第14話・控室
「さて。敗北者は一人出たわけだし。ここは平等にじゃんけんをするってのでどうだ?死ぬわけじゃないんだしさ」
俺の提案は皆から受け入れられ、平等にじゃんけんをすることとなる。
31人でのじゃんけんはあいこが連続ででくまくったので、適当に3つにチーム分けしてじゃんけんを行う。
何回かあいこになりながらもじゃんけんをしていって、一人また一人と脱落していく、俺も最後10人くらいの所まで残ったが惜しくも敗れてしまう。
そしてじゃんけんに負けた瞬間に控室に転移させられた。
――――――――――――
控室は待合スペースと似たような感じの場所だった。
ただ一つ違うことがあるとすれば、空中に大きなモニターが浮かんでおり、そこに現在じゃんけんを行ってる人たちが映し出されているということだった。
そのモニターは全部で30個あり、幾つかのモニターは真っ白な何もない画面を映し出していた。
どうやらそこはじゃんけんが終わっているのであろう、逆にいくつはまだじゃんけんすら始まっていなかったり、誰かを生贄にする為の恐ろしい殴り合いないし殺し合いが始まっていた。
正直見ていて気持ちの良いものではなかった。
バシュ
人が死んだ。
じゃんけん大会にて生贄に選ばれかけた人が、短剣を持って、人の首を掻っ切ったのだ。
「10人ぶっ殺して、僕はログアウトしてやる。生贄になんてなるもんか」
そいつは叫んでって、あ、他の人達が危険人物と判断したのか襲い掛かって、拘束される。
そのまま、強制的にグーの状態にさせられて、負けた。
「うわあああ、地獄だな」
知り合いとかでもない、他人、更にはモニターを隔ててるから割と冷静にこの光景を見ることができるが、中々にバイオレンスだ。
これがデスゲームか・・・
まあ、でも命がかかってるんだ。
無理はない。
「ああ。胸糞が悪いな」
「そうだな」
俺の呟やきに返答が返って来た、慌てて隣を見ると、相川がいた。
「相川、お前もじゃんけんに負けたのか」
「まあな。といってもこの場合はじゃんけんに負けたけどある意味では勝ったって表現が正しいかもな」
「確かにそうかもな・・・」
「なあ、ユウヤ、さっきお別れする時にお前命を大事にって言ってたよな?もしかしなくてもこの世界がデスゲームになるって知ってたのか?」
あ、ヤベエ。
これどう誤魔化そうか。
いや?誤魔化すべきなのか?どう説明をしよう?
え?マジでどうしよう。
しかも、相川のこの目、表情、まるで俺がデスゲーム運営の一人じゃないか疑ってるようだな。
いや、ようだじゃないな。
でも実際問題あり得そうな話だしな、プレイヤーの中に紛れ込む運営ってのも。
え?マジでどうしよう。
「なあ、答えてくれよ。ユウヤ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます