第33話・初めての死に戻り
こっから急展開を迎えます。
では、どうぞ。
――――――――――――――――――――
森の中に到着した。
魔物討伐の為に魔物を探そうとするが、探すまでもなく、少し歩いただけでオークやさっき倒したオーガ、ウルフ等の魔物が見つかる。
流石に囲まれたらひとたまりもないので、音を立てないように気をつけながら、一匹で活動してる魔物を狙い攻撃を行う。
最初に選んだ標的はオークだった。
そっと後ろから近づいて攻撃しようとする。
グサリ。
「グハ」
血を吐いた。
誰の血?と問われれば、俺の血だった。
俺の胸からはナイフが生えていた。
余りにも意味の分からなさすぎる状況に混乱しながらも後ろを向くと、そこにはゴブリンがいた。
ゴブリンの持ったナイフが俺の心臓を貫いていたのだ。
「ああ、これは予想してなかったわ」
慌てて反撃しようとするが時既に遅く、もう一度ナイフで心臓を刺されて俺は全てのHPを全損して死亡した。
死亡しました。
ユニークスキル【死に戻り】が発動します。
【死に戻り】する時間を選択してください。
00:00
真っ暗な世界の中、俺の目の前に00:00という画面が現れる。
「この数字を変えることで自由に死に戻りの時間に出来るってことか?」
数字を一つだけ変更したと念じてみる。
00:01
「なるほどね。思い通りに数値を替えられると、そういえば?今ってゲームが開始してから24時間も立ってないよな?これMaxまで数値を変更させたらどうなるんだろ?」
数値の変更を念じる。
24:00
数値はここまで変更が出来た。
24、そのまんま受け取るならば24時間、1日ということだ。
スキル説明通りであれば【死に戻り】出来る限界地点だ。
ただ、まだこのデスゲームが始まってから1日も立ってない筈だ?
あれ?
この状態で24時間の死に戻りをしたらどうなるんだろ?
・・・・・・・・・
試してみるか。
流石に死ぬなんてことはないだろ。多分・・・ええい、男は度胸だ。
やったれ。
24時間の死に戻りを行いました。
意識が途切れる。
そして、覚醒する。
目を開けたら、そこには10メートル以上の巨体を持ち、禍々しいオーラを放ち、頭には角、背中には翼、魔王という言葉がしっくりとくる化け物がいた。
そして、そんな化け物相手に複数の人が戦っていた。
剣を操り、魔法を行使して戦っていた。文字通り死ぬ気で戦っていた。
「おい。何を呆けてるんだ。ユウヤ。魔王・サタンを倒してこのクソったれたデスゲームを終わらせるんだろ」
隣にいる、知らない奴が俺にそう叫んだ。
「え?お前は誰だ?」
「何を言ってるんだ。ユウヤ、こんな時にふざけるなよ」
ふざけるな?こっちの台詞だ。
本当にこれはどういうことなんだ?
一人のプレイヤーの放った水魔法によって、地面のくぼみに水が貯まっていた。
その水にはリアルの俺の顔が映っていた。
「何で、リアルの俺の顔なんだって?」
「当たり前だろ。この世界がデスゲームになった時にキャラメイキングを元に戻されただろ。そして今ようやく最後のボスを倒して全員を解放するんだろ」
何だそれ?SA〇じゃん。
というか、デスゲームって?いや、そもそも?俺はいや?これはどういうことだ。
24時間の死に戻り・・・もし仮にこれが24時間前の出来事だと仮定しよう。
24時間前、つまり根本的にゲームが始まる前の出来事、そして、明らかなラスボス感あふれる敵との対戦。
あれ?あれ?あれれ?
もしかして繰り返してる?実は1週目じゃない・・・?
な訳・・・
「ユウヤ、逃げろ」
声を掛けられ前を見ると、目の前に大きな火球が迫っていた。
避けなければそう思うが上手く、体が動かなかった。
まるで金縛りにでもあったかのような。
ドン
味方の水魔法が俺の体に直撃する。
おかげでというべきか、俺の体は吹き飛ばされ火球から回避出来た。
「ユウヤ、何してるの。皆の意思を継ぐんでしょ。イトの想いを無駄にするつもりなの」
金髪の女性に怒鳴られた。
その女性は何処かであったような謎の面影を感じた。
というか待て?イト・・・?誰だ?
文脈から俺の大事な人って感じがするが・・・一切記憶にない。
「ユウヤ本当にどうしたんだ?まさか運営からの攻撃か?」
「あり得る。あのクソ運営なら、やりかねない」
「取り敢えず、今はユウヤを守るぞ。かつて俺達が守られたようにな」
皆が、俺の仲間であると思われる彼ら彼女らが俺の為に行動してくれる。
文字通り命懸けで俺を守ろうとしてくれる。
俺は何をしたんだ。
何を成し遂げたんだ?
俺は・・・俺は・・・俺は・・・
「ユウヤ、リアルの世界に戻れたら結婚しようね」
まるで走馬灯のように記憶が流れた。
俺の目の前にいるのは一人の可憐な少女だった。
綺麗で長い黒髪、身長は150㎝後半、いつも笑顔で、俺を支えてくれた俺の大切な人。
このゲームで出会い、愛し合い、将来を誓った。
そんな彼女には秘密があったのを覚えてる、このデスゲームの出資者の一人の妾の子であったということを。
そして、あの日、このデスゲームの真実を全て教えて貰った。
人間を辞めてまで生にしがみつく愚かな上級国民による、悍ましき、あの真実を・・・
頭が頭が痛い。
割れる様に痛い。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
「俺は・・・俺は・・・俺は・・・一体・・・・・・
何を知って、何を成し遂げたんだ・・・」
――――――――――――――――――――――
これを書きたかった。
因みにやろうと思えば後5万文字程度で完結まで持ってくことも出来なくはないけど、というか、デスゲーム大賞応募する時は持ってく気だったけど、もう時すでにお寿司が回転しまくって、燃え盛る程度には何もかも遅いんで色々と書きます。
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