第22話・生贄投票・後編
「さて、じゃあこの4人のプレイヤーキラーの誰を生贄にするか投票をしようと思う。
一人目の知り合いと揉めて殺しちゃった、プレイヤーを生贄にするのが良いと考える人」
ちらほらと手が上がるが、まあ1割程度だった。
「二人目の条件2を達成しようと殺しを重ねたプレイヤーを生贄にするのが良いと考える人」
一気にバッと手が上がった。
大体8割程度だった。
圧倒的人気過ぎて少し驚いたが、まあ、考えてみれば、生贄にされかけて反撃するプレイヤーの気持ちは分からなくないが、そういうのではなく条件2を達成の為に人を殺したプレイヤーの方が圧倒的に悪質だな。
「よし。じゃあ、このプレイヤーキラーを生贄として1位にさせるというのでいいか?」
「ああ。問題ない」
「俺も賛成だ」
「私も賛成です」
「俺もだ」「僕もだ」「問題ない」
皆が賛同してくれる。
「よし。じゃあ、コイツを生贄にするということで、普通にじゃんけん大会を行おうかといいたいが、残りのプレイヤーキラー3人の対処をしなければならないから、何人か俺と一緒にわざと負けてくれないか?
この3人をいつまでもここで拘束するという訳にはいかないだろ。
生贄にする一人を除いてわざと負けさせて、戻った後すぐに拘束を行う人が必要だからな」
「分かった俺はわざと負けよう」
相川は賛同してくれる。
「うむ。俺も悪人を野放しにするのは良くないと思う。
だから俺もわざと負けよう」
熱血さん・・・ありがたい。
「ハア、プレイヤーキラーの生贄案を出したのも私だしね。私もわざと負けるわ」
「じゃあ。俺もわざと負けよう。このデスゲームをまだ楽しみたいって思いもあるしな」
「俺も負けるよ。その代わり自治ギルドでの情報優先権でもくれよ」
「お。それはいい。じゃあ俺も負けるよ」
「俺リアルで刑務官やってたんだ。俺が手伝わないなんてナンセンスだな」
「人数はいた方が良いだろう。俺も手伝うよ」
「どうせ僕は運悪い、じゃんけん大会に勝てないだろうし手伝うよ」
数々のプレイヤーが賛同をしてくれる。
おそらく人数で言えば50人程度だろう。
全体の人数が900人以上はいると考えれば少ないかもだが、50人もいれば十分にこの3名のプレイヤーキラーを拘束できるだろう。
うん。非常に素晴らしいな。
「皆、ありがとう。じゃあ、俺達負ける組は今からわざとグーを出す。皆はわざとパーを出してくれ。そんで生贄にすることが確定してる一人にもパーを出させてくれよな。
あ、それともちろんだが、絶対に他の人をキルしてログアウトしようだとか考えるなよ。
戻って来た瞬間に指名手配を行い全プレイヤーが追いかけるからな。
そんでもって捕まったら最後、同じようなイベントが開かれた際の生贄にされる、ようは実質的に無期懲役&死刑囚みたいな扱いをされるからな。
分かったな。
後、これも分かってると思うが、途中人数が10人程度になれば、わざと全員でチョキ出して、生贄にグー出されるって対応はしろよな。
拘束する人数足りなくて生贄が暴れてキルされてログアウトされましたとか一番洒落にならないからな」
一応、伝えたいことだけ伝える。
割とリアルに生死がかかってる上に今の所、リーダみたいな役割をしてる俺の言葉だけあって皆真剣に聞いてくれた。
多分全員に俺の声は届いてる筈だ。
「よし、大丈夫そうだな。じゃあ、俺達はわざと負けるぞ。
皆、準備は良いか~~~」
「「「はい」」」
「よし。良い返事をありがとう。最初はグー、じゃんけんパー」
ピコン
ドキドキワクワクじゃんけん大会・2回戦に敗北しました。
元の位置に戻ります。
一瞬視界が暗くなった後、目を開けたら、最初にいた、中世ヨーロッパの町並みが広がっていた。
「ああ。戻って来たな。さぁて、自治ギルド作成にプレイヤーキラーの拘束か。ハハハ。ああ、本当に楽しいな、ゲームは」
俺は無意識のうちに心の底から楽しそうな笑みを浮かべていた。
――――――――――――
因みにここまで読んでくださってる皆様は気が付いてると思いますが、主人公はこのデスゲームとなった世界を楽しむつもりでいます。
スキル【死に戻り】があるからと割とめちゃくちゃします。デスゲームな筈なのに主人公だけ、文字通りゲーム感覚、遊び感覚です。
ただ、主人公が自分の異常性に気が付くのはまた少し先のお話であり、主人公の周りは主人公の異常さに少し引きつつも逆にそれが頼りになると仲間が増えてく的なっていうのをやるつもりです。
正直、じゃんけん大会の時点で無限死に戻り戦法を使えば容易に1位になれますし、ログアウト出来てますからね。
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