第5話・この世界がデスゲームだと知った

 特殊スキル

 【完全ランダム】・・・この世界に存在するありとあらゆる全てのスキルからランダムに一つ選ばれる。

 必要スキルポイント100


 俺の目の前にあるのは天国が地獄のパンドラボックス。

 当たりのスキルが引ければ無双・俺TUEEEも夢じゃない。

 だけど外れの使えないスキルを引けば貴重な初期スキルポイント100を全部ゴミに捨てちまい、他のプレイヤーから大幅な遅れをとってしまう。


「ああ。なるほどね。これは脳汁が出るなぁぁぁ。おい」


 正直悩む。

 悩む。

 超絶悩む、悩むがしかし。


「これはゲームだ。VRMMOゲーム・マジック・ワールド・ファンタジーだ。そうゲームなんだ。現実じゃない。失敗しても死ぬわけじゃないんだ。

 じゃあ、やることは一つだよな。どうせゲームならこういうギャンブルに興じるのもまた一興って奴だ」


 俺は特殊スキル【完全ランダム】の獲得ボタンを押した。


 ピコン


 特殊スキル【完全ランダム】が世界で初めて獲得されました。

 ランダムで選ばれるスキルが最低でも1000スキルポイント以上のスキルとなりました。


 ・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・



 ピコン


 オンリーワンスキル【死に戻り】を確認しました。


「オンリーワンスキル【死に戻り】?なんじゃそれは?え?リ〇ロ?取り敢えず詳細を表示」


 オンリーワンスキル

 【死に戻り】・・・何かしらの要因で死んだ際、全てのデスペナルティを無効にした上でゲーム時間の1日前に戻ることが可能。

 尚、獲得した装備類及び経験値は全て1日前に戻るが獲得したスキル及びスキル熟練度、一部隠しステータスは引き継いで戻ることが可能。

 

「は?死に戻りって?え?このVRMMOゲームで?どういうことだ?このゲームはオープンワールド型でありサーバごとに分かれてはいるものの全てのプレイヤーが同時にゲームをする筈じゃ・・・なのに死に戻りが出来る・・・?

 そんなの不可能なんじゃ。だってそれって他の人のデータも一緒に戻るってことじゃ・・・・・・」


 ふと、俺の頭の中にとある超絶有名であり、ライトノベル界隈、特にVRMMOというジャンルにおいて神として君臨している有名過ぎるあの作品が頭に過った。


 それと同時に嫌な予想を立ててしまった。


「もし仮にこのゲームがデスゲームとなったとして、全員がログアウトできなくなったとしよう。

 そしてゲーム内のデータを全て巨大なクラウドに保存して、俺を除くプレイヤーのゲーム内1日のデータを脳波を弄って全削除して、1日前の保存してるデータに上書きすれば・・・死に戻り出来るんじゃね?

 いやでも、脳波を弄るとか現実的じゃないかも・・・あ、大学の課題で読んだ論文に脳波を弄ることで記憶の操作が出来るって・・・あ。あれ?あれ?あれれ?

 もしかしてこれってヤバい?


 ・・・・・・・・・・・・


 デスゲーム?」


「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ。な訳、な訳ないよな・・・」


 でも、一度感じた不安はずっと襲い掛かる。


「ログアウトだ。今すぐにログアウトする。ログアウトさせてくれ。このゲームをやめさせてくれ」


 俺は叫んだ。

 叫んで叫んで叫んだ。

 死に物狂いで叫んだ。


「現在、ログアウト機能は運営により削除されています」

 Iちゃんが、さっきと同じ合成音声でそう告げた。


「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ。おい、おいおいおいおいおい、待てよ待てよ待てよ。待てよ~~~~~~~~。何か、え?マジでか?本気でか?本気でこの世界はこのゲーム、世界初のVRMMOゲームマジック・ワールド・ファンタジーはデスゲームになったてことか?」


ピコン

世界で初めてこのゲームの真実の一つ【デスゲーム化】に気が付きました。

称号【真実の眼】を獲得しました。


無慈悲な機械音声が俺の頭に響いた。


そして確信してしまった。


確信さざる負えなかった。


「ああ、デスゲームに俺は巻き込まれてしまったのか」



 と。


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