和歌山カレー事件を知っていますか
だいだい
第1話 その夏、カレー事件と林家
働きもせずになぜ贅沢な暮らしをと皆が指さす林夫妻を
用水路に生ごみも缶も投げ入れてあれはやくざと疎まれてゆく
毒物の賽は投げられ たまさかに二つの鍋の片方に
「カレー、ストップ!」の声遅くもがき苦しむ夏の灼熱
青酸入りカレーはどこに消えたか記事の見出しはヒ素に変わりて
ヒト型の蝉が百匹いるようにカメラはのぼる、フェンスに、壁に
くりかえし映す真須美が放水しニヤリと笑う顔を毒婦と
(背景)
平成初期の和歌山県和歌山市園部地区。林夫妻は保険金詐欺で得た金で裕福な暮らしをしていた。夫妻には4人の子供がいたが、ゴミ出しのマナーなどがなっていなく、地域ではやや浮いていたという報道も。
そんな中、地域の自治会が開いた夏祭りで供されたカレーを食べた人たちが体調不良を訴え、うち2名が死亡。警察のリークから、当初「青酸化合物が吐しゃ物から検出された」と大々的に報じられたが、数日のちには「ヒ素が検出された」と毒物はヒ素に変わっていた。
メディアは警察のリークに基づき林夫妻にターゲットを絞り、林家の周りはマスコミの記者やカメラマンであふれた。加熱する報道は林真須美を「毒婦」にしたて上げていった。
林家はかつてシロアリ駆除事業をしていたためヒ素が入手しやすかったとされるが、当時ヒ素は農薬として一般的に使われていたとも。
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