第4章

第12話「好きになっちゃいけない人」

 あのあと、私は少し居づらくなってしまったので、一旦門の近くまで出た。だって、


『本気で付き合ってますから』


 って、正式でもないのにそんな事言われて、、後々私が苦しくなるだけなのだ。あと3ヶ月で私達の関係は終わりを迎えるというのに。でも、流石に気になってしまったので、弓道場へ戻った。すると、驚きの光景を見てしまった。


 翔人と先輩が抱き合っていたのだ。


 私はいても立ってもいられなくなり、翔人にメールだけ送って、先に帰ることにした。


 多分、もう別れる話が来るだろうな。

 私に飽きたんだろうな。


 あの先輩、私よりずっと可愛かったし。


 ブーブー


 携帯が震えている。携帯を見ると、電話だった。翔人だった。


 私は、すんなり出ることができなかった。逆に、そのまま電源を切ってしまった。


 これから、私はどうなってしまうんだろうか。またいつもみたいに、ほぼ孤独な生活が待っているのだろうか。そんな事を考えていたら、いつの間にか家についていた。今日はもう早く寝よう。私はそう決心した。


__________________



 〜翌日〜



『話したいことがある。放課後、体育館の裏で待ってる。』



 翔人からのメールに気づいたのは、既に午後6時。本当は、昼休みに既にメールには気づいていた。だけど、それが翔人からだと知った瞬間、通知からちょっと見える文字を見た瞬間、今日はもう帰ろうと決心していた。


 私は同時に嫌だと感じてしまったのだ。


 自分のミッションすらも守れない私という人間が。

 そう、つまりは


『翔人を本気で好きになってしまった』のだ。


 私はこの気持ちを絢香に話そうと、電話した。

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