第29話・俺TUEEEというか武器TUEEE


 色々あって、頑張って星3武器を作った俺なのだが、一つ大きな問題が起きた。

 お金が一切ないという問題だ。

 これについては100俺は悪いのだが。


 まあ、うん。

 普通に不味いね。

 先立つ物がなければ、何をしようにも困るからな。


 といってもやることなんてのは決まっている、魔物討伐だ。

 魔物を倒せばお金も稼げるだろうし、levelも上がって強くなれるだろうし、何よりも楽しい。

 死に戻り持ってなかったら、流石に怖いしもっと準備をしていっていたと思うが、何、俺は最悪死に戻れるからな。


 でえじょうぶだ、ド〇ゴンボールで生き返れるって状態だな。

 いやまあ、少し・・・かなり違うかもだけど、ハハハ、草。


 さて、じゃあ町を出て魔物討伐に興じますか。


 俺は鍛冶場を出て、町の外へと繋がる門に向かって歩いた。


 テクテクテクテクテクテク


 歩いてる途中、俺以外のプレイヤー達が、買い物を行っていたり、片っ端からNPC否この世界の住民に話しかけていた。

 前者はおそらく準備を万全に整えてから魔物討伐に出向こうとしていて、後者は何かイベントが発生しないのか探してるのかな?

 まあ、デスゲームとなった世界だし、情報も準備も諸々取り過ぎるくらいが丁度いいだろう。


 まあ、俺は死に戻りがあるからそこまで気にしないけど。


 町の外へと繋がる門の前に出る。

 門番がいたが、外に出て魔物討伐をしに行くと説明をしたらすんなりと通してくれた。

 正直、職業を選択してないし、防具も買ってないので、初期装備であるシャツと短パン状態の俺をよく通してくれたなと思うが、この世界がゲームってことを考えたら、まあ、納得は出来た。


 町の外には広い草原が広がっていた。

 キャラメイキングの時の草原と同じ感じだった。

 ただ、違う点をあげると、プレイヤー達が数十名くらいもいるということだ。


 つか?あれ?


 魔物いなくね?


 プレイヤーは確かにいる。

 プレイヤーはいるのだが、魔物はいない。

 

 あ、分かった。

 これもしかしなくてもリポップ待ちしてない?


 デスゲームとなったこの世界だ。

 当たり前の話、皆安全マージン取りたいだろうし、多少レベルが上がって、次の狩場いけるぞってなったとしても雑魚狩りを続けるだろう。

 

 そんでもって、まだこのデスゲームは始まったばかりだ。レベルの方は全然上がってないだろうし、何かの拍子で死んだら、否、怪我したらってだけでも怖いだろう。

 それは、すぐに安全な町へと逃げ込めるこの草原で狩りしたいし、充分なレベル上げしたわな。

 それで、こんな草原に魔物が一切いない状況となってるのか。


 となると、俺はこの草原で魔物討伐ってのは諦めるか・・・。うん諦めて、進んでみよう。


 大丈夫だ。俺は死に戻り出来るしな。


 俺は草原を歩いていく。

 初期装備で前に進んでる俺を見て驚いたような表情をしたプレイヤーは何人かいたが、まあ何があるか分からないデスゲーム、傍から見ればの自殺志願者、関わってもろくなことがないので、特に誰にも話しかけられることはなく、進めていけた。


 ひたすらに歩いていた時だった。


 森が見えてきた。


 おそらく次のステージだろう。 

 確実に今の俺はこのステージの適正レベル以下だろうし、普通は自殺行為に他ならない、実際、現在レベル1&初期装備、そんでもっての戦闘経験ゼロとかいう状況だからん。

 我ながら狂ってるわ。

 まあ、俺には星3武器という強い味方もいるし、最悪死に戻れるし、でえじょうぶだ。


 という訳で一切の躊躇をせずに森の中に足を踏み入れる。


 魔物に奇襲をかけられたら一発でアウトなので、音を立てないように、忍び足で周囲を警戒しながら歩いていく。

 歩いていると早速魔物を発見した。

 さっきの狩尽くされて魔物ゼロの草原とは大違いであった。


 見つけた魔物は2メートル後半くらいの割と大きな図体に手には大剣を持ち、頭には小さいながらも角を生やした筋骨隆々の緑色した化け物。パッと見の印象は鬼、否、このデスゲームのタイトルがマジック・ワールド・ファンタジーというのを考えれば、鬼ではなくオーガがそこにはいた。


 取り敢えず、足狙って攻撃してみるか。

 死に戻りもあるし、駄目で元々だ。


 俺は忍び足で息を殺すようにかがみながらそっとオーガの足元に近づいていく。


 後40㎝という所まで来たら、星3武器をアイテムボックスから取り出して、走った。

 オーガの足に向けて星3武器をフルスイングした。


 ブオン


 という風を切るような音と共に、俺の放った攻撃はいとも簡単にオーガの足を切断した。


 ズド~~~ン


 いきなり足が切断されて倒れるオーガ、近くの木々が揺れる程の大きな音が響く。

 星3武器の余りの切れ味に驚きつつも、倒れたことにより無防備にも首を晒しているオーガに近づき、星3武器で首を切断した。


 ピコン

 この世界で初めてオーガを討伐しました。

 称号【オーガスレイヤー】を獲得しました。


 ピコン

 この世界で初めてレベル差が10以上ある魔物を討伐しました。

 称号【ジャイアントキリング】を獲得しました。


 ピコン

 この世界で初めてレベル差が10倍以上ある魔物を討伐しました。

 全ステータスに+10ポイント分加算されました。


 ピコン

 職業を選択していない上での初めての戦闘でレベル差が10倍以上の魔物を単独で討伐しました。

 これは非常に素晴らしい偉業です。


 運営からキングスキル【戦闘王(1%)】が与えられました。 


 ピコン

 世界で初めて王系統スキルを獲得しました。

 称号【始祖の王】を獲得・・・・・・・・・出来ませんでした。

 王系統スキルの完全開放が出来ていません。

 代替えとして、現在のプレイヤーに最も必要なスキルを与えます。

 ・・・・・・・・・

 特殊スキル【完全鑑定】が与えられました。


 ピコン

 経験値を獲得しました。

 称号【ジャイアントキリング】の効果により経験値が増加しました。

 レベルが36上昇しました。


「なんか、色々来たけど、一個だけ確実なことがあるわ、星3武器TUEEEEEEEEE」





―――――――――――――――


 という訳で次回ステータス回&説明会。

 ノリノリのウキウキで書くぜ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る