第47話・一回目の【追憶の旅路】
「お、おい、何故お前がその指輪を持っている?」
露天商のオッサンから突っ込まれる。
あ。ヤバい。
どうしよう・・・。まあいいや適当に誤魔化そう。
俺は何事もなかったかのようにアイテムボックスに収納する。
「指輪?なんのことですか?」
両手を広げて見せる。
「あ。本当だな。すまん俺の勘違いだったようだ」
ヤベエ、NPC相手とはいえ間接的に盗みを働いたみたいで罪悪感が痛む。
お金払うか。
「さっきは質問に答えてくれてありがとうございます。これ御礼です」
俺は1万ゴールドを渡す。
丁度古びた指輪を狩った値段と同じ金額だ。
「い、いいのか?まあ、くれるというのならありがたく貰おう」
「はい大丈夫です。では俺はこれで」
露天商の所から離れた。
暫く歩き、当初の目的地であった鍛冶場へと向かう。
鍛冶場に到着したら受付の所で何も買わずに自分の部屋へと入る。
「さて、ここなら俺一人、誰もいない。これでゆっくりこの指輪を調べられる」
古びた指輪、否、追憶と輪廻の指輪を取り出す。
改めてみるが、どう頑張って見ても古びた指輪であった。
錆びていて黒ずんでて、非常に年季を感じる指輪だ。
「取り敢えず嵌めてみるか」
何となく指にはめてみた。
ピコン
装備されました。
所有者権限を確認します。
・・・・・・・・・・・・
確認しました。
肉体情報不一致。
魂情報一致。
・・・・・・・・・
製作者によるルールを確認します。
確認しました。
肉体情報は不一致でありが魂情報が一致している場合は所有者様本人である判断をします。
・・・・・・・・・
ピコン
プレイヤー名【ユウヤ】を暫定的な所有者として認めます。
一部権限を解放します。
エラー、エラー、エラー。
機能が壊れています。
権限の解放が出来ません。
エラーの発生していない権限のみを解放します。
・・・・・・・・・
権限・【追憶の旅路】が解放されました。
権限・【追憶の旅路】を使用しますか。
YES/NO
「なんか、一気に流れて来たな。【追憶の旅路】か・・・。よく分からないが、まあ、最悪俺には【死に戻り】があるし、やってみるか。男は度胸だ」
俺はYESを押した。
【追憶の旅路】を行います。
現在の所有者のレベルを確認します。
レベルは43です。
どの場面を追憶しますか。
エラー
エラー
え、ラ、ーーーーーー
選択が出来ません。
ランダムとなります。
よく分からない人工音声とけたましく鳴り響くエラー音を聞きながら俺は意識を失った。
―――――――――――――――――――
補足説明
とどのつまりどういうことかといいますと、1周目の世界の過去編です。
俺だけ【死に戻り】出来るデスゲームとかいうタイトルしてますが、これはデスゲーム大賞だからこんなタイトルになっただけで、この小説のメインとしては複雑にだけど単純に交差する1周目の世界を追憶していって、現在の2周目の世界の謎を解いたり、1周目の世界の仲間達を2周目の世界でも同じように仲間にしたり、逆に1周目の世界の裏切者を捕まえたりしてく感じです。
タイトルを変えるとすれば【このクソったれたデスゲームの世界はどうやら2周目なようです~尚、記憶は削除されてる模様~】
【デスゲームとなったこの世界、追憶の果てに何を想う】
【1周目の世界で最強の悲劇の英雄だった俺は2周目の世界では全てをハッピーエンドにする大英雄になります】等々ですかね。
俺だけ【死に戻り】出来るデスゲーム、略して俺死に、もしくは俺デスも気に入ってるんですけどね。
以上
補足説明終わり。
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