第19話・ドキドキワクワクじゃんけん大会・二回戦
ピコン
【ドキドキワクワクじゃんけん大会・二回戦が始まるよ。
ルールは簡単。
現在控室にいるメンバー全員で今からじゃんけん大会を行って貰うよ。
この勝負は負けても一切ペナルティーがないよ。
つまり、最下位になっても一切問題はなし。
じゃあ、報酬はないのかいって?いや、ちゃんと報酬もあるよ。
3位の報酬はなんとログアウト出来る権利。
2位の報酬はな、なな、なんと、死亡してしまったプレイヤーを1名自由に復活出来る権利です。
イエーーーイ。パチパチパチパチ。
そして、1位の報酬は、この恐ろしいデスゲームからの解放、クソみたいな人生からの解放、つまり処刑です。
イエーーーイ。パチパチパチパチ。
さあ、ドキドキワクワクじゃんけん大会2回戦、楽しんでね】
俺含め控室にいたプレイヤー全員が転移した。
――――――――――――
「なるほど。そう来るか運営」
まさかの1位が処刑というクソルール。
生贄方式を使わせない気だな。いや、まあステータス的に差があれば使えなくはないが、まあ、そんなのが出来るのは聖騎士であるリーナさんくらいだな。
「ああ。本当だな。ユウヤ。しかし困ったな。これじゃあ生贄方式が使いにくいな」
「確かにそうだな。・・・どうする相川?」
「どうするもこうするも、取り敢えずどっかでわざと負けるしかないだろ。俺は間違って勝って1位になって死亡なんてのはごめんだからな」
なるほど、相川はそう考えるか。
確かに理には適ってるし、納得出来るな。
待て?これを上手く使えば、俺のスキル【扇動】のlevel上げに使えるんじゃね?
・・・・・・やってみるか。
「なあ、皆聞いてくれ。良かったら、リスクを取ってでもじゃんけんに勝って、3位ないし2位を狙いたいチームとリスクを取らずに巻けて早く退場したいチームに分けないか?
前者は右側に後者は左側に分かれるって感じでさ」
・・・・・・・・・
俺の言葉に一瞬だが沈黙が走った後、意図を察してくれた相川が反応をしてくれる。
「俺はその意見に賛成する。余計なリスクを負いたくないし、負けて早々と退場出来るのならばそれに越したことはない」
相川のその言葉で周りがざわざわとしだす。
「確かに、そうだな・・・」
「ああ、俺も余計なリスクを負いたくないな」
「ここで負けて退場するのはありだな」
「また開催されるであろうイベントで帰れる可能性もあるしな」
「無理に今帰らなくても・・・」
俺の意見に賛同という風潮が流れて来た。
「特に反対意見がないようであれば。皆さん分かれましょう」
俺がそう告げた時だった。
一人の女性プレイヤーが手を挙げて発言した。
「すみません。その意見には賛成なのですが、犠牲となる優勝者一人はさっき人を身勝手にも殺した悪しきプレイヤーから選びませんか」
凛とした声でそう告げた。
「確かに、そうだな」
「ああ、悪人だし。死んだ方がいいもんな」
「これなら一位の死ぬというリスクなしで二位と三位を選べるわけか」
あ、ヤバい。これはヤバい。そして凄く不味い。
何が不味いって、この流れだと、安全に2位3位が選べるから争いが起きてしまう可能性があるということだ。
そして、何よりも人を殺しているプレイヤーが生贄にされる恐怖から後9人殺してログアウトしようと考えてしまう可能性がある。
それは更なる混乱と犠牲を生み出してしまう。
しょうがない取り敢えず、今この場で俺のする行動は一つだな。
「人を殺したプレイヤーの顔は覚えてるな、今すぐ確認して、全員で拘束しろ。そいつが暴れて他のプレイヤーに対して危害を加える前にな」
大声で叫んだ。
その声に反応して人を殺してるプレイヤー、もとい、プレイヤーキラーは逃げようとするが、逃げれる訳もなく、また抵抗しようとしても、数は力ということであっという間に捕まえられて拘束される。
ピコン
スキル【扇動】のlevelが2になります。
ピコン
スキル【大声】level1を獲得しました。
お、スキルlevelupにスキル獲得も出来た。
素晴らしいな。
され、素晴らしいのはいいのだが・・・今捕まえられてる人を殺してると拘束されているプレイヤー4人。
さあ、どうしようかな?
この対応次第で下手をしなくても大量の犠牲が出るぞ。
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