べてくれた
「その首輪、邪魔そうだが…」
「これ、魔法の首輪で特殊な魔法をかけないと外れない物なんだよ…」
「外れてほしいか?」
「もちろん!けど、そんなことができる人が少なくて…」
私はスキルが使えるが、魔法は使えない…。しかし、この収納スキルを使えば外すことができるはず…
暁は、ルビーとサファイアの首輪を収納スキルで首輪をしまった
「これで君たちは自由だね」
「首輪が…外れてます…うっぐ…」
二人が少し泣き、暁が頭を撫でた。数分すると、なぜ逃げていたか話してくれた
「私たちは遠いところにあるフェル村に住んでいました。けど、私たちの特性のせいで奴隷にさせられました」
「その特性ってなんだい?」
「それは…魔法が唯一使えない子だからです」
「それは何でだい?」
「この髪がその証拠だからです。白髪は神に近しくて魔力量は多いですが、銀髪だと『神の怒りを買った髪だから』ということで魔法が使えなくなってしまったからです」
なるほど、大体は把握できたな…とりあえず目標としては私が居なくても戦えるようにしよう…そうしないと心配だ
「お父さん、これを聞いて僕たちを捨てないで!」
「なぜ捨てる必要があるんだい?」
「だって、僕たち魔力量少なくて魔法が使えないから…」
「大丈夫だ、私も使えないからな」
「「え?」」
魔法が使えないことを二人に言うと、驚かれてしまった
「では、どうやってこの森を生き残ったんですか?!」
「それは、戦う知恵があったからだね。じゃなきゃ今頃オオカミの餌だったよ」
「もしかして、チャージウルフですか?!」
収納スキルのアイテム欄を確認すると、チャージウルフと書いてあった
「そうだね、確かにチャージウルフだね」
「ランクBぐらいの魔物を倒せる強さ…お願いです!その力を私たちに伝授してもらえないでしょうか?!」
「僕からもお願いします!」
「良いよ、そのつもりだったからね」
「え、すぐに決めてしまっていいんですか?」
「あぁ、もう決めていたことだからな。だが、今日から少し厳しめに始めるぞ?」
「「はい!」」
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