第3話・キャラメイキング


フャーーーーーーーーーーー


頭に機械音が響く。


【リンクが完了しました】


【ようこそ。マジック・ワールド・ファンタジーの世界へ】


 目を開けるとそこは草原だった。


 どこまでも果てしなく広がる草原であった。

 肌には実際に風が伝わり、草の匂いがする。


「これが、VRMMO。本当に現実と変わりない世界。ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ。最高じゃないか」

 

「こんにちは。今からプレイヤー様のキャラメイキングを担当する。AIロボットです。よろしく。AちゃんでもIちゃんでもロボでも好きな名前で呼んでください」

 30センチくらいの白い球体で真ん中にあるモニターのようなもので表情を表してるロボットが宙に浮いてが現れた。

 

「ああ。よろしく。Iちゃん」

 好きなアニメキャラが頭に浮かんだので、何となくでIちゃんと呼ぶことにした。


「じゃあ。今からキャラメイキングを始めます。まず今あるアバターはプレイヤー様の現実の肉体と全く同じものとなっています」

 

 大きな鏡が現れたので姿を見ると、そこには見慣れた自分の体があった。

 倫理的観点からか、薄手のシャツとパンツをした状態の自分の体が。


「この状態からプレイヤー様の思う通りに容姿を変更できます。変更の仕方は2種類あります。

1種類目はプレイヤー様の思念電波を読み取ってキャラメイキングをする方法。

2種類目はアバター情報数値をプレイヤー様が変更してキャラメイキングをする方法です。

プレイヤー様はどちらにしますか?」


「そういえば思念電波システムがあるって言ってたな。なるほどね、前者は初心者向け、後者は俺みたいにある程度ゲームをやってる人向けってことかな。ああ、でもここはせっかくだし、前者を選ぶか」


「前者、1種類目の方ですね。かしこまりました。キャラメイキング方法を変更したくなったらいつでもいってください」


「分かったよ。ありがとう。さて、じゃあやってみますか」

 取り敢えず俺は好きなアニメキャラをイメージしてみた。

 まずは無難に阿良〇木君だ。

 

 まんま、阿〇々木君になった。


「おお。凄いな。本当にイメージした通りになったよ。これ他のアニメキャラも行けるんじゃね?」

 

 暫く色んなアニメキャラに姿を変更して遊んでみた。


 一通り遊び終わった後に我に返る。


「流石にアニメキャラでキャラメイキングを終了させるのはアレだな。著作権的にも揉めそうだし、無難に今の俺をイケメンにした感じにするか」

 イケメンになった自分をイメージするが、アニメキャラになった。


 もう一回イメージするアニメキャラになった。


 諦めずにもう一回やるアニメキャラになった。


 今度こそもう一回、アニメキャラになった。


 しっかりとイケメンになった自分を・・・アニメキャラになった。


 結論、何をしてもアニメキャラになってしまう。


「落ち着いて考えればそうだな。イケメンになった自分って想像出来ないわ。どうしてもアニメキャラが頭をちらついてしまう。なるほどね、思念電波って難しいな。普通に後者でやるか」


「キャラメイキング方法を変更しますか?」

 俺の言葉にすぐ反応してIちゃんが駆け寄ってくる。


「ああ。変更で頼む」


「かしこまりました。変更が完了しました」


 その瞬間に大量の項目がずら~~~と現れる。

 多すぎてわけわからなくなりそうなくらいある。


「こういうパーツが欲しいと念じることによってパーツを出すことが出来ます」

 Iちゃんから助言が入る。


「なるほどね。それなら大丈夫そうだな」

 Iちゃんの助言を元に欲しいと思ったパーツを頭に思い浮かべる。

 

 そのパーツとそれに類似したパーツがいくつも現れた。


「なるほどね。こうなるか。凄いな」

  

 試行錯誤しながらようやくキャラメイキングが終わった。


 最終的なキャラメイキングの結果として、元々の身長が171㎝あったので、悩んだが変に身長を弄って違和感を感じても嫌なので、結局弄らず。

 体系の方も多少は運動してるので元々細見&筋肉質だったので、変に筋肉つけ過ぎても少々気持ち悪くなりそうだから、そこも弄らず。

 最近19歳にしてストレスで生え際が後退してるのでそこは弄り、目元を少しキリッとさせて、顔全体を元の面影を残しつつイケメンになるように弄った。


 大分満足のいく仕上がりとなった。


「じゃあ。これでキャラメイキング終了で頼む」


「かしこまりました。では、次にステータス・スキル設定を行います」


「おお、ステータス・スキル設定か。面白そうだな」

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