第46話・追憶と輪廻の指輪


「ユウヤ、リーナ。一丸に何があったか分かるか?」

 相川の質問は非常にごもっともであった。

 ただ、どうするか?答えるべきなのか?答えないべきなのか?


 ここで俺が【死に戻り】そして一周目の世界のこと含め全て話して説明しても良い。

 ただ、それは大丈夫なのか?

 

 正直な話をしよう。


 俺は相川を信用できないでいる。


 理由は幾つかあるが、特に大きいの一丸の態度だ。一丸はまるで相川が一周目の世界でとんでもない何かをやらかしたかのような態度を取っていた。

 となると、思い出していないだけで、何か理由があり一丸が相川を殺そうとした可能性がある裏切った可能性がある。

 真実が明らかになっていない状況、信じたくはないが相川が敵である可能性を考えれば不用意に情報は伝えるべきではない。


「どうした?ユウヤ?考えこんで」


「あ、いやこんなこと言って信じて貰えるか分からないが、何となく一丸から殺気を感じただけだ。直感めいたものと言ってもいいか?」


「なるほど。まあVRMMOの世界だしな。そういうこともあり得るのか・・・あり得るか?」

 ヤバい、流石に拙かったか。


「相川、実は私も何とく一丸から怪しい何かを感じてたの」


「リーナも感じ取ってたのか?そうか、なるほど。まあ、いいや取り敢えず一回町に戻ろうか」


「そうだな」

「ええ。そうしましょう」


 三人で町に戻った。





―――――――――――――――――





「ユウヤは今からどうする?俺達は一回冒険者ギルドに寄ってから、一丸について少し調べてみようと思う」

 相川にそう振られる。


「そうだな、まあ、俺は鍛冶でもして装備品を作ろうかな」

 死に戻りしたせいでせっかく作ったチート指輪、【精巧なミスリルの指輪】なくなったしな。

 魔力+50は普通に化け物強いから欲しい。


「そうか、じゃあもし良い装備品が出来て余ってたら売ってくれ」


「その時はチャットで連絡するわ」


「あ、良かったら私のもお願いね」


「分かったよ。リーナ」


「じゃあ、またな」


「ああ、また」

「またね。ユウヤ」


 かくして俺は鍛冶場に向かって歩いていく。


 歩いてる途中、古びた指輪を売ってくれたあの露天商を見かける。

 ふと古びた指輪売ってないかなと探してみるが、売っていなかった。


 ・・・・・・・・・


 え?


 そう、売っていなかったのだ。


「すみません。ここに業魔地帯で発見された古びた指輪置いてませんでしたか?」


「そういえばそんな指輪あったなって、あれ?ない・・・、すまねえ、どうやらどっかに無くしてしまったみたいだ」


「そ、そうですか。ありがとうございます」


 ・・・・・・・・・


 え?どういうことだ?

 無くした?

 意味が分からない?

 誰かが盗んだとか?


 自分のアイテムボックスを確認してみる。


 件の古びた指輪があった。


 ・・・・・・・・・


 え?

 え?

 え?


 何でだ?

 何で古びた指輪がある。

 呪いのアイテム?


 俺は軽く恐怖しながらアイテムボックスから出して完全鑑定をする。


 【追憶と輪廻の指輪No784+666】・☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 これは○○○と△△が捨てられたダンジョンコアとシステムと・・・・・・・・・を流用して生み出されている。

 この指輪作成に当たり、783回の失敗が重ねられており、ようやく出来た完成品を更に特殊なアイテムに○○や○○に○○を流用して強化がされ、いずれ来たるであろう未来の為に残された指輪である。

 追憶と輪廻を司り、デスゲームというこの世界において禁忌でありチートである死者を蘇らせる可能性を持った指輪である。

 この指輪はシステムに干渉が可能であり、○○○と△△の魂を持った存在にしか使えないが、その者の手に渡りさえすれば力を発揮するであろう。

 また、この指輪の力は多岐に渡り、○○○○○○○○や○○○○に○○○○等々様々な能力がある。

 長年の間、一切のメンテナンスが行われずに魔力の濃い場所にて放置されていた為に大きく劣化している。

 ただ、然るべき場所に安置すれば自動修復機能により修復をする可能性がある。


「え?ナニコレ?」


 俺の想像の斜め上を行くとんでもない情報を書かれていた。

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